裏組みのタイミング

レーシングカートはサスペンションがないにもかかわらず、シャーシやシャフトのしなりによってタイヤは外側よりも内側が消耗していく特性を持つ。特にKFのようにコンパウンドの柔らかいハイグリップタイヤを使用する場合は、目に見えるスピードでタイヤの内側が消耗し、次第に円錐形のようにすぼんだ形になっていく。このため「裏組み」と呼ばれる作業を行う必要がある。いったんホイールからタイヤを外して内側と外側を逆転させて組みなおすのだ。ただ、そのタイミングは重要だ。

レースディスタンスを考慮する

KFの場合は公式練習で使用するタイヤは自由で、タイムトライアル~第1決勝までを1セットのタイヤを使用しなければならない。例えば鈴鹿大会の場合、大抵のドライバーはタイムトライアルを7周ほど走り、予選が12周、決勝24周の合計41周程度をこなす必要がある。

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冨田自然、佐藤巧望を写した2枚の写真は第9戦予選ダミーグリッドで撮影された写真だが、両者ともにタイヤ外側がきれいな状態で残っていることから裏組みを行っていないことがわかる。これはタイムトライアル(7周程度)+予選(12周)=19周となり、予選レース終了後がちょうどレースディスタンスの中間地点となり、決勝レース前に裏組みを行うことで決勝ではきれいに残ったタイヤの角を使うことが可能になるためだ。

ただし裏組みにはデメリットがある。それは裏組みを行った直後ではマシンの安定性や操縦性が若干劣ってしまうことだ。タイヤの内側がすり減っているということは疑似的にキャンバーやトーインがついている状態になるため、直進安定性やコーナリングでの安定感は向上する。裏組みはこれを真逆の方向に変化させる行為であるため、タイヤの角がある程度すり減っていくまではハンドリングに難が生じやすい。

チーム内でも判断が分かれる

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こちらは同じく第9戦予選直前に撮影したTOYOTA YAMAHA RTの2名だ。よく見てみると太田格之進は先に紹介した2名と同じ状態であるが、下の三宅淳詞はこの段階ですでに裏組みを行っている。これには予選での優位性を上げるためか、あるいはタイヤの内外を均等に減らし決勝直前にさらに裏組みをおこなうことにより、決勝スタート直後での不安定感を減少させる目的があると考えられる。さてその結果やいかに、と行きたいところだが、残念ながら2名ともに第9戦決勝はリタイヤに終わってしまっている。

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