2017全日本カートSUGO タイヤメーカーインタビュー

ついに2017年の全日本カート選手権OK部門が開幕した。昨シーズンのタイヤ戦争を振り返ると、シリーズチャンピオンを獲得したのはDUNLOPではあったものの、BRIDGESTONEやYOKOHAMAも全く引けをとらず、それどころかサーキットやコンディションによっては他を圧倒するポテンシャルを見せつけるなど例年にないほどに3社の実力が拮抗したシーズンであった。今シーズンは昨シーズンまでのKFからOKへと移行し、最低重量が一気に13kgも軽くなるといったレギュレーション面での変化があり、そこに各社がどのように対応していくのかにも注目が集まる。朝晩は寒さが残りつつも昼間には上着を脱ぎたくなるような陽気を纏った宮城の地での攻防を探った。

目次

DUNLOP「去年の課題を解決」

Paddock Gate 藤松楽久:まずは昨年のシーズンについて教えてください。昨シーズンのDLは、シリーズチャンピオンを獲得しましたが、その一方でかなり苦しい状況に追い込まれたレースもあり、かなり僅差での勝利であったように思われますが、今一度振り返ってみてどう思いますか?

DUNLOP 大小瀬求昨シーズンの最終戦後に言ったことと同じことにはなりますが、開幕戦で判明した悪いところを薬として作用させられたことが、結果としてシリーズチャンピオンを獲得することに繋がりました。あの開幕戦があったからこそ、シーズンをうまく戦うことができました。

藤松:昨年のSUGOでは、唯一ドライで走れたTTはDLの菅波冬悟がトップを獲得しましたが、ウエットとなった日曜日は勝負権がないといっても過言ではないほどに成績を残すことができませんでしたが、そのあたりはどのようにお考えですか。

大小瀬:その点は大きな課題でしたので、冬のオフシーズンに開発を進めてきました。あの時点でウエットではあれだけの差があったので、今の段階で勝てるのか?と聞かれれば、自信をもって勝てるとは言えません。しかし、前に進んでいることは確かです。あの時のようなことにはなりません。

藤松:今回のSUGOは、4月末ですが意外と暖かいなというのが私の印象です。こういう気候は予測していましたか?

大小瀬:春の天気はそもそも予測不可能です。ですから、対応可能な温度領域を比較的広めにとってきました。去年の開幕戦では対応温度域の微妙な差で敗北を喫しました。特に昨年は予想よりも低い温度域になったときにディスアドバンテージがあり、それを一つの課題として捉えていたので、解決しべくトライしてSUGOに臨んでいます。

藤松:車両がOKに変化したことで、タイヤに何か変化がありましたか?

大小瀬:OKになって前後の重量配分の変化やフロントブレーキの禁止があったので、タイヤも変わるだろうなと考えつつも、カートであることには変わりありません。それらの変化に対応するための必要なチューニングは行いました。

BRIDGESTONE「ポジティブな方向」

Paddock Gate 藤松楽久:昨シーズンはシリーズチャンピオンにわずかに届かず、といったようなシーズンでしたが、改めてどのようなシーズンであったとお考えですか?

BRIDGESTONE 本田真悟:最終戦にはチャンピオンシップをトップで臨みましたが、結果的にはうまくいかずにあとちょっとの僅差で逃してしまいました。トータルとしてグリップやタレ、これは相反する性能にはなりますが、プラスマイナスでわずかに他社に負けていたということだと考えています。苦しんだレースもありましたし、優勝できた時もありましたが、全体としては僅差でした。

藤松:昨シーズンのBSは、特に見えやすいということもありますが、複数種類のウエットタイヤを新規投入するなどトピックスが多かったですよね。

本田:そうですね。ウエットコンディションとなったレースも多く、それにより他社との比較がよりクリアに行うことができましたし、ここSUGOではバッチリと勝つことができました。これは大きな進歩でした。

藤松:4月末の東北ということで天気の予測が難しかったと思いますが、どうでしょうか。

本田:その通りで、4月のSUGOはすごく寒い場合と割と暖かい場合の両方があり得るため、レースウィークはどういう状況に触れるかわかりません。ですので、どのような状況であっても高いグリップレベルを保てるかが問題となります。もちろんSUGOはコーナリングが続くコースであり、レースの長い距離を走るためには摩耗や安定性を高めることもポイントです。

藤松:レギュレーションがOKに変わったことで何かタイヤに変化はあったのでしょうか。

本田:重量が軽く、またフロントブレーキがなくなったため、これがどのように影響するのかをしっかりと考えてオフシーズンに開発を行いました。シーズンの開幕戦ということで、ふたを開けてみるまでどのような結果を迎えるのかはわかりませんが、少なくとも現時点でグリップとタレの両立は悪いところにはいません。木曜日、金曜日ともにポジティブな方向に来ています。各チームとのやり取りもいい雰囲気でできているので、いけると思います。

YOKOHAMA「原点回帰」

Paddock Gate 藤松楽久:YHは内藤さんから三好さんに担当者が変更になりましたが、少なくとも去年までを見るとYHはSUGOが苦手だという傾向があると思います。今年はどうなるのでしょうか。

YOKOHAMA 三好雅章:確かに我々にとってこのSUGOは苦手なコースだと言わざるを得ません。担当者が変わりましたが、前任のいいところを引き継ぎつつ、新任の私のエッセンスを加えて、それがいい方向に働くように努力しています。特にドライでのSUGOはいまいちでしたが、テスト段階では感触も悪くなく、方向性を確認することができました。

藤松:OKへとカテゴリーが変わったことで何か開発に影響はありましたか?

三好:KFは重量が重かった分コーナーがきつかったです。しかしOKは軽くなった分スピードも向上したので、タイヤの負荷はあまり変わらないのではないかと考えています。ただ、テストでは路面状況があまり良くなかったので、変化を完璧に把握することはできませんでしたが、その辺を踏まえて今回のタイヤを用意してきました。

藤松:なにか今回のタイヤにコンセプトのようなものはありますか?

三好:コンセプトを上げるとすれば、原点回帰です。タイヤとして、コンパウンドや構造などのすべての部材が正しく機能することを一番に考えました。前任の残したものと、自分のいいところ使って、一つ一つを積み上げてより良い方向に伸ばしていきます。また担当が変わったことで勝てなくなったとか、開発が遅れるようになったということのないように、これまで以上に頑張っていきます。

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