CIK新ルールに対処!フロントフェアリングの高さを見る

今シーズンのレギュレーション変更点の中での一番のトピックスといえば、やはり2015-2020のCIK-FIA公認フロントフェアリング取り付けキット(以下、新型フェアリング)の使用義務化並びにペナルティについてだ。プッシングを可視化できるこの新型フェアリングによって、安全のために取り付けられたカウルによってプッシングが過激化するという皮肉な現状が解消されるのか否かはまだわからないが、違反すると当該ヒートに10秒加算という重いペナルティがルールブックに記載される限りエントラントはそれに対応していく必要がある。

フロントフェアリングとバンパーの隙間をチェック

このルールにより、公式練習とタイムトライアルを除き、ダミーグリッドに入る前はフロントフェアリングを外した状態でなければならず、スタートサービスパーク(SUGOの場合はダミーグリッド)でフェアリング装着後にフェアリングと金属バンパーとの隙間が27mm以上確保されているかをチェックされる。とくにOTKのM6フェアリングの場合、その形状ゆえに左右のズレ許容範囲が狭く、2017年モデルからこの規定に対応すべく金属バンパーの形状が変更になったとはいえ取り付けには若干手間取っているチームが見られた。またフロントフェアリングにVOC(揮発性有機化合物)が規定以上(5ppm)に付着していないかどうかのチェックが行われる場合もある。

フロントフェアリングの高さをチェックする

ここで一枚の写真を見てみよう。EXPRIT RACING TEAM JAPANのルーキードライバー井本大雅が走行している様子を切り取った写真だが、筆者はこの写真を撮影したときにちょっとした違和感を感じた。その正体は、フロントバンパーの下から覗くオレンジ色のフレームだ。これまでフレームがフロントバンパーの下から見えるようなことはなかったが、特にEXPRITの5台はフレームがよく見える。一体どういうことなのだろうか。

というわけでOTK系の4ブランドのフロントフェアリングを比べてみよう。明らかにフェアリングが高く見えるのはEXPRITではあるが、よく観察してみるとFA-KARTと変わらない位置にあり、フレームの色によってその高さが強調されていることがわかる。対照的にTONYKARTとKOSMICは、2016年以前までによく見られたスタイルでありこれといった違和感は感じない。

この差は新型フェアリングキットの調整機能によるものだ。CIK-FIAが唯一公認しているフェアリングキットKG 1/CA/20 01/01/ETは3段階の高さ調整できるようになっている。EXPRITやFA-KARTは最も高い位置に設定しているのだ。今シーズンの全日本開幕戦となった琵琶湖スポーツランドでは、縁石に乗り上げることでバンパーが脱落する可能性を危惧するドライバーが多かった他、穴が開いているバンパーはレースでの使用が禁止されていたが(SUGOではバンパーの穴に関するチェックはされていなかった)、そもそもフェアリングが地面に接触しないほど高ければ不意に脱落してしまう可能性は減少する。高い位置に設定するとフェアリングを取り外す際にフロントパネルに接触するため整備性は悪化するが、走行中に擦ったり、また縁石やコースアウトなどでズレることは予防できるのだ。

他のカウルも見ていこう。どれも正常の範囲内にはあり、特別高く設定しているように見えるものは見当たらないのだが、一つ気になるのはDrago corseだ。今シーズンは#11上原拓和と#85佐藤蓮の2名がドライブしているDrago corseだが、二人ともフェアリングが前下がりに取り付けられている。同系列のシャーシであるCroc Promotionと比べてもその違いは明らかだ(ただ#13三村壮太郎のマシン2台の内1台はフェアリングが前傾している)。これは決してフェアリングが脱落しているわけではないため、おそらくバンパー取り付け位置がこの二つのシャーシでは異なっているのだろう。#85佐藤蓮はレース中たびたびフロントフェアリングが脱落したように思えたという発言をしていたが、それはこのDrago Corseのフロントカウルの角度に問題があったのだと推測される。このような場合は各々の判断によりアッパーバンパーの取り付け穴を長穴加工するなどして角度を調整するべきかもしれない。

関連情報

関連記事

ページ上部へ戻る