2017全日本カート本庄 タイヤメーカーインタビュー

ついに全日本カート選手権OK部門第3戦、4戦本庄サーキット大会が開幕。6月に入ったばかりではあるが連日30度近い最高気温をたたき出しており、路面にはドライバーやメカニックの汗がしたたり落ちている。トップカテゴリーを戦うタイヤメーカー3社は、全く新しいサーキットであるこの本庄サーキットに対してどのようなアプローチを行ってきたのか。どうやらメーカーによってこのコースの印象は大きく異なるようだ。

YOKOHAMA「SUGOで現状がはっきりと見えた」

Paddock Gate 藤松楽久:前回のSUGOでは、第2戦は三村壮太郎の活躍もありましたが、第1戦のタイヤの消耗状態の悪さは驚きを隠せませんでした。担当者が変更になって初めての全日本カート選手権でしたが、どのようなレースでしたか?

YOKOHAMA 三好雅章:レースは結果が全てです。自分たちの現状の実力がはっきりと出てしまったと思いました。特に第1戦ではトータルでの実力差をはっきりと見せつけられました。あのような結果になったのは、タイヤやセッティングの方向性を見誤ったことにも原因がありました。そこで第2戦では方向性を大きく修正し、予選決勝をすべて走り切りつつ4位という順位を獲得することができました。ポイントを合わせればそのような実力を発揮することができますが、総合で考えるとまだまだなのだなと実感しました。今YHは3名のドライバーがいます。その全員がパフォーマンスを十分に発揮できるように、懐の大きいタイヤを作るようにしなければならないと痛感しています。

藤松:本庄サーキットはトップカテゴリー初開催で過去のデータが全くない状況ですが、どのような印象を持ちましたか?

三好:タイヤの使用感の差が出にくいですね。タイヤの特性を変えてもタイムがほとんど変わりません。ですので、タイヤの基本的な設計に差が出るのではないかと思います。他のコースでは出てくるようなタイヤの特性差が出てこないので、チームやドライバーといった総合力で戦わないと勝つことはできないでしょう。

藤松:カート専用サーキットではないというところも本庄サーキットのポイントの一つですよね。

三好:そうですね。ですからレースウィークの初日とレース本番で大きく路面が変わると読んでいます。それがどのように変わっていくのかをつかむのは難しいです。その変化に対してタイヤがどのようにあっていくのかは、レースになって初めてわかることでしょう。

藤松:この本庄サーキットに対してどのようなタイヤを用意してきたのでしょうか?

三好:SUGOでは我々のタイヤの良いところ、悪いところが見えました。ネガティブな点を消したうえでポジティブな点を伸ばすように改良してきました。SUGOの第2レースでは、これまでにないほど後半でのグリップ力がありました。これが良いところです。そして悪いところは第1レースで見えた耐摩耗性の悪さです。コンパウンドや構造に改良を加え、そのネガティブな点が出ないこと、そして後半でのグリップ力を意識して作ってきました。

 

 

DUNLOP「どんな事態でも対処できるように」

Paddock Gate 藤松楽久:開幕戦では長年苦汁を舐めさせられてきたSUGOで2連勝を飾ることができましたね。改めておめでとうございます。

DUNLOP 大小瀬求:ありがとうございます。これまではSUGOではもちろん開幕戦で勝てないというシーズンとなっていましたが、今回そこで勝ったというのは、我々が開発してきた結果が出たということです。去年の開幕戦では路面温度が低いときに弱みがありましたが、勝ったことにより技術的な前進も見えました。さらにレースウィークの過ごし方やチームの雰囲気がよくなり、今シーズンのためのいい弾みとなるレースになったと思います。

藤松:トップカテゴリーにとって全く初めての開催となる本庄サーキットですが、どのようなイメージを持っていますか?

大小瀬:コースレイアウトやGのかかり方は瑞浪に近いように思います。瑞浪をよりシンプルに、高速に仕立てたような印象です。コースの特性的にタイヤが減らないため、タイヤだけで勝つことは難しいです。さらにデータ量も乏しいです。ですので、第1にきちんと勝負できる、外さないタイヤを意識してきました。過去のデータがないのでそういうスタンスで開発せざるを得ません。

藤松:6月になったばかりですがかなり気温も高いですね。このような天気は予想していましたか?

大小瀬:そもそも天気や路面温度を当てる気があまりないです。ある程度の予想は立てますが、幅広い範囲で対応できるようにしています。予想を立てて当てに行くと想定外の事態が起きた時に大外れしてしまいます。どうなっても打つ手がなくならないように、こうなればああするように、と準備してきました。

藤松:金曜日の時点ではあまりゴムが乗っておらず、なんとなくですがゴムが乗るというよりも路面がきれいになっていくような印象を持っているのですが、これもコースの特性でしょうか?

大小瀬:コース幅が広く、ドライバーによってラインが異なっているのでゴムが乗りにくい状況にあるみたいですね。普段はカートが走らないサーキットですが、このレースウィークにカートがたくさん走り続けることでドリフトなどの影響も少なくなります。レース当日になって大きな路面コンディション変化は起こりにくいのではないかと思います。

藤松:金曜日の時点での他社との比較はどうですか?

大小瀬:もちろん他社の動きも気になるのですが、このサーキットでは過去の課題もありませんし、とりあえずあまり気にしないようにしています。今はタイヤを変化させたときの動きを予想し、それをテストし実証することを重点的に行っています。大体予想した通りになっているので、いい方向性にあると思います。

 

 

BRIDGESTONE「タイヤの前後方向を意識してきた」

Paddock Gate 藤松楽久:前回のSUGOでは、第1戦こそ3位以降はBS勢で占めることができましたが、第2戦はBSにとって苦しいレースとなりましたね。これはどのようなところに問題があったのでしょうか?

BRIDGESTONE 本田真悟:TTでタイムが伸びず苦戦したのが響きました。これはレギュレーションがOKに変わったからうまくいかなかった、ということではありません。我々としては勝負できるタイヤのつもりだったのが、思っていたよりもタイムが出ず、うまく機能しなかったのです。この要因は様々あり今では把握もできているのですが、SUGOの現場ではそこまで見えていませんでした。第1戦はTT~決勝までタイヤを使うため、長丁場でもコンスタントにタイムを刻めていたのでよかったところもあったのですが、最終的にはあのような結果に終わってしまったので、いまいちなタイヤであったと言わざるを得ません。

藤松:今回の本庄サーキットはOK初開催ですが、BSとしてはこのサーキットに対してどのような印象を抱いていますか?

本田:ストップ&ゴーで、横Gがかかる時間が長いSUGOのようなコースとは真逆の印象です。本庄はタイヤにやさしいということはどのメーカーも思っていることだと思います。

藤松:どこかのカートコースに似ている、というような印象はありますか?

本田:コーナーとコーナーが直線でつながっているイメージが、鈴鹿南コースに似ているように思います。鈴鹿も大きな意味ではストップ&ゴーで、細かいところでは鈴鹿の25Rと本庄の最終コーナーはGのかかり方などが似ていると感じました。

藤松:金曜日にコース内を歩いてみると思っていたよりもゴムが乗っていないように思えたのですが、この辺りはどうでしょうか?

本田:ゴムの乗りかたは、同じサーキットであってもその時のコンディションや使われるタイヤによっても変わりますが、コースによってコンディション変化が大きい、少ないというのはあります。ただ本庄は普段はカートコースでないという点から路面変化が大きいように思います。そうはいってもタイヤが減りにくい、垂れにくいという特徴に変化はありません。

藤松:そのようなサーキットに対してどのようなタイヤを用意してきたのですか?

本田:全く初めてのコースということで、どのようにアプローチしていくかは悩みました。直線主体と言っても当然コーナーがあるわけですから、長い直線を生かすためコーナーの進入、立ち上がりでの優位性を意識しました。

藤松:というのは具体的にどのような方向性で開発したのですか?

本田:ちゃんと止まり、ちゃんとトラクションがかかるという前後方向の動きを考えてパッケージングしてきました。ただ実際にレースウィークを迎えてみると、もっとこうすればいいのでは、ああすればいいのではというアイデアが出てきます。タイヤの特性によって車のセットも変わってきますし、どのようにするかを考えながら週末を過ごしていかねばなりません。しかし今のところBS全体としては悪くないと思います。いい流れができているのではないでしょうか。

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