2017全日本カート瑞浪 タイヤメーカーインタビュー

2017全日本カート選手権はついにここフェスティカサーキット瑞浪にて折り返し地点を迎える。夏真っ盛りの瑞浪は、木曜日の夜から降り始めた雨は金曜日の昼まで走行不可になるほどの豪雨に見舞われたが、昼からは一気に天候や路面状況が回復、うだるような暑さの中ドライでの走行が行われた。しかし夕方にかけ気温は急降下し、走行終了後には再び豪雨となるなど今週末の天候に一抹の不満を覚えるほどに不安定な状況となっている。またピットではDUNLOPの持ち込んだタイヤが常識外れにサイズが大きいことが一つの話題になっており、チャンピオンメーカーの大胆なトライに注目が集まっている。灼熱の戦いを制するのはいったい誰になるのか。タイヤメーカー各社に話を聞いてきた。

BRIDGESTONE「考えがクリアにまとまった」

Paddock Gate 藤松楽久:前回は第4戦の激しいバトルをBRIDGESTONEユーザーである名取鉄平が制しました。本庄サーキットというスペシャルタイヤにとって未経験のサーキットでの勝利でしたが、どういう印象を持ちましたか?

BRIDGESTONE 本田真悟:非常に僅差での勝ちであり、他メーカーとの性能差はほぼなかったと思います。ですから、レベルアップが必要だと再認識しました。

藤松:新規のサーキットでのレースということで、何か新しい発見などはあったのでしょうか。

本田:未経験のサーキットでしたので、レースウィークに持ち込むタイヤのスペックもいつもよりも少し変え、様々な見方から作ったタイヤを用意しました。レースウィークに選択したタイヤは、いつもであればあまり選ばれないスペックのものになりました。ここから新しい知見を得ることができたことが本庄サーキットでの収穫だったといえます。

藤松:今週の瑞浪大会について教えてください。現在、木曜日・金曜日とセッションをこなしてきましたが、日中は熱く、夕方には大雨に見舞われるなど天候が不安定ですね。

本田:気温が高くなることを見越してスペックを考えてきたのですが、山中のサーキットということで寒暖差が大きいため、そこをどうこなしていくかがポイントとなるでしょう。天気予報を当てにすることもできないですし、特に木・金曜日がそうであったように夕方の天候が非常に不安定です。そういうことを考慮してレースを組み立てていかねばなりません。

藤松:タイヤの外観を見ると、DL>YH>BSの順でサイズが小さくなっていくような印象があります。同じサーキットで戦うにもかかわらず大きなコンセプトの差が生まれてきていますが、ここにはどのような理由があるのでしょうか。

本田:狙っていることはどのメーカーも同じで、グリップと耐久性を高いレベルで確保することにあるはずです。そこに向けては様々なアプローチがあり、また多くのメリット・デメリットがあります。そこをどのようにくみ取り形作っていくのかはメーカー間の考え方の違いがあるのでしょう。

藤松:今週末のレースはどのようになりそうですか?

本田:事前のテストやレースウィークのこれまでの結果は悪くありません。特に今週は、暑いコンディションも寒いコンディションもテストすることができました。実は金曜日の途中まではレースで使うスペックを決めかねておりモヤモヤいたのですが、最終的にはクリアになりました。また、木曜日では各社タイムが横並び、金曜日ではBSが少し劣り気味ではありましたが、考えがクリアにまとまったこと、そして悪天候でのデータ収集ができたのでポジティブに捉えています。天候も不安定ですが、ドライもウエットも十分に戦える準備が整っているので、レースの結果には強く期待しています。

DUNLOP「昨年の不安を払拭した」

Paddock Gate 藤松楽久:前回の本庄大会では一戦は優勝、もう一戦は2位という結果になりましたね。新たなサーキットでの戦いでのこのような結果をDUNLOPではどのように捉えているのでしょうか。

DUNLOP 大小瀬求:SUGOとは異なり一戦負けていることから、見る人が見ればネガティブな印象を受けるのかもしれません。しかし、本庄のレース前にも言いましたが、データがない中でのレースということで、我々は外しのないタイヤを作るという目標を立てました。レースの結果としては一戦勝って、もう一戦でも表彰台を獲得できました。つまりは外さない中でも勝てるタイヤを用意できたということであり、目標を達成できたと言えます。ゆえにあれはあれで満足のいく結果でした。しかし、あの時のタイヤがベストなタイヤであったとは思っていません。来年のスケジュールはわかりませんが、次に本庄でレースがあったときにどうするべきかは見えたレースとなりました。

藤松:今回の瑞浪にはどのようなタイヤを持ち込んできたのでしょうか?見るとDLのリアタイヤは過去に類を見ないぐらい外形も横幅も大きく見えますが…。

大小瀬:サイズに関してはノーコメントです(笑)。本庄でも言いましたが、特に今回は天候が読めないので様々な状況に対して対応できるように準備をしてきました。なので暑かろうが涼しかろうが、ベストなスペックの選定ができるはずです。ただ、去年のレースを振り返ってみると、TTでは気温が暑く、第1決勝は涼しいコンディションになり、そしてそのTTはBSが強かったです。この経験があるため、仮に気温が高くなった時にどうやって競争力を確保するのかは強く意識してきました。もし去年TTの時のまま高い気温でのレースが行われていたら…と思うと不安がありますが、そのような不安を払拭できるようにトライしてきました。

藤松:去年の経験を踏まえ作ってきたタイヤで戦う今回のレースに対して期待は持てていますか?

大小瀬:事前のテストでも、金曜日までのセッションも悪くない結果を得ており、調子はいいと思います。レースの結果は他社との競争ですのでどうなるのかはわかりませんが、たとえどのような結果になったとしても、その結果を次のレースへと生かせるように仕上げてきます。

YOKOHAMA「今回はかなり期待できる」

Paddock Gate 藤松楽久:前回の本庄大会ではパッとしない結果に終わってしまったように思います。ここには何か反省点があったのでしょうか。

YOKOHAMA 三好雅章:本庄ではレースラップは悪くなく、他社に比べても大きな差はなかったように思います。よって考えてきた方向性そのものは外れていなかったのですが、タイヤも含めて様々なことがうまく繋がらなかった週末でした。初めてのサーキットということでタイヤのスペックを外さなかった分、当たりもしなかったです。本庄はSTOP&GOのサーキットであり、立ち上がりでスピードを乗せるためのトラクション性能が他社に比べ劣っている点が出てしまったかなと思います。加えて一発のタイムも伸び悩み、鳴かず飛ばずの結果となってしまったことが反省点です。

藤松:今回の舞台であるフェスティカサーキット瑞浪は国内有数の高速サーキットですが、どのようなタイヤを用意してきたのでしょうか?

三好:瑞浪はタイヤに対して負荷が少なく、比較的やさしいサーキットです。また夏場ということで気温が高くなることが予想されます。そこに合わせたタイヤ作りを行ってきました。前回の本庄では一発のタイムに課題があったため、そこをクリアするために変更を加えテストでも結果が出てきています。うまく機能すれば上位に食い込めるはずです。

藤松:YHを使うチームの一部からは、YHが一番オーソドックスなタイヤではないかという話もでてきています。

三好:そうかもしれません。一発のタイムを出すために前後バランスの見直しを行いましたし、実力を結果に残すためにロングディスタンスでの耐久性も向上しました。その結果は金曜日、三村壮太郎が記録した中古タイヤでの好タイムに表れています。今回はかなり期待しています。ドライでも表彰台獲得、そして優勝するために全力でチームをサポートしていきます。

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