2017全日本カート選手権スポーツランドSUGO OK開幕戦の見どころ

全日本カート選手権OK部門&東地域の開幕!

3月25日に琵琶湖スポーツランドにて開幕した2017全日本カート選手権西地域から遅れること1か月。ついに東地域と国内最高峰カテゴリーであるOK部門が、2017年4月22日、23日に東北の地スポーツランドSUGO西コースにて開幕する。今シーズンは最高峰カテゴリーがKFからOKへと移行、ヨーロッパで普及しているプッシングが可視化できるフロントスポイラーの正式採用、下位カテゴリーのタイヤの変更などレギュレーション面での変化が多いシーズンではあるが、それらによりレースシーンはどのような進化を迎えるのだろうか。見どころを紹介していきたい。

最高峰カテゴリーがKF→OKへ変更

2016シーズンからヨーロッパでは採用されていた、次世代のミッションレスカートの最高峰カテゴリー”OK”がついに今シーズンから全日本カート選手権に登場する。OKカテゴリーの大まかな変更点については、最低重量が-13kgの145kgとなり、ダイレクトドライブエンジンへの変更、フロントブレーキの使用禁止と、つまりは「シンプルかつ軽量」というレーシングカートの原点に回帰するカテゴリーとなった。

コンパクトなOKエンジン

KFでも水冷125ccエンジンとしては十分にコンパクトであったが、OKはそれをさらに下回るサイズ感である。これはセルモーターやクラッチ取り外され、ウォーターポンプが外付けへと変更された影響が大きい。バッテリーなどの電装類や、レース中にクラッチの不正をチェックするための装置などが不要になったこと、そして最低重量の大幅な現象によるバランスウエイトの撤去などにより、OKマシンは空冷ダイレクトドライブのクラスの次にシンプルなカートへと生まれ変わった。

補器類の少ないマシン

今や懐かしい押し掛け

その結果何が起きるのか。それはKFからの大幅なタイムアップだ。13kgの最低重量減量はコーナリングスピードの向上を促し、我々が確認した限りすでにOKは鈴鹿のKFコースレコードを軽々と更新する驚異的なスピードを発揮している。開幕戦の舞台となるSUGOでのタイヤテストの結果については不明ではあるが、昨年のタイムトライアルで菅波冬悟が記録した37.904秒や、SUGOのコースレコードである平木湧也の37.880秒(2011年/SuperKF)を上回るタイムが記録されることは間違いない。おそらく37秒台前半が記録されるだろう。これによりSUGOのコンパクト&ハイスピードレイアウトは、OKドライバーたちにこれまで以上に鋭い牙を剝くことになる。世界最速のカートレースとなった全日本カート選手権OK部門の開幕戦を見逃すことはできない!

新型フェアリング&Fブレーキの廃止によりバトルが減少する?

FS-125で廃止になって以来KFでのみ使用されていた右手で独立して操作可能なフロントブレーキが使用禁止となったことで、ある種の特殊技能であったブレーキ操作は過去の遺産と化した。今年からOKに参戦するルーキードライバーたちはこの特殊技能を習得せずともこれまでと同じ左足のブレーキでのみマシンを制御すればいいことになった。逆にフロントブレーキのテクニックにより優位に立っていたドライバーは一つ重要な武器を失ってしまうことになる。特にパッシングの際に強力な武器であったフロントブレーキは「突っ込んだもん勝ちになってしまう」との批判があるほどの戦闘力があったが、これが禁止されることにより時たま見られた決死のツッコミはある程度姿を消すことになるだろう。

昨シーズン流行したフロントブレーキカバーも1年限りで終了

もう一つのトピックスは2015-2020のCIK-FIA公認フロントフェアリング取り付けキット(以下、新型フェアリング)に関するペナルティだ。昨シーズンKFでだけ使用されていた新型フェアリングだが、これに関するペナルティが特に存在していなかった。しかし今シーズンからこのフェアリングキットはOKを含む4カテゴリーにて使用が義務化され、徹底したペナルティが実施されることとなったのだ。このフェアリングキットは、取り付け部分が従来のフェアリングから延長されており、フロントカウルが何かと接触するとズレてプッシングが可視化されることが最大の特徴となる。ペナルティはレース終了時点でフロントフェアリングが正しい装着状態でなくなっていたならば、タイムに10秒が加算される。

物議をかもす新型フェアリング

西地域開幕戦の琵琶湖では予選決勝3クラス累計で24台がフェアリングがずれたことによるペナルティを受けていた。このうちの20台は全日本FS-125にて実施されたものだ。確かにタイトな琵琶湖スポーツランドをフルグリッドに近い台数でレースをすれば故意か否かに関わらずプッシングしてしまう可能性は十二分に考えられるが、それにしてもこれまでに類を見ないほどにペナルティが多い。今シーズンから導入された新ルールであるために、まだエントラントやドライバーがこの新型フェアリングに対処できていないことも原因の一つではあるが、仮にプッシングによる10秒加算ペナルティを恐れた結果極端にバトルが減少するとすれば、それは果たしてレースが進化した形だといえるのだろうか。全日本カート選手権OK部門は、ドライバー・エントラントともに国内最速最強のレーシングカートチームが出場するレースである。これまでのような、ひと時も目を離すことのできない素晴らしいレースを期待したい。

ドライバーリスト

26名が国内最強の座を争う

今シーズン最も多くのドライバーを抱えることになったのは、昨シーズンのチャンピオン宮田莉朋を生み出したEXPRIT RACING TEAM JAPAN。昨年まで使用していたEXPRIT TAKAGI RACINGの名を改め、EXPRITワークスチームとして4名をこのOKに送り込んできた。ワークス体制となったためエンジンは昨シーズンのTMからVORTEXへ変更。ドライバーは最高峰カテゴリー3年目となる澤田真治が継続、そして平川真子、井本大雅、環優光という3名のルーキードライバーを投入し体制の一新を図った。またEXPRIT RACING TEAM JAPANと協力体制を取るMASUDA RACING PROJECTでは昨シーズン2位の成績を残した朝日ターボが引き続きシートに収まった。こちらはTMエンジンを使用。

惜しくも昨シーズン2位に終わった朝日ターボ

TONYKART RACING TEAM JAPANもドライバーが1名増えた。2016シーズンの高橋悠之と佐々木大樹に加え、ルーキードライバーの宮下源都がマシンを駆る。また佐々木大樹は2008年以来の全日本カート選手権フル参戦を発表しており、カート界の絶対王者と言われる佐々木が今シーズンの台風の目となることは間違いない。FA-KART RACING TEAMは西村拓真、KOSMIC RACING TEAM JAPANは冨田自然を継続採用。昨シーズンの開幕戦で会場を大いに沸かせた大草りきのチーム名がLCT by KOSMICとなり、シャーシをTONYKARTからKOSMICへ、エンジンをTMからVORTEXへと変更。使用タイヤの記載がないが、YOKOHAMAタイヤを使用するという情報をキャッチしている。

佐々木大樹が今シーズンついにフル参戦する

TOYOTA YAMAHA RACING TEAMでは三宅淳詞とルーキー小川颯太がタッグを組む。昨シーズンTOYOTA YAMAHA RACING TEAMから出場していた太田格之進はチームをSUCCEED SPORTS Jr.へと移籍。そしてSUCCEED SPORTS Jr.から渡邊俊輝がCrocPromotionへと移籍した。さらにCrocPromotionはYOKOHAMAの誇る最強ドライバー三村壮太郎を構え、Drago corseは上原拓和と佐藤蓮のルーキー2名がシートを獲得。佐藤蓮は昨シーズンの全日本FS-125東地域を全戦ポールトゥウィンで飾るという圧倒的な戦果を引っ提げてのOK参戦だ。昨シーズン大躍進を見せたADVAN HIROTEXはドライバーをルーキー藤原道長へと変更した。

昨年の最終戦で悲願のドライ表彰台を獲得したYOKOHAMA陣営

Team Birel ARTは昨シーズンの第2戦優勝・シーズン3位の名取鉄平、NEXUS competitionは児玉和也、CREST RICCIARDOは野中誠太、INTREPID JAPAN CORSEは佐藤巧望を継続採用。児玉和也はシャーシをBirelARTからCRGへスイッチ、佐藤巧望のエンジンは不明だがおそらくTMかVORTEXが投入されるだろう。ベテラン綿谷浩明はXENONカートを国内初投入してきた。未知のシャーシの戦闘力はいかに。さらにRacing Square GENからは2014年以来の最高峰カテゴリー参戦となる白川優太が、満を持してOKに参戦するTEAM WOLFからはルーキー武井遥斗がKOSMICのステアリングを握る。

BS&佐々木大樹の最強タッグが連勝記録を伸ばすか?

このスポーツランドSUGO西コースに限って言えば、2014年から佐々木大樹が全戦優勝(=6連勝)を飾っている。その文字通り足元を支えてきたのがBRIDGESTONEだ。2016シーズンのSUGO大会では、タイムトライアルはトップこそDUNLOPに奪われたもの、上位をBRIDGESTONEがほぼ独占する形となり、また終日レインコンディションとなった決勝日にはYOKOHAMAタイヤの高いレインパフォーマンスをも跳ね除け優勝して見せた。BRIDGESTONEはSUGOと相性がいい、少なくとも昨シーズンまでの成績を見ればそう断言できる。

一方で、その事態に他ならぬ思いを抱いているのがDUNLOP陣営だ。ある情報によると、昨シーズンのDUNLOPはSUGO必勝のため他のコースよりはるかに多くのテストをこなし、またシーズン終了後も精力的にこの東北のサーキットに通い詰めたという。DUNLOP開発責任者の大小瀬求氏は、SUGOでのレース後に「現状ではDUNLOPの持つ知恵や技術、そしてそれらの見極めが足りていませんでした」と語った。彼らはSUGOに対して苦手意識を持っているのかもしれない。ただ、だからこそここSUGOには他以上に強い気合を入れて望んでくるはずだ。

さらに去年のSUGO大会といえば、ハードウエットでの圧倒的なパフォーマンスを見せつけるものの、コンディション変化やレース展開に翻弄され表彰台の頂にあと一歩のところで手がかからなかったYOKOHAMAの印象が強い。タイヤにとっても負荷が大きいSUGOはYOKOHAMAの苦手とするサーキットの一つではあるが、そこを4月下旬の気温の低さでカバーできるか。開発担当者の変更やドライバーの増強などの体制変化をプラスの力へと向け、さらなる進化を遂げることを大いに期待したい。

全26名中9名がルーキードライバーとなったOK開幕戦。ディフェンディングチャンピオンのDUNLOPは10台、BRIDGESTONEは13台、そしてYOKOHAMAは3台を受け持つ。近年のDUNLOPの強さゆえかルーキー9名のうち5名がDUNLOPユーザーとなったが、果たしてドライバーやマシンに厳しく、まだ寒さが残っているであろう宮城県のスポーツランドSUGOではどのようなレースが行われるのか。そして今シーズンの日本最速最強の座に就くのはいったい誰なのか。戦いの幕は今落とされる!

スポーツランドSUGOへのアクセス

公共交通機関の場合

残念ながら現在スポーツランドSUGOへ公共交通機関で来場することはできない。このため、最寄り駅である東北本線 岩沼駅からタクシーを利用する方法となる。

また飛行機で仙台空港まで行く場合、サーキットは仙台空港から車で約30分の距離であるために、レンタカーの利用も便利だ。

自家用車の場合

東北自動車道 村田ICを降りて約20分で到着する。

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