2021年8月28日、千葉県市原市に所在する新東京サーキットは、元F1ドライバーである井出有治を代表取締役から解任したことを発表した。
新東京サーキットの発表によると、解任理由は「職務不適任と考えられる行為があったため」であり、当日付で井手氏の施設出入を禁止としている。今後は定期的な第三者機関による社内調査などを実施し、健全な経営を実施していくとのこと。また同日に新代表取締役社長として若浜俊介氏が就任したと発表している。
参照元:代表取締役解任に関するお知らせ・代表取締役社長就任のお知らせ
運営に尽力しつつも利用者からは不満の声
井出有治氏は2020年9月から新東京サーキットの新オーナーに就任。メディア露出、無料カート教室を通じたモータースポーツの底辺の活性化、そして2020年5月に行われた当サーキットでの6年ぶりの全日本カート選手権開催などに尽力した(参照元:JAFスポーツ)。
ところが代表変更後に新東京サーキットの状況は一変。Paddock Gateに寄せられてきた情報だけでも
- コーススタッフが安全確認を怠っている
- レース開催時に無理のあるパドック割が行われる
- レンタルカートの明らかな整備不良
など、利用者からの不満の声が上がっていた。ただし新型レンタルカート導入や設備投資は行われており、経営改善を図っていた様子が伺われる。
また8月17日には井出氏がSNSにて、サーキットスタッフの新型コロナウイルス感染があったと発表。サーキット関係者へは8月15日の夕方に井出氏から「8月7日にクラスター発生」との連絡があったとのことだが、我々が市原市に問い合わせた所、その時点でのサーキットでの感染者数は5人未満であるためクラスター認定はされていなかった。我々が入手した情報によると、8月7日に開催されたスポーツカートレースの際にスタッフ一名が体調不良を訴え、施設事務所内にてスタッフ数名へ感染が広がったと見られている。8月10日時点ですでに感染者確認の話を聞いた人もおり、感染を確認しながらも1週間通常営業を行っていた可能性がある。本件に関して我々は新東京サーキットに問い合わせを行ったが、問い合わせから2週間が経過した今なお返答は無い。
新型コロナ感染発表以降は感染対策として一人で施設運営を行っていた井出氏。8月26日時点で計測システムのセットアップ習得や翌週からのレンタルカート営業再開についてSNSに投稿を行っており、今回の解任は非常に急な出来事であった様子。井出氏は共同出資者である新代表取締役 若浜氏と経営方針を巡って対立していたという話もあり、金銭的なトラブルが原因か?新東京サーキットの行く末やいかに。