広島県廿日市市のレーシングカートコース「カートピスタヒロシマ」が2025年11月末で営業を終了します。
カートピスタヒロシマは広島県廿日市市玖島16にある、全長650m、最大直線長130m、幅員7~11mを誇るレーシングカートコースです。1991年に営業を開始し、かつてはJAF公認も取得。SLレースを始めとした多くのレースを開催しました。

代表の野田優氏は、1974年に全日本カート選手権に出場し、1980年代半ばにはカートの世界選手権にも出場していた名ドライバーです。カートショップとしてかつてはカートブランドDAPを取り扱っていたことから故アイルトン・セナ氏との交友もあり、多くのドライバーを輩出しました。現在Haas F1チームでリザーブドライバーを務める平川亮選手も、カートピスタヒロシマでレースキャリアをスタートさせています。
カートピスタヒロシマでは現在は持ち込みカートのスポーツ走行の他、2ストロークエンジンを搭載したレーシングカートでのレンタルカート営業を行っています。レンタルカートはクラッチ付きエンジンが5~6台、そして今や珍しい押しがけエンジンも4台揃えています。

我々が取材したところ、サーキット営業終了の理由の主な部分はカート部品の価格高騰とのこと。特にクラッチ関係部品の故障率と価格高騰が厳しいとのことで、ヤマハのカート事業撤退も合わせての今回の判断に至ったとのことでした。野田氏はトヨタのGRカートに期待を寄せる一方で、その発売時期が未定なことや、古くからのカートファンとして2stエンジンにこだわってきた以上、4stエンジンやEVには2stほどの魅力を感じられない部分もあるとのことでした。
野田氏には営業終了後もサーキットの形はなるべく維持させたいと考えています。これは廿日市市中心部とカートピスタヒロシマを繋ぐ泉水峠の道が開通すれば、利便性が一気に向上するため。現在宮島スマートICからサーキットまでは車で約30分かかりますが、もし新しい道が開通すれば所要時間が約15分に短縮されます。
「未来のためにカートピスタヒロシマが復活できる形を残したい」と、取材に対し野田氏は思いを語りました。
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