全日本カート選手権 鈴鹿サーキットの見どころ

2016年の全日本カート選手権がついに10月23日に最終戦を迎える。決戦の地は、三重県 鈴鹿サーキット国際南コース。毎年F1日本グランプリが開催され、モータースポーツファンにとっての聖地とも呼ばれる鈴鹿サーキットは、2016年シーズンの決着をつけるにふさわしい。

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目次

KF部門の見どころ

名取鉄平がランキングトップで最終戦に臨む

雨中決戦となった前回のSUGOでは、DUNLOPが持ち込んだレインタイヤが他社に比べて機能しないという事態が発生したため、ランキング上位であった宮田莉朋、朝日ターボ、角田裕毅といった面々が第8戦では全員ノーポイントに終わった。その一方で、前回から参戦した佐々木大樹が2連勝を飾り、またレインコンディションに強みを持つYOKOHAMAタイヤの三村壮太郎と小高一斗が活躍を見せたため、ランキング上位陣にはさほど大きな影響がないと思われた。ところがここで着実にポイントを稼いだドライバーがいた。名取鉄平だ。SUGOでは表彰台にこそ上がれなかったものの、第8戦予選ではトップチェッカーを受け、また決勝では2回ともに5位入賞を果たした名取がここでついにポイントランキングトップに躍り出た。

1位:名取鉄平 175p

1位:名取鉄平 175p

2位:宮田莉朋 163p

2位:宮田莉朋 163p

3位:朝日ターボ 161p

3位:朝日ターボ 161p

4位:角田裕毅 143p

4位:角田裕毅 143p

5位:高橋悠之 129p

5位:高橋悠之 129p

6位:菅波冬悟 112p

6位:菅波冬悟 112p

7位:大草りき 101p

7位:大草りき 101p

8位:三村壮太郎 99p

8位:三村壮太郎 99p

9位:三宅淳司 82p

9位:三宅淳司 82p

10位:太田格之進 82p

10位:太田格之進 82p

全日本カート選手権オフィシャルサイトより クリックで拡大できます

全日本カート選手権オフィシャルサイトより
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KF部門に関しては、最終戦のエクストラポイント(通常の1.5倍)はつかない。このため、最終戦であっても1戦当たりの最大獲得ポイントは予選10p+決勝25pの35pであり、2戦連続ポールトゥウィンを飾れば70pを獲得できる計算になる。つまり現在ランキング6位の菅波冬悟までにシリーズチャンピオンの可能性が残されている。

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さて、SUGOのレース前まではポイントランキングトップでかつ優位に立っていた宮田莉朋であるが、ここにきてかなりの接戦に追い込まれた。各ドライバーともに一瞬の油断もできないような状況であり、どのような結末を迎えるのかは最終戦のチェッカーを切るその瞬間までわからない。

前回のリザルトやレポートはこちらから。
2016全日本カート選手権SUGO リザルト&レポート一覧

注目の選手たち

さて、決戦の舞台は鈴鹿サーキット国際南コースだが、このサーキットは他と違う特徴がある。それは、他のカート専用コースとは違い練習日が極端に少ない点、そして全日本カート選手権の東西統一戦が行われる点だ。練習日が限られているため、たとえ三重県出身のドライバーであっても他県ドライバーよりも多く練習の機会があるわけではない。また国内で最も人気のあるサーキットであるため、ここで行われるローカルレースであっても、日本全国から遠征組がやってくる。この日のために鈴鹿のローカルレースに普段から出場している、というドライバーは多数いる。このため、鈴鹿サーキットに地元ドライバーというものは存在しない。

そんな中でもまず第一に名取鉄平を取り上げたい。彼は現在のランキングトップドライバーだが、それ以上にSRS-Kの卒業生でもある。SRSとは、世界で活躍できるトップドライバー・ライダーの育成を目的とする鈴鹿サーキットが運営するレーシングスクールであり、SRS-Kはそのレーシングカート版だ。有名講師陣による指導を受けることができ、そしてレッスンに使うサーキットはもちろん鈴鹿サーキット国際南コース。まさに鈴鹿サーキットは名取の庭だ。ただ、名取は毎戦タイヤを使いすぎるきらいがあり、SUGOでも予選の段階でかなりタイヤの消耗が激しかったのも事実。走りなれた鈴鹿ではそこを克服し、決勝まできっちりとタイヤマネジメントを行いさえすれば、シリーズチャンピオンは名取の手に収まるだろう。

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そうはいうものの、やはり最注目選手を挙げるとすれば佐々木大樹になる。今シーズンは前戦SUGOから全日本カート選手権へ参戦を開始した佐々木大樹だが、その速さが他を圧倒していることを前回はっきりと見せつけた。かなり独特なドライビングを行う佐々木は、絶対王者の名のごとく鈴鹿の地で連勝を重ねていくのだろうか。

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もちろんDUNLOP開発ドライバーの宮田莉朋朝日ターボ、そして参戦初年度ながら目覚ましい活躍を見せる角田裕毅にも注目したい。この3名は前回のSUGOではDLタイヤがコンディションにうまくかみ合わず、残念ながらあまり目立った成績を収めることができなかった。それでも宮田、朝日の両名はその難しい局面であっても前方に食らいつくドライビングを発揮しており、また角田の速さには光るものを感じずにはいられない。

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第5戦茂原大会から急速に活躍している小高一斗からも目が離せない。ここのところ、長年YOKOHAMAタイヤの開発を担っている三村壮太郎を上回る速さや活躍を見せている小高。現在のところ、ドライコンディションでは他社から数歩劣っていると言わざるを得ないYOKOHAMAタイヤは、特に高温度域でのグリップ性能に課題を抱えている。最終戦は10月23日。気候も幾分涼しくなってくる時期であり、特に第10戦は夕方、日が陰る直前の時間にチェッカーが切られる。最後に笑うのはYHの2名なのかもしれない。

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この最終戦に対し、ドライバーだけでなくエンジンチューナー、メカニック、タイヤメーカーなど関係者全員が全力をささげて表彰台の頂点を取りに来ている。緊迫したこの状況で優勝するのは、そしてシリーズチャンピオンに輝くのは誰になるのか。最終決戦の火蓋が今切られる!

鈴鹿サーキット国際南コースの特徴

本コースの名物コーナーを盛り込んだハイスピードテクニカルサーキット

国内最大級のカートコースであり、なおかつ現在国内に2つしかないCIK公認の国際サーキットの一つでもある鈴鹿サーキット国際南コース。その全長は1264mだが、他のコースに比べてグリーンエリアをかなり広くとっているために実際の全長以上に大きく見える。実はこの南コース、下りのバックストレートからの3~4コーナー、続く登りのS字など、見れば見るほど鈴鹿サーキット本コースを模したコース設定が取られている。

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鈴鹿サーキット本コースは難易度も高くかなりチャレンジングなサーキットとして世界中にその名が知れ渡っているが、この南コースも負けず劣らずのテクニカルサーキットだ。四輪用ミニサーキットとしての側面も持つため、道幅は一般的なカート用サーキットのそれよりも広いが、複合コーナーや微妙なアップダウン、適度に盛り込まれた低速コーナーやハイスピードでのクランクなどが高次元で組み合わされており、この鈴鹿南コースの攻略は難しい。また直線距離が長くハイギアードなセッティングを取らざるを得ないため、ミスをした際のロスが大きく、また同時にパッシングポイントも多いために順位の入れ替わりがかなり激しい。

攻略ポイントとしては、第一に3コーナー~S字区間を挙げたい。3~4コーナーは最高速からの曲がりながらのブレーキでかつ、続くS字区間に備えなるべくコンパクトに旋回する必要がある。このためスピードが落ちがちなのだが、ここでスピードを落としてしまうとS字区間でのロスが大きくなってしまう。そのS字区間は実はそれぞれのコーナーまでの距離が微妙に異なっており、ここでのリズムをつかむことが大切だ。テンポよく左右への切り替えしを行わなければ、思った以上にタイムロスが大きくなってしまう。鈴鹿南コースではどのコーナーも非常に重要な役割を持っているのだが、もう一つのポイントを挙げるならば最終コーナーに注目しよう。出口に向かって広くなるコーナーだが、パッシング時には抜く側も抜かれる側もラインの自由度が非常に高いのがこのコーナーの特徴だ。最終ラップの最終コーナーで抜かれそうになった時に、アウト側進入からのクロスラインで順位を取り戻すか、それともブロックラインで順位を死守するか。どちらの選択が正しいのか、それはチェッカーを切るその瞬間まで誰にもわからない。

全域を見たわせる丘と、各コーナーを観察できる周回路

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鈴鹿南コースの主な観戦場所は、コースからパドックエリアを挟んで向かい側にある丘(上図の青線で囲まれてたエリア)だ。このコースで唯一全域を見渡すことのできるエリアでもある。残念なことにピットの屋根でホームストレートの一部が隠れてしまうほか、コースから離れた位置にあるため観戦の迫力は乏しい。しかしレースアナウンスが流れるスピーカーが設置されており、レース状況を把握するのにはうってつけの観戦ポイントである。

より近くからマシンやドライバーの一挙一動が見たい!そう考える方にお勧めなのが赤線で示したコース外周の周回路だ。場所によってはかなり近くまで走っているマシンに近寄ることができるため、バイザー越しにドライバーの顔が見れるほど。最終コーナー側の駐車場、あるいは2コーナー先の駐車場から入ることができる。時期によってはあまり整備されておらず草木が多い茂っている場合があり、また1周回るのには結構な距離があるので余裕をもって目的の観戦ポイントまで移動するのがオススメだ。

また最終コーナー側に設置されているトイレの脇には飲食店が出店する。本コースでのレース観戦の際に食べるのを楽しみにしている人が多数いるという、鈴鹿サーキット名物の牛串もここで買うことができる。

鈴鹿サーキット国際南コースへのアクセス

さすがにF1日本グランプリを開催するだけあって、鈴鹿サーキットは駐車場も充実しているだけでなく公共交通機関での来場も便利だ。10月22日(土)・23日(日)鈴鹿サーキット遊園地のメインゲートから南コースまでを繋ぐ無料シャトルバスが運行されるため、自家用車で来場した場合は遊園地駐車場に車を止めることをお勧めしたい。また観戦には遊園地入園料が必要となり、大人(中学生以上)1700円、子供(小学生以上)800円、幼児(3歳以上~未就学児)600円となっている。レース観戦後に鈴鹿サーキット遊園地内を散歩しお土産を買って帰る、そんな楽しみ方も可能だ。

公共交通機関の場合

最寄り駅は伊勢鉄道線の鈴鹿サーキット稲生駅。そこから徒歩27分ほどで鈴鹿サーキット正面ゲートまで到着する。

自家用車の場合

東名阪自動車道 鈴鹿ICあるいは亀山ICからどちらも約25分で到着する。

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