ツインリンクもてぎで行われた2021全日本カート選手権。最終戦となる第10戦の終盤は、トップを走る洞地遼大と、その後ろをピタリと付ける佐藤蓮の一騎打ちとなった。30周のロングディスタンスが設定されたこの決勝ヒートでは、この二人に清水啓伸を加えた3人が中盤まで後方を引き離し、17周目頃に清水啓伸が脱落、そして残り5周となったタイミングで佐藤蓮も洞地遼大のペースに付いていくことが出来なくなった。
一般的にトップが独走状態となっていない場合、前方の選手の様子を把握することができ、なおかつスリップストリームを活用できる2番手の選手のほうが後半戦に向け余力を残しやすい。しかしこの時はそうはならず、むしろ最後の最後で洞地遼大はペースアップさえ見せた。緊迫した攻防戦の明暗を分けたのは、TOP2いわくシャーシセットにあった。