2022年8月4日、JAFは2023年日本カート選手権規定を制定しました(公示No.2022-WEB049)。
2023日本カート選手権規定の主な変更点
区分の細分化とジュニア選手権の見直し
全日本選手権
まず日本カート選手権のうち、全日本選手権は以下の5部門に区分されます。
- OK部門
- フォーミュラスーパー(FS-125) CIK部門
- フォーミュラスーパー(FS-125) JAF部門
- フォーミュラピストン3(FP-3)部門
- EV部門
従来のFS-125部門がFS-125 CIKとFS-125 JAFに細分化されました。
地方選手権
地方選手権に変更はありません。
ジュニア選手権
ジュニア選手権はこれまでFP-Jr部門とFP-Jr Cadets部門の2部門であったのが、
- ジュニア部門
- ジュニアカデット部門
となりました。フォーミュラピストン(FP)規定でなくなったことで、現在唯一FPカテゴリーのエンジンとしてJAFに登録されているYAMAHA KT100S(2022年12月末まで有効)/SEC(2030年12月末まで有効)を必ずしも使用するとは限らないカテゴリーに再編成されました。
走行時間の延長
また各部門における各ヒートの合計の走行距離または時間は以下のように変更になりました。()内は2022年規定です。
- OK部門 / FS-125 CIK部門
最短60kmまたは60分 最長120kmまたは120分
(最短30kmまたは30分 最長90kmまたは90分) - FS-125 JAF部門 / FP-3部門
最短30kmまたは30分、最長90kmまたは90分 - EV部門
オーガナイザーからの申請 - 地方選手権
部門毎に定める - ジュニア部門
オーガナイザーからの申請
(最短30kmまたは30分 最長50kmまたは50分) - ジュニアカデット部門
オーガナイザーからの申請
(最短20kmまたは20分、最長40kmまたは40分)
東西統一競技会に関する文面の削除
2022年規則では全日本FS-125部門、全日本FP-3部門、ジュニアカート選手権にて記載されていた東西統一競技会について、記述の一切が削除されました。
地域区分とレース数について
全日本選手権
全日本OK / FS-125 CIK部門並びに全日本FS-125 JAF / FP-3部門において、地域区分は設けられません。すべて1競技会2レース制となります。
原則として1コース1競技会開催とし、全日本OK / FS-125 CIK選手権並びに全日本FS-125 JAF / FP-3選手権は、3大会以上5大会以内を選手権競技会として認定されます。ただし、全日本OK / FS-125 CIK選手権と全日本FS-125 JAF / FP-3選手権を同一コースでそれぞれ1競技会ずつ開催することは認められます。
OK部門及びFS-125 CIK部門の競技会は同日開催とされます。
FS-125 JAF部門及びFP-3部門の競技会は同日開催とされます。
ジュニア選手権
ジュニア選手権はコースシリーズまたは全日本FS-125 JAF / FP-3併催の2つから構成されます。
- コースシリーズ
1つまたは複数のカートコースにおいて1つのシリーズを構成します。1つのシリーズを構成する複数のコースの組み合わせは原則以下の地域区分に限定されます。 - 全日本選手権FS-125 JAF / FP-3併催
競技の構成はオーガナイザーが特別規則に定めます。
コースシリーズの地域区分は以下のとおりです。
北海道地方 | 北海道全域 |
東北地方 | 青森県、秋田県、岩手県、山形県、宮城県、福島県 |
関東地方 | 新潟県、長野県、山梨県、群馬県、栃木県、茨城県、埼玉県、東京都、神奈川県、千葉県 |
中部地方 | 静岡県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、愛知県、三重県 |
近畿地方 | 大阪府、兵庫県、滋賀県、京都府、奈良県、和歌山県 |
中国地方 | 岡山県、鳥取県、島根県、広島県、山口県 |
四国地方 | 香川県、徳島県、高知県、愛媛県 |
九州地方 | 福岡県、大分県、佐賀県、長崎県、熊本県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
全日本選手権FS-125 JAF / FP-3併催の場合の地域区分はありません。
JAFはそれぞれのシリーズ毎に3競技会以上の競技会を選手権競技会として認定します。ジュニア選手権はコースシリーズを除き原則として1コース1競技会開催とされます。
FS-125 CIK / JAF部門の競技車両について
FS-125 CIK部門ならびにFS-125 JAF部門は、2022規定におけるFS-125部門と同じ競技車両規定(JAF国内カート競技車両規則第41条に定めるFS-125車両)を採用します。
参考として、2022年時点でJAFにFSカテゴリーとして登録されているエンジンは以下の6種類です。
- LEOPARD 125 RL TaG
- ROK (ROK JUNIOR)
- ROTAX FR125MAX (ROTAX FR125 JUNIOR MAX)
- PARILLA X30
- PRD RK125A Avanti
- REEDJET
ジュニア選手権の車両規定について
ジュニア選手権で使用されるエンジンは各部門により以下の通りとされます。ただし、各シリーズで使用するエンジン機種は各部門ぞれぞれ1機種とし、シリーズの各々の部門ごとにエンジン機種が異なることが認められます。
- ジュニア選手権
パワーウエイトレシオ数値(ドライバー重量含む)が4.0kg/psから11.0kg/ps以内のエンジン。(EVは除く) - ジュニアカデット部門
パワーウエイトレシオ数値(ドライバー重量含む)が8.0kg/psから13.0kg/ps以内のエンジン。(EVは除く)
ドライバーの出場資格
全日本選手権
これまでEV部門を除き部門や地域をまたぐことはできませんでしたが、2023年からドライバーはいずれの部門への重複出場も認められるようになりました。
OK部門とEV部門の出場資格に変更はありません。
FS-125 CIK部門並びにFS-125 JAF部門は、2022年のFS-125部門と同様に国内A以上または国際Fライセンス所持者とされます。
FP-3部門は、国内A以上または国際Fライセンス所持者ですが、国際Gライセンス所持者の場合は当該年度13歳以上で、かつ前年度ジュニア選手権ジュニア部門(2022年についてはFP-Jr部門)で各々のシリーズ毎に年間総合順位が1位の者に出場資格が与えられます。
ジュニア選手権
ジュニア部門は、ジュニアB、ジュニアA、国際Gライセンス所持者で、11歳(当該年)以上15歳未満の者に出場資格が与えられます。2022年規則より1歳出場資格の下限が引き下がりました。また出場できるシリーズを重複することが認められます。
ジュニアカデット部門は、ジュニアB、ジュニアA、国際Gライセンス所持者で、8歳(当該年度)以上13歳未満の者に出場資格が与えられます。2022年規則より1歳出場資格の下限が引き下がりました。また出場できるシリーズを重複することが認められます。
有効得点の割合が変更
OK部門及びFS-125 CIK部門については、従来どおりシリーズの順位を決定する得点は、各レースで獲得した得点のうち高い得点の順に選手権として成立したレース数の75%(小数点以下四捨五入)を集計します。なお成立したレースが6回に満たない場合は、その得点合計により合算されます。
FS-125部門及びFP-3部門は、従来75%のレースで得点が集計されていましたが、2023年からは50%(小数点以下四捨五入)の合計得点によりシリーズ順位が決定されます。なお成立したレースが4回に満たない場合は、その得点合計により合算されます。
ジュニア選手権についても同じく、従来75%のレースで得点が集計されていましたが、選手権競技会として開催されたシリーズ毎の当該部門レース合計の50%(小数点以下四捨五入)の得点合計によりシリーズ順位が決定されます。なお成立したレースが4回に満たない場合は、全得点が合算されます。