2022年9月3日、一般社団法人 日本カート選手権オーガナイザー協会(略称:JKOA)は、全日本カート選手権茂原ツインサーキット大会の大会パンフレットに書面を付属させる形で、「日本カート選手権参加ドライバーの健全な育成に係る協力のお願い」を発表しました。
青少年の健全な育成のため薬物乱用防止教育の推進を希望
今回のお願いは、日本カート選手権エントラント各位に向けて、JKOA代表の饗庭喜昭氏の名前で発表されています。
書面によると、JKOAはレーシングカートの振興事業を通じて、世代を超えたコミュニケーションの実現と明るい社会の形成を推進、また健全な心身の育成、地域社会の活性化、社会教育の促進やスポーツの振興に寄与することを目的として運営しています。
カート界にとどまらず未成年を含む老若男女によるスマートフォンを始めとする新たな情報機器・サービスが急速に浸透していることなどを鑑み、青少年の健全な育成を図るためにも、JKOAとしても文部科学省の定義する薬物乱用防止教育(喫煙・飲酒を含む)の推進を強く希望しています。JKOAの理念を実現するために、このことを参加ドライバーやエントラント各位にご理解いただきたいとのこと。
著しくそぐわない行為がある場合にはJKOAとしてエントリー拒否を行う場合があります。またJAF国内競技規則に拠り、JAFから出場停止、資格停止、資格取消といった罰則が課される場合があります。
多くのスポンサーのご協力をもって運営させていただいており、スポンサー離脱等による選手権運営の実現不能な事態により、選手が競技を行えなくなる事態は何よりも避けたいため、エントラント及び関係各位のご理解とご協力をもって、青少年の健全な競技を遂行させるべくお願い申し上げます。
JKOA 日本カート選手権参加ドライバーの健全な育成に係る協力のお願い
ある未成年者の喫煙疑惑が発端
弊誌調べでは2022年全日本カート選手権オートパラダイス御殿場大会(2022年7月30~31日)の開催前に、ある未成年の参加ドライバーが自らが喫煙していると見られる動画をSNS上に掲載したことが事の発端とされています。これを知った一部の参加者が大会期間中に大会委員に通報を行いましたが、当該ドライバーは御殿場大会の決勝ヒートを出走しています。また親権者やチーム関係者の一部は当該ドライバーの喫煙行為を認識していたという情報も入手しています。その後も当該ドライバーは複数の競技会に出場しており、現時点までにJAFやJKOAなどからドライバーやエントラントに対し何らかの罰則を課した様子は確認できていません。
20歳未満の飲酒・喫煙は犯罪です
「二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律」及び「二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律」により、20歳未満の者が飲酒・喫煙を行うことは犯罪です。また同法により、未成年者の親権者や監督代行者は未成年の飲酒を制止する義務があり、未成年者の飲酒・喫煙を知りつつも制止しなかった親権者や監督代行者は科料に処せられます。さらに相手が20歳未満と知りながら酒やタバコを販売することも犯罪であり、50万円以下の罰金に処せられます。