それは6月17日金曜日、フェスティカサーキット瑞浪での朝、ちょうどトニーカートジャパンブースに立ち寄った時のことだった。同じタイミングでやってきた一人の少年がいた。彼の名は冨田自然(トミタ アルガ)、KOSMIC RACING TEAM JAPANからKFに出場しているルーキードライバーだ。「今回からサポートしてもらうことになったんです」と話ながら見せてくれたのはスーツに貼られたワッペン。サーキットでは見慣れない白地に黒の文字のそれは…うどん県?
まさか地方自治体、それも香川県がレーシングドライバー個人のスポンサーとなる日が来るとは思いもしなかった。もしかすると日本初の公道自動車レースを開催するのは香川県になるのかもしれない。そう考えるとなんだか「うどん県」のかざりっ気のないロゴにも味が(いや、コシか?)があるように思えてきた。
肝心の冨田であるが、開幕戦からこれまでの4戦すべてがDNFという結果に終わっており、予選やTTを見てもまだうまく歯車がかみ合っていないような印象だ。昨年の全日本FS-125では西地域ランキング3位を獲得したうえ、鈴鹿選手権などの実況でもよく名前を聞くドライバーの1人であるがゆえにこれは悔やまれる結果である。今シーズンは次戦の茂原ツインサーキット大会で折り返し地点を迎えるが、”かがやくけん、かがわけん。”のキャッチフレーズのように光輝く冨田を期待したい。