「大人のホビーカーターのためのかっこいい演出のあるレース」
という素晴らしいコンセプトに騙されてひどい目にあった共感したあの日から5ヶ月。MOTUL KT CHAMPの第2大会を迎えました。
首謀者KRP河本さんも参戦!真夏のKTレース
改めてMOTUL KT CHAMPについて説明すると、YAMAHA SSクラスのレギュレーションをベースに最低重量を153kgに、ダイレクトドライブであるKT100SDエンジンが使用可、参加年齢18歳以上、MOTUL KART GRAND PRIX 2Tが指定エンジンオイルとされるレースです。KRPが主催し鈴鹿サーキット南コースを舞台に行われ、初年度である今シーズンは3大会6レースが行われます。
前回の2月のレースのことについてはもう忘れてしまいたいのですが、なんだか惨敗を喫したような気がします。今回までに細々とした対策を練ったような記憶もありますが、毎度のごとくぶっつけ本番なのでその成果を確認できることはなくレースウィークを迎えてしまいました。金曜日から練習走行を重ねましたが、やはり根本的な惨敗の原因はほぼ解決しておらず絶望しました。今回も意味がわからないぐらいのKTスペシャリストたちが参戦しているMOTUL KT CHAMPですので、この現状で15位にでもなったらかなり頑張ったほうでしょう。
また困ったことに、今回はMOTUL KT CHAMPの首謀者であるKRP河本さんと、レーシングギア輸入販売を行うmonocolle阪さんまで出場を表明。ふたりとも今回のために練習を重ねたらしく、坂さんはまず間違いなく速いです。問題は河本さんです。彼はカート黎明期から活動しているレジェンドの一人であると同時に、今でも自身が主催するレンタルカートレースでたまに走っては、あの猛者たちの中でも良い順位で帰ってくる実力の持ち主であることを僕は知っています。あの河本さんがまともに走らない訳がないのに、負けたら色んな人からしばらくネタにされる未来が見えます。というわけで僕の目標は
「河本さんにだけは絶対に負けない」
としました。負けたら同じ髪型にします。
TT
公式練習5分のあとにそのまま連続で行われるTT。タイヤがDUNLOP SL22に切り替わって初めての真夏のレースを迎えましたが、割と早めにタイムが出ることがわかっていたので少し時間を調整してからコースインしました。ところが走り始めた瞬間に異変を感じます。
キャブがおかしい・・・。
昨日までは正常でしたが、ここに来て急にエンジンがバラバラと吹けなくなるトラブルが発生。2~3周走るとまだマシにはなったものの、ハイニードルを全閉にしないと走らないなど明らかにおかしいです。一度ピットインすることも考えましたが、帰ったところでできることがないので走り続け、最終結果は25台中22位。まぁそういう時もあります。
第3戦
調子のおかしいキャブを変更して第3戦決勝に挑みます。
好スタートを決め1コーナーをアウト側で抜けようとすると、眼の前でクラッシュが発生。それをうまく切り抜けてバックストレートに入ると一気に順位アップに成功しました。しかもスタート直後は意外とペースがよく、しっかりと食いついていけます。よしよしと思っていたら2周目のヘアピンでインを刺されます。きつい飛び込みだったので慌てて避けたところ、ずらずらとトレイン状態で抜かれてしまいました。しかもその中には問題の河本さんが。これはまずい。
…とはいえKT CHAMPの決勝ヒート周回数は18周もあります。先程抜いてきた一人ずつ落ち着いてパッシングすれば、徐々に順位は戻せます。
レース中盤から3台集団の真ん中にポジションが移りました。前方のドライバーは僕とほぼ同じペースなのですが、速いところと遅いところがかなり異なります。後ろのドライバーはギリギリついてこれてるぐらいのペース感。当初は列の前に出ようと思ったのですが、前のドライバーをあえて抜かずに後ろのドライバーを引き離す作戦に切り替えました。すると思惑通り、前のドライバーとの一騎打ちに持ち込めました。
さて、問題は前のドライバーをいつ抜くかです。コースの前半は僕が速いのですが、後半は相手に歩があります。南コースは最終コーナーでの逆転劇が多いので、ファイナルラップにできれば勝負したくありません。とはいえ早いタイミングで仕掛けすぎて相手に余裕を持たせるのも困ります。
そこでラスト2周の3コーナーでパッシング。すぐに抜き返してくる可能性も考慮していましたが、相手は当然ファイナルラップでの勝負を狙っているようです。実際ファイナルラップの25Rでインに飛び込んできそうになったので、入り切る前にラインを締めると軽く接触。僕のリアタイヤに引っかかった相手がスピンしてしまったのには若干の申し訳無さを感じつつもクリアし、18位を獲得しました。ベストタイムで見ても前の人と0.4秒差もあったのでこんなもんですね。
第4戦
第3戦でのフィーリングなどからギア比、足回り、そして友人からの情報を元にちょっとした冒険を盛り込んで第4戦に挑みます。基本的に遅いので何しても順位が下がりようがないの精神です。速くなったらラッキー。第4戦のグリッドは第3戦のベストタイム順で決まり、18番手スタートでした。
いざスタートするのですが、僕のいた右側の列が遅れを見せつつも特に混乱が無い幕開けだったため、むしろ若干の順位ダウン。ただ「なぜこの人がここに…?」みたいなのもチラホラあったので今後の動きに期待がかかります。実際S字で3ワイドになるなどヒヤヒヤしたバトルが展開され、それに乗じて順位が少し上がりました。
セット変更を施した車の動きはおおよそ狙い通りで、先程と同じく序盤は比較的良いペースです。ただリアを軽くしすぎた影響でシケイン出口で車が落ち着かないのが困ります。冒険の効果も出ていますが問題の根本的な解決には至らず。ただ周囲のスピードが第3戦に比べて落ちていたのに対し、僕は若干ベストタイムが速くなっていたので悪くはなさそうです。
そうこうしているうちにレース終盤。僕の前には1台ほぼ同ペースのマシンが居て、更に前にはギリギリバトルしそうでしていない2台がいました。あの2台が最終ラップにやり合ったところのごっつぁんを狙うにはすぐ後ろに居ないと話になりません。
というわけでラスト2周の最終コーナーで前の1台をパス。ブレーキングで距離を詰めて行きますが、自分からパッシングできるほどは迫れません。そして最終コーナー。前のドライバーがその前に飛び込み……そうで刺しきれず不発。その彼が立ち上がりで遅れたのでクロスを狙いますが、あと0.1秒が届きませんでした。結果17位とスタートから一つポジションアップでチェッカー。
首謀者であるKRP河本さんには全ヒートで勝つことができたので、ひとまずの目標はクリアできました。またタイヤがDUNLOP SL22に切り替わって始めての夏のレースでしたが、マシンセットアップでも良いデータを得られたのも収穫でした。
最終戦は8月13日に開催
大人のためのKTレースMOTUL KT CHAMPも次で最終戦。夏真っ只中の8月13日に同じく鈴鹿サーキット国際南コースにて開催されます。驚くべきことに、すでに発表されているエントリーリストによると参加台数はフルグリッド(!)の34台。第2大会をお休みしたメンバーの他にも三浦愛さんや⾼崎保浩さんなどの著名な方々もチラホラ載っていて、この灼熱の時期によくやるよなぁと感心してしまいました。
…あ、僕も参加しますのでよろしくお願いします。あれやこれやと対策はしたので、最後ぐらいはシングルフィニッシュを目指します。