先日EIKOにお邪魔した際に、少々面白いレーシングカートを拝見させていただいた。Pragaのキッズカート、Babyだ。
まだカウルステッカーも貼られていない状態だったが、黒のカウルにPraga独特の深く濃い青のコントラストが美しい。パイプの溶接やパーツの加工具合も実に高度で、一見すると通常のレーシングカートと何ら変わらないように見えるほどの出来であるが、そこにはキッズカートならではの工夫が凝らされている。
例えばペダル周りを見てみると、ペダルの前後位置が無段階で、さらに広範囲で調整できるようになっている。両ペダルのスプリング取り付け位置も3か所用意されており、ドライバーの踏力や力量に合わせた調整が可能だ。その一方でステアリングシャフトやナックルには一切の妥協がなく、フラッグシップモデルさながらの美しさを放っている。
シート周りを見てみると、一般的なレーシングカートに存在するメインシートステーが見当たらない。その代わりクロスメンバーからシート背面を支えるように2本のステーが伸び、さらにシート下にはペダルと同じく無段階で調整可能なブラケットが装備されている。成長の早い幼少期にフレームを買い替えることなく長く使うための工夫だ。ただ、このままだとドライバーが手や足で踏ん張りを聞かせた際や、クラッシュしたタイミングでシートが後ろに下がってしまわないか、その点が気になる。構造や大きさの関係でサブシートステーの取り付けはブレーキ側のベアリングホルダーからのみ可能のように見えるが、そこはどのように克服しているのだろうか。
キッズカートならではのドライバーの体格に自由に合わせることのできる工夫を凝らしつつ、細部の造りこみには一切の妥協が見えないPraga Baby。EIKOではこのキッズカートを使用した子供向けキッズカート体験の企画を検討中とのことだった。今後の動向に注目したい。