スポーツランドSUGOの特徴
コンパクト&ハイスピード
スポーツランドSUGOといえば、SUPER GTやスーパーフォーミュラなどが走る国際レーシングコースが一般的に知られているが、全日本カート選手権が行われるのはそれと異なり、西コースと呼ばれる全長984mの主にカートやミニバイク用のサーキットだ。かつては全長1050mの超テクニカルサーキットとして知られたが、2009年に現在の形へとリニューアルされた。
そんなスポーツランドSUGO西コースは、国際レーシングコースの最終コーナーにすっぽりと収まる形に作られている。スポーツランドSUGO国際レーシングコースの最終コーナーといえば、入り口からホームストレートにかけてまでの勾配10%という猛烈な上り坂が特徴として広く知られている。そのコーナーの内側に作られた西コースも当然傾斜地にあり、ホームストレートを最低地点とし前方に立ち上がるように各コーナーが配置されている。コース図を見てもほぼ真四角に収まるなど非常にコンパクトな造りで、1~2コーナー間に設けられた観客席からはコースの全域を見渡すことが可能。迫力あるレース観戦を楽しめる構造となっている。
さて、そんな西コースであるが、2009年のコース改修時に現代の基準に合ったコース設計を行ったため、各コーナーの道幅はそれなりに広く取られ、コーナーによっては強烈なカントがつけられている。それゆえ、そのコンパクトさからは想像できないほどのハイスピードサーキットであり、現在のところコースレコードは2011年に平木湧也が記録した37秒880となっている。これはコース1周を平均93.52km/hで走り抜けた計算となる。直線が長くハイスピードサーキットとして知られるフェスティカサーキット瑞浪(全長1177m)において今年の第3戦タイムトライアルで佐藤巧望が記録した42秒999というタイムがあるが、こちらは平均時速が98.54km/hという計算になり、スポーツランドSUGOがいかに速度が落ちないサーキットであるかがよくわかるだろう。
連続する左コーナーに体力が奪われる
ここでもう一度スポーツランドSUGOのコース図を見ていただきたい。
最終コーナー、ホームストレートを超えて1・2・3コーナー、そしてヘアピンの4コーナーと、連続する5つのコーナーが左カーブとなっていることに注目してもらいたい。この区間、ドライバーには常に猛烈な横Gがかかり続ける状態になる。「いやいやホームストレートがあるじゃないか。」そう思われる方もいるかもしれないが、平均時速90km/h以上でこのサーキットを走行するKFにとって、わずか106mのホームストレートは、前後のコーナーのRが大きいこともあり全くと言っていいほどに直線ではない。最終コーナーから3コーナーまでひたすらに横Gを受け続け、そして4コーナーはカントが強くついたヘアピンであるためにコーナリングスピードも速く、ガツンと横Gが上乗せされる。SUGOは体力面で厳しいサーキット、といわれる所以はここにある。
前半と後半で少々印象が異なるのもSUGOの特徴だ。4コーナーまでの猛烈なハイスピード区間を通り過ぎると、続くコーナーはブレーキを適度に用いながらのテクニカルゾーンになる。特に最終コーナー手前のシケインは回り込みながらの進入となり、SUGO攻略の重要ポイントの一つだ。最後までリズミカルに走り続けることを要求される。コンパクトな敷地にハイスピードとテクニカルの両要素を詰め込んだサーキット、それがスポーツランドSUGO西コースである。