2024年7月31日、JAFは2025年日本カート選手権規定と2025年JAF国内カート競技車両規則を制定しました。またカート競技会運営に関する規定とJAF国内カート競技規則の改正を行いました。(公示No.2024-WEB070)
2025年日本カート選手権規定の変更箇所
2025年日本カート選手権規定の変更箇所は以下のとおりです。
- 各選手権名の英語表記を明記
- 全日本OK部門の出場資格が緩和
- 全日本選手権FS-125/FP-3の認定競技回数が変更
- 全日本・ジュニア選手権の有効得点割合が変更
- 全日本・ジュニア選手権の指定競技番号が変更
- 地方選手権の競技車両規則が変更
- 地方選手権の出場資格が変更
各選手権名の英語表記を明記
3つに区分される日本カート選手権の英語表記が明記されました。これまでは明確な英語表記が無かったため、主に「All Japan Karting Championship」などが使用されていましたが、
- 全日本選手権(Japanese Karting Championship)
1)全日本選手権OK
2)全日本選手権FS-125/FP-3 - 地方選手権(Japanese Refional Karting Championship)
- ジュニア選手権(Japanese Junior Karting Championship)
全日本OK部門の出場資格が緩和
2024年は全日本OK部門への出場資格は国際Eの所持者となっていました。2025年からは国際Eまたは国際Fライセンス所持者へと緩和されます。
国際Fライセンスは14歳が発給可能な、セニアカテゴリーの国際レース(ギアボックス無カテゴリーに限る)に出場できるライセンスです。これにより14歳のドライバーも付帯条件無しでOKクラスに参戦可能となりました。
全日本選手権FS-125/FP-3の認定競技回数が変更
全日本選手権FS-125/FP-3は、2024年は3競技回以上8競技会以内の競技会が選手権競技会として認定されていました。2025年はこれが2競技会以上5競技会以内に変更されます。
全日本・ジュニア選手権の有効得点割合が変更
全日本選手権FS-125部門とFP-3部門、ジュニア選手権は、2024年はシリーズの有効得点がレース合計数の50%(小数点以下四捨五入)の合計点と定められていました。2025年はこれがレース合計数の75%(小数点以下四捨五入)となりました。2022年位前の有効得点割合に戻った形です。
全日本・ジュニア選手権の指定競技番号が変更
全日本選手権・ジュニア選手権において、2024年までは本年度の各部門シリーズ1位から10位の者に対し、翌年も同一部門同一シリーズに出場する場合は、順位と同一の競技番号が与えられていました。いわゆる「シングルゼッケン」です。
2025年からはこれが変更され、前年の各部門1位のものが引き続き当該部門に参加する場合、当該選手権者に対して「1番」の競技番号が与えられます。それ以外の番号については、参加者の希望により、ドライバーの実績等を勘案し、オーガナイザーが競技番号を指定します。
なお、前年の各部門で1位になったもの以外は「1番」の競技番号を使用することは出来ません。この者が不出場あるいは使用を希望しない場合、「1番」は空番号となります。
地方選手権の競技車両規則が変更
地方選手権に参加が認められるカート競技車両は、オーガナイザーからの申請に基づきJAFが承認された技術規則に定める車両とされます。ただし例外としてFP-Jr、FP-Jr Cadets、Miniは除かれます。
2025年はこの例外にEV Junior、EV Junior Cadetsが追加されました。
地方選手権の出場資格が変更
2024年まで地方選手権の出場資格はジュニアBドライバーライセンス以上(満12歳以上または当該年12歳になる者)でした。これが2025年からはジュニアBドライバーライセンス以上(満13歳以上または当該年13歳になる者)へと変更されます。
またFC-2クラスのみ国内Bドライバーズライセンス以上が指定されていましたが、これにFC、KZ1、KZ2が追加されました。ギアボックス付きカテゴリーは15歳以上と明記された形です。
2025年JAF国内カート競技車両規則の変更箇所
2025年JAF国内カート競技車両規則の変更箇所は以下のとおりです。
- カート競技車両の分類にEV JuniorとEV Junior Cadetsが追加
- OKエンジンは国内格式以下競技会に限り公認期間満了後2年間の使用が認められる
- OKとOK JuniorはCIK-FIA非公認のタイヤが使用可能に
- EVジュニア部門とEVジュニアカデット部門のパワーウエイトレシオが指定
カート競技車両の分類にEV JuniorとEV Junior Cadetsが追加
カート競技車両の分類にEV JuniorとEV Junior Cadetsが追加されました。2024年よりジュニア選手権にEVジュニア部門とEVジュニアカデット部門が追加されていましたが、それの競技車両が明記されました。
OKエンジンは国内格式以下競技会に限り公認期間満了後2年間の使用が認められる
OKエンジンはCIK-FIAにより公認されたエンジンが指定されており、公認期間が定められています。これが2025年からはCIK-FIA公認期間が満了した後、さらに2年間はJAF公認の国内格式以下の競技会で使用することが認められます。
OKとOK JuniorはCIK-FIA非公認のタイヤが使用可能に
OKとOK Juniorは通常CIK-FIA公認5インチプライム/オプションタイヤの使用が定められています。2025年からはオーガナイザーからの申請に基づきJAFが承認した場合、適用する技術規則を定める事により、CIK-FIA公認タイヤとことなるタイヤを用いることができます。
EVジュニア部門とEVジュニアカデット部門のパワーウエイトレシオが指定
EVジュニア部門とEVジュニアカデット部門のパワーウエイトレシオが指定されました。ウエイトにはドライバー重量を含みます。
- EVジュニア部門:6.0kg/kwから14.0kg/kw以内
- EVジュニアカデット部門:12kg/kwから17kg/kw以内
カート競技会運営に関する規定の一部改正
カート競技会運営に関する規定が一部改正されました。
オフィシャルの構成にレースディレクターが追加されました。またレースディレクターとは追加された第7条で以下のように定められます。
同一タイトルまたは同一内容で開催されるレースには、その全開催期間をとおしてレースディレクターを任命することができる。任命する場合には、当該レースディレクターの義務と権限を関連競技規則中に明示すること。
なお、この改正は2024年8月1日より施行されます。
国内カート競技規則の改正
国内カート競技規則が一部改正されました。
カート競技会の種別で、ジュニア国内にジュニア準国内が併記されました。ジュニア準国内/ジュニア国内は、JAFが発給した当該格式に有効なジュニア競技ライセンスの所有者のすべてが参加できる競技会です。
またカートコースライセンスの種別で、国際公認コースの種別が変更されました。これまでは国際公認とは「国際A、B、C公認」のことを言いましたが、改定後は「CIK-FIAによる公認」を言います。
なお、この改正は2024年8月1日より施行されます。