とにかく今週の宮城県の天気は気まぐれだ。そのあまりに身勝手な天候には天気予報各社もお困りの様子で、どこもそれぞれ微妙に異なった予想を発表し、それはスポーツランドSUGOに集まったカートドライバーたちに悩みの種を植え付けている。
そんなわけで、木曜日の夜にはしとしととした雨が降ったりやんだりを繰り返し、金曜日の朝の路面コンディションはドライながらとてもいいとは言えなかった。2016全日本カート選手権スポーツランドSUGO大会初日となった金曜日、KFをはじめとする各カテゴリーには20分×4回の走行枠が設けられていた。1回目のKF走行時には、先述の通り路面コンディションはさほどいいとは言えず、全車スリップ量が多くタイヤを減らし気味に見えた。そもそも午前中に予定されている2回の走行枠をエンジンの慣らしに当てる予定を組んでいるドライバーが半数程度おり、事前にエンジンの慣らしを済ませてきたドライバーもタイムを出せるような状況ではなかった。2回目のKF走行時には、他カテゴリーの走行もあり路面状況も回復傾向。この時点ではDL勢はタイヤテストにいそしみ、YHの2台や多くのBS勢の一部はエンジンの慣らしを行っていた。
その後突如として雨粒が降り出し、それはやがて本降りの雨となった。路面状況は一気にフルウエットへと変化。レインタイヤを用意するチームがあちらこちらで見られたが、気まぐれな天候は雨を降らすことに飽きたのか1時間足らずで雨はやみ、太陽まで姿を現し路面は急速に回復。3回目の走行までにはスリックタイヤで走れるまでになった。4回目の走行までに雨が降ることはなく、路面状況としては午前も午後もほぼ同じ状況が繰り返されただけであった。
公式計時が行われていない練習走行であり、また各社ともにそれぞれ状況や仕様の異なるタイヤを装着・テストを繰り返していた金曜の走行であったために、この時点で誰が速いといった話をすることはできない。ただ少し気になるのはDL勢の車の動きだ。全体的な傾向として、スムーズに動くBS勢に対してDL勢は少々引っ掛かりがあるように見え、それは特にバックストレート後の右コーナーや最終コーナーでしゃくる(アウト側のリアタイヤが小刻みに跳ねる)動きを見せており、タイム自体はあまり劣ってはいないものの乗りやすそうとは思えない。今回のタイヤは大きな挑戦をしたとDUNLOP開発の大小瀬氏は話したが、もしかするとその挑戦とは、負荷の大きいSUGOに対しあえてタイヤの剛性を落とした、ということなのかもしれない。真実は筆者の知るところではないが、そのチャレンジがどのような結果を迎えることになるのかは今回のポイントの一つとして注目していきたい。