中部・関西地方で主にMZシニアのレースを主催しているVREDは、2026年にM4 RACING LEAGUEを開催すると発表しました。

M4 RACING LEAGUE:レーシングM4の復活

M4 RACING LEAGUEは、これまでSLカートミーティングとして行われていたMZシニアから独立し誕生するレーシングカートレースです。
「M4(Masters 4stroke)」とは、かつてはKRPが主催し、そして現在も続く歴史の長いレンタルカートイベントとして知られています。しかし2007年までのM4は、4stエンジンを搭載したレーシングカートレースでした。M4 RACING LEAGUEは、19年ぶりに復活する”レーシングカート”のM4シリーズです。
エンジンはYAMAHA MZ200、MEiKi GB221、HONDA GX200から選択可能

M4 RACING LEAGUEは、これまでワンメイクで行われてきたMZシニアから転換し、3種のエンジンを使用可能なマルチメイクとしています。新たに参入する2種類のエンジンは、これまでのMZ200RK/RKCのスペックに合わせ専用チューニングが施されます。各エンジンごとに最低重量や提供方法が異なり、参加者それぞれの好みや体型、ライフスタイルに合わせた選択が可能となります。
熟成されたYAMAHA MZ200RK/RKC

YAMAHA MZ200RK/RKCはこれまでMZシニアを始めとした様々な層に愛されてきたエンジンです。最低重量は2025年シーズンと変わらず150kgに設定されるなど、現在開催されているMZシニアから仕様変更を行わずにそのまま継続参戦が可能です。
+20ccでトルク重視のMEiKi GB221

これまでカート用として使われることのなかった元三菱系汎用エンジンであるMEiKiエンジンが使用可能となります。排気量が215ccと他エンジンに比べて約20cc大きく、レブリミットが5400rpmとやや低めに設定されるMEiKi GB221は、トルクで戦闘力を稼ぎつつ、かつエンジンライフを伸ばしたいプライベーター向けエンジンです。
MZよりもストレートスピードが速いことから、性能調整として最低重量が155kgに設定される予定。またMEiKi GB221はVifonteがカート専用に仕立て販売を行います。M4 RACING LEAGUEではエンジンのシリアル番号を管理し、Vifonteが販売したエンジンのみが使用可能となります。これは一括管理することで性能のばらつきや違反改造を防ぐことが目的です。
販売開始は9月中旬を目指しており、価格はコンプリートで20万円程度になる予定。
デリバリーエンジン向け HONDA GX200

汎用エンジンとしては歴史が長く、またレンタルカート用としても長く使われてきたHONDA GX200も使用可能です。他エンジンに比べてスペックがやや抑え気味のため、390ccエンジン用のビッグキャブレターを使用して性能調整が行われます。それによりやや高回転型となったGX200では、最低重量が155kgとなる予定です。
M4 RACING LEAGUE専用GX200は有限会社ベア様で管理、運用され、封印を施されたデリバリーエンジンとなります。手持ちのフレームでまず参戦してみたいというライトユーザーに向け、手軽に「戦える性能」を提供します。レンタル費用などは現在調整中。
2つの格式でのレース運用
現在のMZシニアを受け継ぐM4 RACING LEAGUEですが、さらにM4 NATIONAL LEAGUEを新たに設定します。これは様々な地域やサーキットでレーシングM4を開催できる環境を模索するためです。
M4 RACING LEAGUE

M4 RACING LEAGUEは現在VREDが運営するMZシニアをそのまま受け継ぐ形で運営されます。全体会で公式動画や専門雑誌の制作を行い、「華やかなレース」を提供します。
開催予定シリーズ
- ジャパンツアー(全国転戦)
- RBC(全国転戦、80分耐久)
- 琵琶湖シリーズ(琵琶湖スポーツランド)
- レインボーカップシリーズ(レインボースポーツ)
M4 NATIONAL LEAGUE

M4 NATIONAL LEAGUEは「ローカルレースでレーシングM4を」をテーマに、開催イベントに規則やノウハウを無償提供します。全国各地で4ストロークレーシングカートを取り扱える施設やショップを増やし、全国展開を目指していくための格式です。RACING LEAGUEとは異なり動画やレポートの制作義務がなく、各主催者がレースを開催しやすい体制を取ります。
改造無制限「FREEDOM」クラスを提案
上記までの内容は基本的にレースを楽しむ「COMPETITION」クラスとして開催されますが、その真逆となるクラスを提案します。
「FREEDOM」クラスはエンジンの改造は無制限、今回指定された3種類のエンジン以外でも観戦可能(要申請)の、いわば「なんでもクラス」です。しかし、タイムトライアルとレースの合計ポイント性や、レースでのハンデスタート方式等、ゲーム性に特化しノーマルエンジンでも十分楽しめるレースフォーマットを提案します。
このFREEDOMクラスは2026年にテスト開催を行い、2027年にシリーズ化を目指す予定です。
大会組織
名称:M4 RACING LEAGUE
企画、現場運営:VRED 大井偉史
運営管理:有限会社イルヴェント 高崎保浩