2025年10月5日にフェスティカサーキット瑞浪にて行われたGPR Karting Series第8戦。ShifterクラスにCVSTOS Racing ANEST IWATAからエントリーした平手晃平は、3位でフィニッシュするもレース失格という処分が下されてしまった。それは捨てバイザーを捨ててしまったため。

「ティアオフシールド」または「捨てバイザー」と呼ばれるものは、ヘルメットバイザーに上からぺたりと貼り付ける薄手の透明フィルムである。主にフォーミュラレースなどで用いられるこれは、走行中に付着する汚れからバイザーを守り、また剥ぎ取ることで瞬時にクリアな視界を取り戻すことのできる便利アイテムである。
ただしこの捨てバイザー、レーシングカートレースにおいては注意すべき点がある。捨てバイザーをレースで使用することは問題ない。レース中に外すこともセーフ。ただしそれを捨ててはならない。路面に落ちた捨てバイザーはマシンをスピンさせる危険性があるためだ。そのペナルティは「当該ヒート失格」と非常に重い。

Shiterクラス第8戦はウエットレースとなり、大量の水しぶきがコース上に舞っていた。捨てバイザーとバイザーの間に入った水滴が視界の邪魔となり、12周目のバックストレート入口で平手晃平は捨てバイザーをコース上に捨ててしまった。この様子はライブ配信でもバッチリ抜かれており、レースアナウンサー辻野ヒロシ氏がコントロールタワー内の困惑を伝えている。
「視界不良で捨てバイザーを捨ててしまいましたが、まさかカートでは捨ててはならないとは…。ルールを把握しておらず申し訳ありませんでした。」と、平手晃平はレース後の取材に応えた。