2017年、ヨーロッパから1年遅れてOKへと移行した全日本カート選手権トップカテゴリーは、佐藤蓮のために幕を開けたかのようだった。シーズンが始めるや否や常に凄まじい速度でサーキットを駆け抜け続けた佐藤は、最終的に全10戦中6戦で優勝という驚異の成績を残し、第8戦の予選終了時点でシリーズチャンピオンを決めてしまった。マシンの性能ギリギリのところをまるで綱渡りするかのように走り続ける佐藤は多くの観客を魅了し、そしてライバルたちは嫉妬するほか道は無かった。しかしどこまでも貪欲な彼は今年の成績に満足していないのだった。最終戦終了直後の佐藤に、今年の感想と来シーズンへの意気込みを聞いてきた。
勝因はチーム力
例年であれば最終戦でチャンピオンが決定しますが、今年は第8戦で決定し、また最終戦も決勝レースが中止になってしまいました。そういう経緯があったからかもしれませんが、一年が終わった今でも、自分がチャンピオンになったんだという感慨や実感がいまいち湧かないというのが正直なところです。ただこのような素晴らしい結果になったのは、マシンやチーム力の力が相当な部分であったと考えています。昨年までの私は全日本FS-125にプライベーターとして出場していました。それが今年はDrago Corseからの出場となり、マシンも最高のものを用意してもらえました。チームのおかげで圧倒的なパフォーマンスを見せることができたと思っています。
来年は全戦全勝を決める
全日本FS-125からOKへとステップアップした時に感じたマシンの一番の違いは、やはりタイヤがスペシャルだということです。しかしこのスペシャルタイヤが自分の走りにマッチしていました。さらに2017シーズンは最高峰カテゴリーがKFからOKになり、ある意味で全員がルーキーという状態でもあったことも自分に有利に働いたのだと思います。来年はどういう体制でどのレースに参戦するかまだ決まっていませんが、OK部門には継続参戦するつもりです。来年こそは全戦優勝を決めてみせます。