「なんて暴力的なグリップなのだろう。」
2018全日本カート選手権SUGO大会の雨降りしきる日曜日、公式練習での朝日ターボの走りを見たとき、不意にこの言葉が口からこぼれた。9月の上旬にしては予想外の寒さのためか、あまりうまくレインタイヤを機能させることのできないドライバーが多く見られたこのセッション。しかし彼だけは、すさまじいグリップ感でヘアピンを立ち上がっていた。繊細なドラテクで濡れた路面を掴み、大胆にコーナーを駆け抜けた朝日ターボは、季節外れの冷雨となったOK第8戦を、2位以下を7秒以上引き離す完全な独走でDUNLOPに今季初勝利をもたらした。今期は惜しくもチャンピオン争いから脱落してしまった朝日ターボ。しかし、その視線は確実に最終戦での表彰台を見据えている。