4月に開幕した全日本カート選手権OK部門は、ついに最終戦を迎えることとなった。2019年11月16~17日、栃木県 ツインリンクもてぎ北ショートコースにて、オートバックス全日本カート選手権OK部門 第9・10戦が行われる。
舞台はフラットなテクニカルサーキット
2019シーズンを締めくくる舞台は、栃木県芳賀郡茂木町にあるツインリンクもてぎ。ここは鈴鹿サーキットと同じく本田技研工業株式会社が所有するサーキットであり、スーパーGTやmotoGPなどが開催されるロードコースと、アメリカンレースの醍醐味が味わえる1.5mileオーバルのスーパースピードウェイを持つ関東のモータースポーツの中心地である。そして全日本カート選手権が開催されるのが、その広大な敷地内にある北ショートコース。全長982m、最大直線長142m、コース幅員8~14mのサイズは国内カートコースとしては一般的な部類だが、特徴はそのコースレイアウトにある。2本の長い直線を緩い曲線でつないだ前半のハイスピードセクション、そしてヘアピンやS字を巧みに組み合わせた後半のテクニカルセクションの構成は絶妙であり、さらに各コーナーにはほとんど傾斜がつけられていないことからライン取りが極めて難しい。パッシングポイントは多く、一度リズムを崩してしまうとタイムに大きく影響してしまう国内でも一二を争うテクニカルサーキット、それがツインリンクもてぎ北ショートコースだ。
佐々木大樹がチャンピオンに王手をかける
最終戦ということで気になるのは、シリーズチャンピオンは誰になるのか?ということ。OK部門はこの第9・10戦で最大70Pが獲得可能、かつシリーズを通して全10戦中8戦が有効ポイントである。このため、チャンピオンの可能性はこの5人に絞られた。
佐々木大樹が2位の渡会太一に対して32Pの大差をつけてランキングトップを独走。3位の朝日ターボ以降は非常に僅差となっている。現在ランキング5位に立つ井本大雅だが、有効ポイントの関係で惜しくもチャンピオン候補からは脱落してしまった。ここでいったん、ここまで行われた8戦中6戦が有効ポイントだという計算をしてみよう。するとランキングはこのように変化する。
- 佐々木大樹:203P→176P(12,15)
- 渡会太一:171P→154P(4,13)
- 皆木駿輔: 150P→ 140P(0,10)
- 山田杯利: 140P→ 139P(0,1)
- 朝日ターボ: 153P→ 134P(7,12)
()内に示した数字は有効ポイント制により減算されたポイント数である。これから明らかなとおり、皆木駿輔、山田杯利、朝日ターボの3名はチャンピオン獲得が非常に厳しい状況にある。さらに渡会太一が仮にフルポイントを獲得できたとしても、佐々木大樹に譲ることのできるのはわずか21P。つまり佐々木大樹が決勝ヒートで2位以内に入るか、あるいは第9・10戦どちらかのレースで22P以上獲得した瞬間に、佐々木大樹のチャンピオンが確定する。佐々木大樹は去年のもてぎでも優勝を飾っており、チャンピオンに王手をかけた状態といっても過言ではない。
佐々木大樹がチャンピオンを獲得した場合、彼にとって2008年のKF1部門以来となる全日本カート選手権最高峰カテゴリーでのチャンピオンとなり、同時にBRIDGESTONEタイヤにとって2012年ぶりの王者奪還となる。王者の復活か、ルーキードライバーがチャンピオンに輝くか、あるいは大逆転劇が起こるのか。チャンピオン争いの行方に注目だ。
もてぎで注目のドライバー
先ほど挙げたチャンピオン争いに絡んでいる5人は、もちろん最注目すべきドライバーだ。特に渡会太一と皆木駿輔は、所属チームの母体であるK.SPEED WINと共にツインリンクもてぎをホームコースとしているので、地の利を生かしたレースをしてくることは必至だ。
王者奪還を狙うBRIDGESTONEタイヤを履くメンバーでは、チャンピオン最有力候補である佐々木大樹の他に、高橋悠之、森山冬星、水野皓稀をピックアップしたい。高橋悠之は去年のもてぎで2戦共に4位入賞と、安定した速さを持っている。森山冬星はSUGOで勝利をこぼしてしまった悔しさを、この最終戦にぶつけてくる。水野皓稀はかみ合わないレースが続いてしまっているが、2位を獲得した本庄で見せた速さを取り戻してくるだろう。
昨年のもてぎでは苦戦を強いられたDUNLOPタイヤだが、今シーズンはコンディションに左右されない安定した好調さを見せつけてきている。中でも特に井本大雅は去年までとは見違えるほどの走りを見せており、実際に開幕戦で優勝、その後も安定してポイントを獲得している。新原光太郎もOKの走りを掴んだか時折目覚ましいほどの速さを発揮させ、高木悠帆は茂原のレインレースで優勝を掴んだ。11月中旬のもてぎということで、今回も難しいコンディションが予想されるため、DUNLOPユーザーたちが台風の目となることはまず間違いない。
またこの最終戦には、昨シーズンのシリーズチャンピオンである佐藤蓮がスポット参戦を行う。マテリアルは去年と同じく、Drago Corse / TM / YOKOHAMAの組み合わせだ。今シーズンはYOKOHAMAタイヤにとって苦しいレースが続いているが、なんと言ってもここもてぎはウェット・ドライともに初優勝を飾った記念すべきサーキット。さらにYOKOHAMAが得意とする、路面温度が低い状態でのレースが予想される。三村壮太郎、ヤニック・デ・ブラバンダーらとタッグを組んだYOKOHAMAは、ディフェンディングチャンピオンの意地を見せることができるか。
ツインリンクもてぎへのアクセス
公共交通機関の場合
各方面から本数は少ないものの路線バスが通っており、公共交通機関での来場は可能である。ただし、路線バスの停車場所はツインリンクもてぎ敷地内の中央インフォメーションセンターであり、ここから北ショートコースまでは歩くには距離がある。このため、最寄り駅からのタクシー利用がオススメである。
真岡鐡道線 茂木駅からバスで15分
サーキットへの最寄り駅は真岡鐡道線 茂木駅。そこから1日1本の路線バス、あるいはタクシーを利用すれば来場できる。
JR宇都宮駅から1時間18分
JR宇都宮駅から土日限定ではあるがツインリンクもてぎへの路線バスが運行している。詳しくはツインリンクもてぎの交通アクセスページを確認してほしい。
JR水戸駅からバスで1時間30分
JR水戸駅から土日限定ではあるがツインリンクもてぎへの路線バスが運行している。詳しくはツインリンクもてぎの交通アクセスページを確認してほしい。
自家用車の場合
北ショートコースに向かう場合は、ツインリンクもてぎ北ゲートから入場するのがオススメ。北ゲートから入ればすぐ左手に北ショートコースが見えてくる。
※常磐自動車道 水戸北スマートICは台風19号の影響を受け、2019年11月現在閉鎖中です
常磐自動車道 水戸ICから約40分
常磐自動車道 水戸ICから約40分で到着する。
北関東自動車道 真岡ICから約50分
北関東自動車道 真岡ICから約50分で到着する。
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