OK第9戦の決勝は9:25から26周にて行われる。朝イチは凍えるような寒さのツインリンクもてぎだったが、この時間帯になると日が出てきて暖かさも感じられ始めた。BS勢がトップ11を占め、後方からはタイヤの残っているYH、DL勢がいる状況。ゆっくりとしたローリングが最終コーナーを立ち上がり、シグナルがブラック・アウトした。
ポールスタートの#34渡会太一がスタートと同時に出遅れ、一気に12番手付近まで脱落。その代わりトップに立ったのが#92小高一斗で、そこに#2佐々木大樹、#8山田杯利、#12森山冬星、#9宮下源都、#11木内秀柾、#5高橋悠之、#10冨田自然、#33水野皓稀が続く。序盤に動きがいいのが#8山田杯利で、2周目の10コーナーで#2佐々木大樹を、そして4周目の3コーナーで#92小高一斗をかわしてトップに浮上。5周目には6番手#9宮下源都が#5高橋悠之を6コーナーでかわすが、S字で遅れたか続く10コーナーで#5高橋悠之と#10冨田自然の二名に同時にパスされた。#9宮下源都はこれが原因が7周目には10番手までドロップしていく。また7周目に#10冨田自然が6コーナーで#5高橋悠之に仕掛けると、#5高橋悠之はすかさずクロスラインを取り順位を死守。しかし#10冨田自然は10コーナーでも再びインを刺し、5番手となった。
トップから#8山田杯利、#92小高一斗、#2佐々木大樹、#12森山冬星の4台による第一集団が形成。そして8周目の10コーナーで#2佐々木大樹が2番手に上がると、しばらくチャンスを伺い11周目の10コーナーで#8山田杯利をパス、トップに立った。その後方からは#10冨田自然がトップ集団に追いつき、さらにスタートで出遅れた#34渡会太一もハイペースで追い上げを見せたことで、13周目には第一集団が6台となる。この周回の10コーナーで#92小高一斗と#10冨田自然がそれぞれ前の#2佐々木大樹と#12森山冬星をパスした。
この頃になると#2佐々木大樹は6コーナー立ち上がりのラインがアウト寄りになってきており、苦しそうな動きを見せている。#10冨田自然は14周目の6コーナーでハードブレーキングなツッコミで#8山田杯利のインを刺すが、#8山田杯利のクロスラインにより順位は変わらず。その後のコーナーでも#10冨田自然は前方を狙う動きを見せている。ところがここで仕掛けたのが#34渡会太一で、17周目の6コーナーで#10冨田自然をかわすと、前の3番手#2佐々木大樹に向けアタック。#2佐々木大樹は後方を警戒して10コーナーでブロックラインを走るが、ここは立ち上がり重視のラインで走った#34渡会太一が最終コーナーでインを付き3番手となった。この影響か逃げ始めていた#92小高一斗はもちろん、2番手#8山田杯利と3番手#34渡会太一との距離が少し空いてしまった。19周目の4コーナーで#2佐々木大樹は#10冨田自然にかわされ、6番手#12森山冬星も#5高橋悠之にパスされた。
20周目、レースは後半戦に突入。圧倒的なペースを見せたのは#34渡会太一で、まさかのこのタイミングでファステストラップを記録。トップ2よりもコンマ3ほど早いペースで追い上げを見せている。4番手#10冨田自然と#2佐々木大樹は付かず離れずの距離感を保っているが、その後方は激しいバトルを展開しているため、6番手以降はトップ集団との距離が離れてしまった。22周目には2番手#8山田杯利に追いついた#34渡会太一だったが、6コーナー立ち上がりで詰まりすぎてしまい挙動を乱し、一時ギャップが開いた。しかし即座にその差は埋まり、23周目には再びテールトゥノーズ、そして10コーナーで#34渡会太一がインを付き2番手に浮上した。3番手になった#8山田杯利はペースが不足しているか、後ろの#10冨田自然と#2佐々木大樹の2台が近づいてきている。圧倒的な速さで走る#34渡会太一は25周目にトップ#92小高一斗に追いつき、10コーナーでついにトップに返り咲く。そして最終ラップに突入。トップ#34渡会太一はパッシングポイントである6コーナー、そして10コーナーでインを締める。これを好機と見た#92小高一斗はラインを変更、10コーナーの立ち上がりで勝負をかける。最終コーナーで並んだ2台のイン側にいたのは#92小高一斗だった。さらに5番手#2佐々木大樹も10コーナーで勝負をかける。
そしてチェッカーが振られた。トップは逆転勝利となった#92小高一斗、2位に#34渡会太一、3位は10コーナーで一気に順位を上げた#2佐々木大樹、以下#8山田杯利、#10冨田自然、#11木内秀柾、#9宮下源都、#12森山冬星、#5高橋悠之、#33水野皓稀の順でチェッカーを切った。11位にはYHトップとなる#1佐藤蓮がきて、DL最上位は14位の#43皆木駿輔となった。チャンピオン争いの行方は第10戦に持ち越しとなった。
1位 小高一斗
苦しいレースでしたが展開に恵まれました。マシンのセットアップもどちらかといえば失敗で、思ったほどのペースが作れませんでした。25周目に渡会太一にパスされてしまったのは自分のミスでしたが、最終ラップの攻防戦を制したのはドライバーとして自分のほうが上手だったかなと思います。SUGOから久しぶりに全日本カートに参戦し、うまく行かないことも多かったですが、自分にとって最高峰カテゴリーでの初優勝を獲得できたのでとても嬉しいです。第10戦もガンガン攻めのレースをしていきます。
2位 渡会太一
スタートの出遅れは単純に自分のミスでした。ただ予選でタイヤはしっかり残せましたし、ペースはあったので前には確実に追いつくと思って着実に順位を上げていきました。終盤に山田杯利をパスし2番手に立ったときには小高一斗との距離は離れていましたが、1周で追いついたので、10コーナーで抜くための組み立てを行いました。ただトップに立ってからの最終ラップは、10コーナーでクロスを警戒したラインを取ったのですが、自分の考えが甘く、思った以上に立ち上がることができなかったため、非常に悔しいレースになってしまいました。チャンピオンの可能性が残りましたが、それを意識するのではなく、午後のレースも全力で戦いたいです。
3位 佐々木大樹
練習走行のときから調子が悪く、苦しいレースとなりました。ただその中でも最低限の仕事をして3位に立てたのはよかったです。とはいっても渡会太一は速いですし、あのシャーシの調子も良さそうですから、もっと速くなる方法を考えていかねばなりません。午後はさらにラバーが乗ることもあってコンディション的に余計にタイヤの摩耗は抑えられますし、そもそも摩耗してもペースがさほど落ちることがありませんから、今回以上に純粋な速さが必要なレースとなるでしょう。ひとまずBSがチャンピオンを取ることは確定しましたから、あとは自分がそこに立つだけです。油断することなく最終戦を戦います。
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【2019全日本カートもてぎ】OK第9戦 予選ヒート | Paddock Gate
OK第9戦予選ヒートは15:45から16周にて行われる。西日が大きく傾き、コース上はほぼ全域が山の陰が落ちている。気温もぐっと冷え、肌寒さを感じる状況だ。