ターボといえば、一般的に排気ガスを利用し圧縮した空気をエンジンに送り込む過給機のことを指すが、日本のカート界ではあるドライバーのことを指す場合が多い。そのドライバーとは、今回インタビューした朝日ターボ。2012年からKFに参戦し続け、DUNLOPのタイヤ開発ドライバーも担う彼はいつも多くの応援団に囲まれている。前回の瑞浪で2連勝を飾った朝日は次戦に向け何を思うのか、話を聞いてきた。
Profile
朝日 ターボ(アサヒ ターボ)
1994年2月25日生まれ
出身:愛知県
チーム:MASDA RACING PROJECT
ゼッケン:No.4
マテリアル:EXPRIT / TM / DUNLOP
スポンサー:バンガード / ブシロード / Stilo / 豊英電気株式会社 / 鳥専 / マルハ食堂
最近の戦歴
2012年 | 全日本カート選手権 KF1 シリーズ6位 |
---|---|
2013年 | 全日本カート選手権 KF1 シリーズ3位 |
2014年 | 全日本カート選手権 KF シリーズ2位 JAF-F4 西日本シリーズ 参戦 |
2015年 | 全日本カート選手権 KF シリーズ4位 FIA-F4 Japanese Championship スポット参戦 |
前回のレースについて
まず開幕戦の話をしたいのですが、そこではタイヤは気温差に合わず、さらにドライビングやセッティングも外してしまっていました。特に後者については、2016年モデルのフレームの特性をまだつかみきれていなかった部分が大きいかったです。ヨーロッパではOKカテゴリーにシフトしてしまっているところに原因があるのかもしれません。レース展開自体は悪くなかったのですが、単純に速さが足りなかった、そんな開幕戦となりました。
そこで瑞浪までの2か月の期間は、開幕戦では何がよくて何が悪かったのか、結果を分析しとにかく反省点を洗い出しました。その苦労の甲斐もあり瑞浪ではタイヤは日曜日のコンディションにドンピシャで合い、安定した速さを発揮し続けることで2連勝を飾ることができました。しかしながらここで新たな課題も見えてきました。これまでリアの動きを重点的に考えてセッティングなどを行ってきたのですが、瑞浪でのテストからフロントの動きがナーバスに感じられてきたのです。さらにはレインタイヤもまだグリップできるはずだという感触がありました。2012年あたりのタイムと比べると今回のそれはコンマ3ほど遅れてしまっています。もし僕があとコンマ3速いタイムで巡行できたならば、DUNLOPで表彰台を独占できたはずです。まだまだ伸びしろはあり、それらを改善すればさらに上を狙えることは間違いありません。
茂原ツインサーキットについて
僕はどのコースに対しても好き嫌いなどはないのですが、茂原はここ2年間で行われた4レースのうち、まともにスタートできなかったことが2回、そしてクラッシュでポイントが取れなかったもあり、うまくかみ合っていません。ただ2013年には2連勝をしたコースでもあるので相性は悪くないはずなので、コースに対しては特に苦手意識などはありません。先日行ったタイヤテストでも好調だったのでいけるだろうとは思っているのですが、実際どうなるかについてはレースウィークになってみないことには何とも言えませんね。これまで茂原はすごく気温の高いコースだなという印象があったのですが、ここ2年ではそれほど気温が上がらず、先日のタイヤテストでも同様でした。本番でどれだけ気温が上がるか、ここは気になるところではありますね。
一目置いているライバルや、次戦の強敵はいますか?
まずはタイヤ開発ドライバーの高橋悠之君と三村壮太郎君です。DUNLOPの開発ドライバーとして彼ら二人には負けたくないという思いがあります。あと、茂原は高速サーキットである点と、路面の荒れなどもありCRGやBirel系が速いサーキットなので、体の小さいドライバー、今なら角田裕毅君は速いでしょう。ただ、全体的にはこいつは絶対に来るな、という印象はないです。茂原のレースはかなり接戦となるのではないでしょうか。
次戦への意気込みをお願いします
先ほども言いましたが、茂原はここ2年間失敗が続いてしまっているサーキットなので、そうならないようにすることが一番です。また瑞浪で2連勝をし、ポイントランキングもトップに立っていることもあり、今回は比較的気が楽に感じていて、手堅くポイントをとることに集中していこうと考えています。KF参戦も5年目となり、今年こそはチャンピオンを必ず取らなければいけない。常にそこに向けて準備してきたので、集中してレースをしていきます。