FIA KARTINGは2025年のFIAカート選手権KZカテゴリーで使用するタイヤを、DUNLOPからLeContに変更したと発表しました。

LeContがタイヤを供給するのは、2025年 Mondokart.com FIAカートヨーロッパ選手権、ワールドチャンピオンシップ、ワールドカップのKZカテゴリーです。シーズン途中のタイヤサプライヤー変更は、KZカテゴリー全体にわたるタイヤの性能に対するFIAの取り組みを反映しています。
FIAは、アンダーソンCSKモータースポーツ(DUNLOPタイヤのサプライヤー)および住友ゴム工業(DUNLOPタイヤのメーカー)との建設的な協議を経て、カテゴリーの競争力強化と、ドライバー・チーム・メーカー間のタイヤ性能と安定性への信頼維持のため、タイヤサプライヤーの変更を決定しました。これを受け、FIAとアンダーソンCSKモータースポーツが現行契約を即時解除することに合意しました。
LeContタイヤは2025年7月20日にドイツで開催されるヨーロッパ選手権最終戦からタイヤの供給を開始します。FIAはシーズン途中のタイヤサプライヤー変更に対するスムーズな移行とレース準備への混乱を最小限に抑えるため、このプロセス全体を通じてチーム・ドライバー・メーカーと緊密に連携してきました。2026年シーズンの入札プロセスは、今後数週間以内に開始されます。
DUNLOPタイヤの性能に選手が不満を覚え、レースをボイコット
DUNLOPタイヤは2024年よりFIAカート選手権のKZカテゴリーに単一サプライヤーとしてタイヤを供給しています。KZカテゴリーは2st水冷125ccエンジンに6速ミッションを搭載した最高峰クラスであり、世界タイトルやヨーロッパタイトルを獲得した選手が多く出場する、「カートのF1」とも呼ばれる最もプロフェッショナルなカテゴリーです。
ところが今年5月11日にスペインのLucas Guerrero国際サーキットで行われたFIAヨーロッパ選手権の前哨戦(Champions of the future)にて、DUNLOPタイヤの性能に問題を感じた選手が続出しました。彼らが指摘した問題は以下のものがありました。
- タイヤのグリップが低く不安定
- 最高峰レースでありながらジュニアカテゴリーのタイムよりも遅い
- 車が滑り続けるためオーバーテイクを試みることを躊躇する
- タイヤを交換するとトップ3から最後尾まで落ちるほどタイヤに性能差がある
彼らは、これらの問題があるタイヤではプロフェッショナルなレースができないと主張。タイヤサプライヤーの変更を求め、前哨戦に出場したKZドライバーのうちの殆どが決勝レースをボイコットしました。
また6月22日に行われたヨーロッパ選手権第2戦でもDUNLOPタイヤにブリスターの問題が発生。これを受けて一部チームはレース参加を取りやめていました。