2025年10月5日にフェスティカサーキット瑞浪にて行われたGPR Karting Series第8戦。ShifterクラスにNEXTBIRTH wis HKCからエントリーした松田次生は、なんと自身にとって30年ぶりとなるカートレースでの優勝を掴んだ。
プロレーシングドライバー松田次生は2024年シーズンからGPR Shifterクラスに参戦を開始し、今シーズンは最終戦を除く全レースへの参戦を行ってきた。フェスティカサーキット瑞浪にて行われた第8戦の路面状況はウエット。前日までの練習走行も同様のコンディションだったが、松田次生はセッションベストタイムを記録するなど雨天での好調さを見せていた。

ポールポジションからスタートした松田次生であったが、スタートでは若干出遅れセカンドスタートの伊東聖七の後ろに付ける。序盤はトップに離された松田次生だったが、途中からペースが上がらなくなった伊東聖七のペースが上がらなくなり、一気にその差が詰まっていく。明らかにコンパクトなラインで走る松田次生は5周目のタコツボコーナーで伊東聖七のインに入り、サイドバイサイドでバックストレートへ。そして11コーナーで完全にトップに躍り出た。

伊東聖七は必死で食らいつこうとするが、松田次生はライバル達よりコンマ2秒程度速いラップタイムを刻み、後方を置き去りにしていく。昨シーズンの参戦開始当初はほぼ30年ぶりのカートレースということもあり現代レーシングカートレースに必要なドライビングテクニックに苦戦する様子だった松田次生だったが、Shifterクラスの圧倒的なパワーを制御する技術にはライバルから一目置かれていた。今回の雨のレースでは、ハンドルを多く切り体重をアウト側にかけるカートの伝統的なレインテクニックと、現代的なコンパクトラインを組み合わせた走りを見せていた。

20周のレースを終えた時、松田次生はなんと2番手を5.1秒突き放す完全な独走でチェッカーフラッグを受けた。彼の古巣でかつ今回のエントラントであるハラダカートクラブのメンバーはもちろん、多くの関係者からの祝福を受けながらヒーロインタビューに答える彼の表情は笑みで溢れた。


本人いわく「1996年のCIK-FIAアジアパシフィック選手権ICAクラス以来」となる30年ぶりのカートレース優勝を掴んだ松田次生。レース後のインタビューに対し次のように応えた。
「自分たちのやれる範囲でできる限りの努力をして掴んだ結果であり、SUPER GTでの優勝と同じぐらい嬉しいです。カートレースは16歳ぐらいの若いドライバーもいて多くの刺激をもらえ、とても楽しくレースができます。僕は今46歳ですが、僕ら世代の人たちがカートレースに復帰してくるきっかけになったのではないかと思います。ドライだった第7戦もかなりいいところまで行けて自信になったので、ドライでも優勝できるように頑張ります。」










