4時40分を過ぎ、かなり涼しい状態で路面温度も先ほどのタイムトライアルよりずっと低くなっている。長く伸びる影に西日を遮られながらOK第1戦が開始された。メカニックやドライバーのほぼ全員が立っている状態でダミーグリッドを待機している光景は久々で、なんだか押し掛けに新鮮味を感じるほどであった。
隊列がホームストレートに差し掛かり、ついにスタートかと思われたがここでトップの85佐藤がエンジンを被らせてスローダウン。さらに30小川がホームストレート上でスピンと波乱の展開でスタートディレイド。85佐藤のマシンは1コーナーを抜けたイン側に停車したが、30小川のマシンはなぜか6コーナー出口のアウト側に置かれエントラントから危険だという声が多く上がっていた。レースはさらに2回スタートディレイドしたのちにようやくスタート。ホームショットをとったのは2朝日、それに18太田、23環、13三村、22井本、5高橋が続く。またスタートのタイミングで11がエンジンを被らせストップ。さらに21平川がスローダウンしてピットインする。2周目、2位を走っていた18太田がマシントラブルか5コーナーから失速、そのままレーススピードに戻れずピットに戻ってしまう。3周目に9高橋が23環を4コーナーでパスする。路面温度が低くなってくるとBS勢に利があるようで、全体的にBS勢のほうが勢いがある。しかし、それよりもタイヤの温まりが早いのはYHかもしれない。13三村のペースがかなり良く、次々に順位を上げていき4周目の4コーナーで2朝日をパス、トップに立った。またこの周の7コーナーで2朝日が単独でマシンの左側をダートに落とし、順位を4位まで落とした。これにより13三村が単独トップ、その後ろに5高橋、23環、2朝日、22井本が並ぶ。各車のタイムはほぼ変わらず37.7前後でラップしているため、このタイミングでは均衡状態だ。その中でじわじわと前との隙間を詰めるのが2朝日。7周目に23環を8コーナーでパスし3位に浮上する。レース中盤では13三村のペースが少しずつ落ち苦しい展開になっていく。10周目に5高橋がトップに立つと、13三村は後続に飲み込まれていく。トップの5高橋、2位の2朝日が11周目の4コーナーから毎コーナーごとに入れ替わるような激しいバトルを展開するが、これを制したのは2朝日。これにより後続がトップ集団に追いつき2朝日、5高橋、13三村、23環、22井本、20澤田、17野中の7台がトップ争いを形成した。しかし2朝日はこの中でもペースを落とすことなくじわじわと2位以下を離していく。やはり13三村はかなり苦しいのか順位をキープすることができずどんどんと後方へと下がってしまう。また23環以降のEXPRIT3名がレースを残り2周のところで激しいバトルを見せたが、20澤田が経験値の差を見せつけるようにこの争いを制した。チェッカーが振られ、2朝日、5高橋、20澤田、23環、22井本、17野中、13三村の順で17周の戦いに幕が下ろされた。
1位 朝日ターボ
レース開始直後に後ろがやりあってペースを作れたところは良かったが、そのあとはペースが上がり切れず、またコースアウトもしてしまいました。ただ、ここから落ち着いて、無理をしないように頑張ることで順位を上げていけたので結果的には良かったです。気温が下がったことでタイヤが少しやられてしまったことや、予選ポールスタートの85佐藤がスタートを切れなかったこともあって優勝は難しいのではないかと考えています。
車は未だデリケートなところがあって全く満足できる状態ではないですが、これから良くなる感触はあります。また新カテゴリーで未知の部分が多く、ペースなどまだ把握し切れていないためドキドキしている面もありますが、自分のペースをもって戦っていきたいです。ポールからのスタートということで序盤のリスクが低いので、これを幸運と考え表彰台に乗ることを第一にレースを戦っていきたいです。
2位 高橋悠之
フロントバンパーの規定が定められて初めてのレースとなったので、そこをかなり気にしながらのレースとなりました。また、僕にとっては久しぶりのフロントブレーキがない車両でのレースでもあったので、特に序盤はリアブレーキだけでのパッシングに不安を覚えてしまいギクシャクしてしまいました。この予選は路面温度が冷えたことで、BSユーザーには優位なコンディションでしたし、明日の第1戦決勝は9時30分からのスタートとかなり早いスケジュールなので、好感触で戦えるのではないかと思います。体力、タイヤ共に後半きつくなってくるとは思いますが、自分のベストを尽くして走り続けるのみです。
3位 澤田真治
僕にとって超ラッキーとしか言いようがないレース展開でした。正直なところ自分のペースはあまり良くなかったのですが、前が勝手に空いていったことで順位を上げることができました。ですので、結果としては上出来ですが、内容はイマイチだったといわざるを得ません。ただ、パッシングするポイントをうまく見定めてレースすることができた点はとてもよかったです。問題はやはりペースが悪いところです。このままだと、予選を走っていない85佐藤が、去年のKFレースで予選をスタートできなかったドライバーと同様に最後尾から追い上げて勝ちかねません。また9佐々木の動きも気になります。優勝候補はこのままだと2朝日、9佐々木、85佐藤の3名ではないでしょうか。自分は若干リアタイヤを使いすぎてしまった感触があるのですが、かといって順位的には悪い状況ではありません。データを見直し、前向きに改善しながら明日のレースを戦っていきます。