金曜日の走行終了後に降り出した雨は次第に強さを増していき、22時過ぎには瑞浪市を含む岐阜県4市1町で土砂災害警報が発令。中央自動車道の一部区間が土砂崩れにより通行止めになるなど交通への影響も大きく、安全が確認するまでサーキットへ来場しないようフェスティカサーキット瑞浪が各エントラントに呼びかけた。結果翌日の朝6時過ぎには警報が解除、さらにサーキットスタッフにより周辺道路の安全が確認され、午前中の走行時間をキャンセルする走行スケジュールが組まれ、公式練習やTTは翌日に順延になった。このため日曜日の1日でOKは2レース分のスケジュールを消化せねばならなくなってしまった。夜の雷雨はどこへやら、まさに日本の夏と表現するのが相応しい青空が広がっていた。
12時45分からスタートしたOK練習走行1セッション目は、他のクラスが未走行であったため昨晩の雨によりゴムが剥がされ軽く砂が浮いたような状況。このため全体的にグリップ感が欠けていたが、それでもトップタイムは#9佐々木大樹の42.992秒。セッション中に路面状況が次第に回復したためいずれのドライバーも終盤にかけてタイムが伸びていた。
他クラスの精力的な走行、そして強い日差しにより路面状況は一気に回復し金曜日の終盤を上回るタイムが2セッション目にしてすでにたたき出された。この時のトップタイムは#85佐藤蓮。昨日までは調子がいまいちだと語っていた#85佐藤だが、セッティングを大きく変更したことが功を制したようだ。2番手には金曜日最終セッションでトップタイムであった#20澤田真治、そして3・4番手に#30小川颯太・#8三宅敦詞のTOYOTA YAMAHA RTコンビが並ぶ。
今週末最後の練習走行となる3セッション目は15時ちょうどにスタート。気温もかなり高く、立っているだけで汗が体中から吹き出るほどであった。そのような厳しいコンディションで42.359秒を出し1番時計となったのは#13三村壮太郎。同じくYHタイヤを装着する#6大草りきも42.599秒で4番手タイムとなっており、YHの存在感が高い。本日はセッションによってタイム上位陣の入れ替わりが激しいが、その中でも安定してタイムを出しているのが#20の澤田、ここでは2番手タイムにつけてきた。さらに3番手には#9佐々木。今シーズンはうまくかみ合わないレースとなりがちだった#9佐々木だが、ここ瑞浪で絶対王者の名を取り返せるか。
ところで、すでに金曜日の走行後にタイヤメーカー3社は今週のレースで使用するタイヤを決定しコースに搬入しているが、その特性は微妙に異なっているようだ。DLのリアタイヤは明らかに大きく、これにより全体的にDLユーザーの走りは少し機敏さに欠けているように思える。逆におそらく一番外形がコンパクトであろうBS勢は、一部のシャーシではかなりピーキーな動きを見せている。またDLとYHは気温が上がれば上がるほどにタイヤの肌つやがよくなりタイムが向上していくが、BSは温度に関係なく一定のタイムで走れているように見える。ただBS勢は一発のタイムが一歩劣るか。明日の日曜日は公式練習やTTを行うこととなり、それは9時過ぎに予定されていることから比較的涼しいであろうと予想される。この記事を執筆時点(17:30分)でサーキットには再び雨雲が近づいており、またしても路面状況がリセットされる可能性もある。明日のレース展開は全く読めない状況となっている。