2018年4月22日、栃木県茂木町のツインリンクもてぎ北ショートコースにて、日本最高峰でかつ世界最速のレーシングカートレースである全日本カート選手権OK部門の2018シーズンが開幕する!
2年目のOK部門は挑戦のシーズンに!
昨シーズンは全日本最高峰クラスがKFからOKへと切り替わった最初の年となった。最低重量が-13kg、ダイレクトドライブ、フロントブレーキの廃止という3つの大きな変化により、ドライバー・エンジンチューナー・メカニックの誰もがいわば手探り状態でシーズンを迎え、そして徐々に改良を加えながらレースをこなしていた。これまでのKFで培ってきたセオリーが通用せず、特に序盤では苦労しているチームも少なからず見かけられた昨シーズンではあったが、さすがは日本最高峰のカートレースというだけあって常にハイレベルなレースが行われていたことは言うまでもないだろう。
そんな2017年を試行のシーズンだったとするならば、今年は挑戦の年になるに違いない。昨シーズン、そして最終戦終了後からこれまでのオフシーズンに行われた数多くのテストにより蓄積されたデータや経験を活かし、マシンもドライビングもより一層の進化を遂げてくるはずだ。果たしてそれはどのような進化なのか。そしてどのようなレースが行われ、一体だれが勝つのか。
開幕戦の舞台はツインリンクもてぎ
2018シーズン開幕の舞台となるのは、栃木県芳賀郡茂木町にあるツインリンクもてぎ。ここは鈴鹿サーキットと同じく本田技研工業株式会社が所有するサーキットであり、スーパーGTやmotoGPなどが開催されるロードコースと、アメリカンレースの醍醐味が味わえる1.5mileオーバルのスーパースピードウェイを持つ関東のモータースポーツの中心地である。そして全日本カート選手権が開催されるのが、その広大な敷地内にある北ショートコース。全長982m、最大直線長142m、コース幅員8~14mのサイズは国内カートコースとしては一般的な部類だが、特徴はそのコースレイアウトにある。2本の長い直線を緩い曲線でつないだ前半のハイスピードセクション、そしてヘアピンやS字を巧みに組み合わせた後半のテクニカルセクションの構成は絶妙であり、さらに各コーナーにはほとんど傾斜がつけられていないことからライン取りが極めて難しい。パッシングポイントは多く、一度リズムを崩してしまうとタイムに大きく影響してしまう国内でも一二を争うテクニカルサーキット、それがツインリンクもてぎ北ショートコースだ。全日本開幕戦の地としてはもはや定番であるこの北ショートコースで、今シーズンのすべてが今始まる。
YOKOHAMA旋風が吹き荒れる?!
さて、開幕戦での注目のドライバーをあげていこう。誰よりもまず抑えておかねばならないのは、昨シーズンのレースをほぼ制圧した驚速のチャンピオンである佐藤蓮(CrocPromotion)。2016シーズンの全日本FS-125部門東地域で全戦ポールトゥウィンという戦歴を手土産にOKに参戦してきた佐藤蓮は、最高峰カテゴリーの並み居る強敵をものともせず、全10戦中6戦で優勝という結果を残して見せた。昨シーズンのもてぎではTTと第2レースの予選でこそトップを譲ったものの、クレバーな走りで終盤までマージンをしっかりと残し2戦連続での優勝、そしてシリーズチャンピオンを決めた。今シーズンは使用タイヤをDUNLOPからYOKOHAMAにスイッチしての参戦する佐藤蓮だが、タイヤの違いをものともせず圧倒的な速さを見せつけてくることは間違いないだろう。
YOKOHAMAの要でありもてぎマイスターである三村壮太郎(Drago Corse)からも目を離すことはできないだろう。昨年のもてぎ第2レースで最終ラップの最終セクションまでトップを走り続け、YOKOHAMAタイヤドライ初優勝まであと一歩のところまで行ったあの走りに感動を覚えた人も多いだろう。タイヤ開発を主導してきた三村はついに昨シーズン7位という、YOKOHAMAにとって初めてのシーズンTOP10入りを果たした。そんな三村が今回もホームコースとなるもてぎで素晴らしい速さを見せてくれることは間違いない。また三宅淳詞がYAMAHAワークスからADVAN HIROTEXへ移籍、同チームは全日本FS-125からのステップアップとなる奥住慈英との2台体制を取った。LCT by KOSMICからはステップアップ組の一人である坂入悠斗が参戦することで、YOKOHAMAはついに昨シーズンから2台増しとなる5台のマシンにタイヤを供給することとなった。路面へのゴムの乗りが勝敗の一因となるこのクラスにおいてタイヤのシェア拡大は勝利への近道。独自に入手した情報によるとこのオフシーズンで大幅なアップデートを行ったとの話もあった。開幕戦ではYOKOHAMA旋風が吹き荒れるか?!
盤石の布陣のBRIDGESTONE
勢いのあるYOKOHAMAに対して盤石の布陣を取るのはBRIDGESTONE。まずTONYKART RACING TEAM JAPANからは昨シーズンと全く同じ佐々木大樹、高橋悠之、宮下源都の3名が揃え、タイヤ開発の面でも安定感を見せている。INTREPID JAPAN CORSEは3年目の最高峰カテゴリーとなる佐藤巧望に加え、RMCで活躍する水野皓稀を起用しチームを拡大。Team BirelARTは昨シーズン3位を獲得した名取鉄平と、KOSMIC RACING TEAM JAPANから冨田自然が移籍しこちらも2台体制を築く。FA-KART RACING TEAMには武井遥斗がTEAM WOLFから移籍。そのTEAM WOLFのシートに収まったのはJ-RMCで活躍する森山冬星だ。LCT by KOSMICからは林蕗偉が全日本FS-125からステップアップ。XENON.RT & BAMZOからはベテラン綿谷浩明が出場。OK新規参戦チームとなるTEAM EMATYからは山田杯利を起用した。スポット参戦となる川瀬友和はグローバルal.eからの出場。そしてYAMAHAワークスの活動休止に伴い設立されたSuper Winforce Racing Teamからは、昨シーズン2位で、前回のもてぎ大会で2位・3位を獲得する素晴らしい活躍を見せた野中誠太が参戦。もてぎを得意とし、昨シーズン中に特にタイヤマネジメントの面で驚異的な成長を見せた野中誠太も、今大会で最も注目すべきドライバーの一人だ。BRIDGESTONEは14人中10人が継続参戦という体勢を採り、シリーズチャンピオン奪取を狙う!
ルーキーを大量投入し体制を刷新するDUNLOP
一方でラインナップがガラッと変わるのは昨シーズンのチャンピオンメーカーであるDUNLOP。まずMASUDA RACING PROJECTからは朝日ターボが出場し今年もタイヤ開発の責務を担う。EXPRIT RACING TEAM JAPANは井本大雅が継続参戦し、さらにDUNLOP NEXT CUPのスカラシップを獲得した堀尾風允と、全日本FS-125からのステップアップとなる古谷悠河を起用した。CrocPromotionには沖縄出身のドライバー平良響がシートに収まり、そしてもう一人のDUNLOP NEXT CUPスカラシップ獲得者である皆木駿輔がDrago Corseから出場する。最後にSUCCEED SPORTS Jr.からはFIA-F4や86ワンメイクレースに参戦している菅波冬悟が1年ぶりの全日本カート復帰を果たした。以上7人中4人がルーキーとなるDUNLOP。昨シーズンは大径タイヤという過去に例を見ない大胆な挑戦を行ったが、今年はルーキーの力を生かしさらなる進化を狙うか。特に件の大径タイヤはDUNLOPにとって勝率が低いもてぎを攻略するキーと噂されていることから、開幕戦での勝利をもぎ取りに来ることは必至だ!
以上の26名が参戦する2018オートバックス全日本カート選手権OK部門ツインリンクもてぎ大会。レース開催は4月21日~22日だ。誰が勝ってもおかしくない今シーズンの幕開けを見逃すな!
ツインリンクもてぎへのアクセス
公共交通機関の場合
各方面から本数は少ないものの路線バスが通っており、公共交通機関での来場は可能である。ただし、路線バスの停車場所はツインリンクもてぎ敷地内の中央インフォメーションセンターであり、ここから北ショートコースまでは歩くには距離がある。このため、最寄り駅からのタクシー利用がオススメである。
真岡鐡道線 茂木駅からバスで15分
サーキットへの最寄り駅は真岡鐡道線 茂木駅。そこから1日1本の路線バス、あるいはタクシーを利用すれば来場できる。
JR宇都宮駅から1時間18分
JR宇都宮駅から土日限定ではあるがツインリンクもてぎへの路線バスが運行している。詳しくはツインリンクもてぎの交通アクセスページを確認してほしい。
JR水戸駅からバスで1時間30分
JR水戸駅から土日限定ではあるがツインリンクもてぎへの路線バスが運行している。詳しくはツインリンクもてぎの交通アクセスページを確認してほしい。
自家用車の場合
北ショートコースに向かう場合は、ツインリンクもてぎ北ゲートから入場するのがオススメ。北ゲートから入ればすぐ左手に北ショートコースが見えてくる。
友部北スマートICから約40分
常磐自動車道 友部北ICから約40分で到着する。
真岡ICから約40分
北関東自動車道 真岡ICから約40分で到着する。