6月19日の瑞浪大会が先日行われたばかりだが、早くも次のレースがやってくる。オートバックス全日本カート選手権KF部門第5・6戦は7月10日に千葉県 茂原ツインサーキットでの開催だ。
茂原ツインサーキットの特徴
アップダウンの激しいダイナミックなコースレイアウト
茂原ツインサーキットには2つのサーキットがある。西ショートコースと東ロングコースだ。1周700mの西ショートコースはレーシングカートやミニバイク、モタードの走行が主であり、定期的に開催されているSLレースもこの西ショートコースにて開催されている。一方、全日本カート選手権に使用されるのは東ロングコースだ。全長1170m、幅員10~19mを誇るこのコースは今年の全日本カート選手権開催コースの中で2番目に長い。それもそのはず、普段は四輪、いわゆるハコ車のグリップ・ドリフト走行に使用されている関東でも人気のミニサーキットの一つなのだ。
東ロングコース最大の特徴はその激しいアップダウンにある。最終コーナー手前がコース内で最も低い位置にあるにもかかわらず、そこから一気に最高地点である2コーナーへと駆け上がる。その高低差はなんと9mもあるのだ。そこから続くのはまるでジェットコースターのように下るS字。ヘリポートコーナーを抜けさらにS字、ヘアピン、もう一度S字を抜けるとR120の巨大な最終コーナーが現れ、それを曲がり終えたならばドライバーはホームストレートでやっと一息つくことができる。このコースの特徴は高低差だけではない。3か所あるS字コーナーをより速く駆け抜けるためには縁石をうまく使う必要があるのだ。この縁石は数年前にコース改修により低く削られたとはいえ、下手に乗ると弾かれることもあり、毎周のように車体が浮くダイナミックな動きを見せる。中でも下りS字の左コーナーはショートカット防止のためイン側にクラッシュパッドが置かれるのだが、レースがヒートアップしてくるとタイヤがそれをかすめていくことにより、次第にクラッシュパッドが削られていく。また、巨大な最終コーナーは国内最高峰のKFでさえも曲がるのに約2秒を要し、その間強烈な横Gがドライバーの体を襲う。レース終盤、体力が消耗してくるとその長時間の横Gに耐え切れず血が偏り、最終コーナー旋回中にはイン側が見えにくくなることすらある。激しいアップダウン、連続するS字&縁石ジャンプ、そして巨大な最終コーナーにより車体はまるでダンスを踊るかのごとく激しくステップを刻む。
ド迫力の観客席と充実した快適性
茂原ツインサーキットには2か所の観客席が設けられている。まずは2~3コーナー奥側から紹介しよう。パドックを通り抜け2コーナーの外側まで進むと土手に階段が作られており、それを登った先にこの観客席はある。茂原ツインサーキットではその高低差やコースレイアウトからサーキット全域を見渡すことは難しいが、この観客席からはそれがほぼ可能である。レーシングカートの場合、車体が小さいため最終コーナーなど一部見えずらい場所もあるが、レース全体の状況を把握したいという方にはここがオススメだ。ただしあまり多くのスペースが確保されていないため、譲り合いながら利用してほしい。
続いて最終コーナー外側の観客席だ。巨大な最終コーナーのほぼ全域を添うように設置されており、ここでは猛スピードで最終コーナーを駆け抜けるマシンを間近で見ることができるほか、最終コーナー越しに下りながら縁石を超えるアグレッシブなマシンの動きも眺めることができる。屋根や椅子も用意されているため快適にレース観戦を楽しめるスポットとなっている。
施設面では、コースサイドにレストランが併設されている。東コースに隣接するレストランBRANDSは11:30~13:30まで営業しており、営業時間外は休憩室としても利用可能だ。座席数も多くキッズコーナーも用意されているため家族での観戦も安心だ。トイレも清潔感があり快適に使用できる。