- 2016-6-28
- Devise
KF開幕戦のもてぎではINTREPID JAPAN CORSEしかつけていなかったキャリパーガード。今回の瑞浪では複数チームが同様のタイヤカスをよけるためのカバーを装着していた。INTREPID JAPAN CORSEと異なる点は、その多くはブレーキローターまで覆うタイプとなっていたことだ。それぞれをじっくり見ていこう。
SUCCEEDSPORTS Jr
断言しよう。SUCCEEDSPORTS Jrのブレーキカバーが圧倒的に完成度が高かった。まずは写真を見てほしい。
ドライカーボン製のブレーキカバーはローターを完全に覆い、ブレーキキャリパーと共締めで固定されている。前方に縦長の穴をあけ、メッシュを張ることで通気性も確保してある。メカニックの方に話を伺ったところ、これは4~5年前に作成したもので、前回のもてぎではブレーキ温度が上がりすぎるため使用を控えたとのこと。細かいところを見ると、角になっている部分の内側には平坦な部分よりも厚みを持たせており、レーシングカートの振動にも十二分に耐えうる強度を確保していることがうかがえる。
ムサシノRacing Team
非常に個性的なブレーキカバーを装着していたのは中森丈晴の駆るムサシノRTのマシンだ。今回中森はTONYKARTとKOSMICの2台を瑞浪に用意していたが、その両方ともにこれがつけられていた。なんと蒸し器を流用したものである。
キャリパー部分の羽を数枚取っているものの、基本的には蒸し器そのものである。複数枚重なった羽は開閉が可能(本来は様々な鍋の大きさに対応するための仕掛け)で、走行中に開かないようにテンションをかけているスプリングを外せば即座にブレーキローターやパッドにアクセスできる整備性の高さも特徴だ。外した羽の1枚をブレーキキャリパーに装着、しかもスプリングで引っ張って固定しているだけという簡便さという点も見逃せない。
GLOBAL A.L.E
川瀬友和(No.23/KOSMIC/TM/BS)のマシンにもブレーキカバーが取り付けられていたが、こちらは前述のものとは異なりオープンタイプ。プラスチック樹脂製の板をステーを用いてブレーキローターの周囲を囲うように固定していた。
ここまで大型なものとなると存在感もかなりあるが、前方からのタイヤカスからの保護と放熱性の高さは両立されており、機能的なブレーキカバーだといえよう。走行中に地面に擦ったりしないのか、ステーが折れたりしないのかは気になるところだが…。
RECCIARDO NEXUS
野中誠太(No.16/RECCIARDO/TM/BS)のマシンについていたのはブレーキカバーではない。キャリパーにあるローターとの隙間を埋めるためのガムテープだ。
この隙間にタイヤカスが挟まることで制動力が失われるのであれば、隙間をなくしてしまえばいいということなのだろうか?確かにビレル系フロントブレーキはこのあたりの造詣が他と違っているので効果はあるのかもしれない。ただ、ローターの熱で焦げたりしないんだろうか…。