OK第7戦決勝ヒートは28周、9時20分よりスタートした。気温は9~10度と朝一番よりも低く、路面温度はぐんぐん下がっていく。路面はフルウエット状況ながら、ここに来て小雨となり、レースによって路面状況が回復していくことも十分に考えられる。非常に難しい状況をどのように見据えるかが勝負の分かれ目となりそうだ。ゆっくりとしたフォーメーションラップによって隊列が組まれ、31台でのレースがスタートした。
ホールショットを決めたのはポールスタートの佐々木大樹。2番手スタートの荒尾創大は1コーナー外側に足を落とし、それに釣られるように3番手スタートの金子修、鈴木斗輝哉、そして田中風輝がストップしてしまう。金子修以外は再スタートを切れたが、4コーナーでは平安山良馬もストップした。2周目、トップから佐々木大樹、高橋悠之、遠藤照剛、洞地遼大、田中照久、朝日ターボ、井本大雅、三村壮太郎という順に。佐々木大樹は1周目の混乱によりすでに後方に大きなリードを築いている。気温が低くなってきたコンディションではBS勢は初動に苦しんでいる印象だが、対象的にYH勢のペースが良くなってきた。4コーナーでは朝日ターボが田中照久をパスし5番手に浮上。さらに洞地遼大も8コーナーで遠藤照剛のインをつこうとするが、これは失敗した。しかし遠藤照剛のペースが悪い。3周目には時折グラベルに足を取られ洞地遼大に先行を許しと、すぐ後ろの朝日ターボ、更に4周目には田中照久にもパスされ6番手までドロップした。同様にマシンのグリップ感が低そうなのが2番手の高橋悠之。後方の洞地遼大とは若干のマージンがあったが、じわじわとその差がなくなり6周目に洞地遼大が2番手に立つと、後方の朝日ターボが迫ってきた。朝日ターボに比べると明らかに高速コーナーでマシンがアウトに振られる高橋悠之。2台は9周目にテールトゥノーズとなり、朝日ターボは1コーナーと4コーナーでインを刺そうとするが、わずかに差し切るところまでは至らない状況が続く。
11周目、隊列はトップ佐々木大樹が独走。2番手洞地遼大はそこに追いつこうとマシンをプッシュさせ、3番手争いは高橋悠之と朝日ターボ、5番手争いは田中照久と大宮賢人、7番手争いは三村壮太郎、遠藤照剛、野村勇斗となる。高橋悠之はこのあたりからマシンが安定し始め、朝日ターボと付かず離れずの距離感を保つ膠着状態となる。5番手争いの田中照久と大宮賢人も同様に微妙な距離感で、大宮賢人がパッシングに至るにはあと一歩が足りない様子だ。7番手争いのトップに立っていた三村壮太郎だったが、わずかにだが後方のペースが上がり始める。14周目の4コーナーで野村勇斗が三村壮太郎をパスすると、そのまま一気にペースを上げ単独7番手となった。また15周目には遠藤照剛も三村壮太郎を交わすと、その後方から佐野雄城と渡会太一が近づいてきた。19周目に三村壮太郎は佐野雄城にパスされ10番手となると、渡会太一がその真後ろにつける。
21周目、このあたりから雨は完全に小雨、ときによってはほぼ雨は降っていない状況となっていく。21周目の5~6コーナーで渡会太一は三村壮太郎をパスし10番手に浮上。また8番手の遠藤照剛と佐野雄城がテールトゥノーズとなり、前方野村勇斗へ追い上げをかける。野村勇斗は若干ペースが落ちたように見えたが、23周目付近で一瞬雨がぱらついたことで再びマージンを取り返した。トップ佐々木大樹と2番手洞地遼大の差は十分にあり、もう2台の順位変動はなさそうだ。大きく離れて3番手争いの高橋悠之と朝日ターボも微妙な距離感で互いにフルプッシュさせているが、25周目付近から朝日ターボのペースがほんの僅かに遅くなり差が開き始めたか。5番手争いの田中照久と大宮賢人は同様にテールトゥノーズだが大宮賢人が入るにはあと一歩。7番手野村勇斗は単独、8番手には26周目に遠藤照剛が佐野雄城を交わして上がり、わずかに佐野雄城との差を開けた。このまま周回が重ねられ、28周のレースが終了した。
優勝は佐々木大樹が今季二勝目を獲得し、SUGOでの変わらない強さを見せつけた。2位には順位を大きく上げた洞地遼大、3位には逃げ切った高橋悠之がつけた。以下朝日ターボ、田中照久、大宮賢人、遠藤照剛、佐野雄城、渡会太一がTOP10となった。
1位 佐々木大樹
気温が非常に低かったのでタイヤの内圧を高めた状態でスタートさせました。これは後半にタレたとしても前半に逃げ切ったマージンで戦っていうほうが良いだろうと経験上考えたためです。実際に高橋悠之は低圧からスタートさせたため前半で苦労していましたから、この作戦はうまくいきました。優勝できてとても良かったです。