ついに全日本カート選手権瑞浪大会の金曜日がやってきた。本日は20分4回、15分1回の練習走行時間が用意されており、KF部門に参戦する全23名のドライバーは全員いずれかのセッションで走行を行ない、精力的にマシンのテストを行っていた。通常、金曜日の序盤でKFはエンジンの慣らしやマシンのチェックを行うことが多く、その際には各社のスペシャルタイヤではなく市販のハイグリップタイヤを装着することが多い。さらには複数のドライバーに異なる種類のタイヤを配布し、レースウィークの路面に対してどのタイヤが適切か見極めているタイヤメーカーもあり、本日のタイムを参考に日曜日のことを考えるのは早計だろう。
そんな中注目が集まっていたのはINTREPID JAPAN CORSEの佐藤巧望(No.25/INTREPID/TM/BS)だ。彼は事前に行われた瑞浪でのタイヤテストでも好タイムを記録し、本日の第2セッションでは他をコンマ2も上回るトップタイムをたたき出している。INTREPID JAPAN CORSEのピットには常にBS開発陣がいるような状況で、精力的にタイヤをテストしていた。東地域のドライバーの数が多いKFであるが、西地域で腕を磨いた佐藤が今週末は速さを見せつけるのだろうか。
続いて見逃せないのが澤田真治(No.2/EXPPIT/TM/DL)だ。昨年のランキング2位の澤田であるが、4本目のセッションを除いて常にトップ3の中に居続けた。タイムが安定しているだけでなく伸び続けており、澤田が最終セッションで記録した43秒152が本日のファステストラップであった。しかし澤田は一日を通してラップ数が短く、おそらく複数種類のタイヤをテストしているのだろう。周回数の多い決勝でどうなるのか気になるところだ。
またYOKOHAMAの動向も注目すべきポイントだろう。セッション3でYHを使用する三村壮太郎(No.21/Crocpromotion/TM/YH)・小高一斗(No.12/CRG/TM/YH)の2名がそれぞれ4・6番手タイムを獲得している。このセッションでは他のセッションと比べると全員のタイムがコンマ2程遅かったのだが、日中の日が高い時間帯(13:10~13:30)であり路面温度もピークを迎えていたのだろう。暑くなるとYOKOHAMAが上がってくる可能性が高い。
他には大草りき(No.24/TONYKART/TM/BS)は午前中エンジンのふけ上りが重いというトラブルに悩まされていたが、最終セッションでようやく回復しトップからわずか0.04秒差で4番手タイムを獲得している。角田裕毅(No.34/DragoCoese/TM/DL)は慣れない瑞浪に合わせるのに苦労していたようだが、途中からリズムをつかみ調子を取り戻したと語ってくれた。