レーシングカートの場合、ドライバーが収まるシートは単に体を固定し車体からの情報を伝える役割のみならず、シャーシの動きを制御する剛性パーツとしても機能している。つまりスタビライザーやハブ、リアシャフトなどと同等のセッティングパーツである。このため各フレームメーカーの純正品以外にも、様々なサードパーティーから機能的なシートが日々開発されている。今回は2021全日本カート選手権の最高峰カテゴリーOK部門で戦ったマシンのシートを調査した。
調査を行ったのは2021年7月11日にオートパラダイス御殿場にて開催された全日本カート選手権、OK部門第3戦決勝ヒートのグリッドに並んだ34台のマシンを対象としている。金曜日までは雨天となっていたが、調査日である日曜日は完全なドライコンディションだった。
OKマシン34台のシートを調査
確認できたシートメーカーは以下の6つ。純正シートは数が少なかったため、一旦「純正」とまとめた。
- Tillett
- JECKO
- NEK
- GreyHound
- Harada Kart Club
- 純正品
最大シェアを誇るのはNEKの10台、次点でTillettとJECKOが8台で並ぶ。この3メーカーですでに3/4を占める構図だ。三重県のカートショップであるハラダカートクラブが販売するオリジナルシート採用マシンが4台でシェア第4位に食い込み、GreyHoundが2台、残す2台が純正シートを装着していた。
JECKO、NEK、GreyHoundの1台のあわせて19台はホールドタイプのシートを採用していた。
分析を簡略化するためシャーシブランドを以下のように系統別に振り分ける。振り分け後のシャーシシェアはfig2に表す。