小雨が降りつつも雨量自体は少なく、路面は完全ドライの状況でのスタートとなったKF第3戦決勝レース。予選と異なり全車がドライタイヤを使用した状態でローリングしスタートした。
ホールショットを決めたのは4朝日。2番手以降に2澤田、34角田、31三宅、30太田、そして21三村が続いていた。スタートラップのタコツボで34角田が仕掛け2位に上がると、トップ集団の入れ替わりが一気に激しくなってきた。3周目の時点で4朝日、2澤田、31三宅、34角田、21三村、30大田となる。1位・2位が後方を引き離していく中3番手争いが激化。34角田を先頭に完全なテールトゥーノーズ状態で30太田、31三宅、21三村が続く。6周目あたりに大粒の雨がぽつぽつと落ちてきた。ここでペースアップしたのは21三村である。やはり今回のYOKOHAMAタイヤは低温度下での路面に強いようだ。4位に順位を上げこのまま一気に前方へ躍り出るのか、そう思われたタイミングで2番手の2澤田のペースが上がらない。34角田に追いつかれ2番手争いが激化するかと思われた8周目、なんと3番手の34角田のインを21三村がタコツボでついたところでクラッシュを喫しリタイヤしてしまう。その前の周に同じくYHタイヤを使用する12小高もストップ。YH2台ともにリタイヤとなってしまった。その状況の中上がってきたのは9高橋だ。予選でセッティングが間に合わずコースインできなかった高橋であったが、タイヤがTTを走ったままの状態であったために有利な展開か。4朝日は完全に単独だ。そのはるか後ろに2澤田、3宮田、18菅波、30大田、22小暮、9高橋、34角田、31三宅、11名取と続く。猛烈なプッシュを見せる9高橋は11周目についに5位に上がり、6位以降を引き離しにかかっている。そんな中で3宮田が2澤田をパスし2位に上がり、2位争いが3宮田、2澤田、18菅波のワンパックに。レースは折り返し地点だ。22小暮が2位争いに追いついて4台での争いとなったとき、18菅波が2コーナーで仕掛けたことをきっかけにバトルが激化、激しい順位の入れ替わりが引き起り22小暮が3位に上がると、さらに9高橋がそこに追いついた。18菅波が積極的に仕掛けていき4位に立ったとき、3宮田が2位争いから抜け出し単独となる。18菅波はマシンをプッシュし20周目に22小暮を2コーナーでパス、3番手に上がり集団の先頭に立つ。この集団唯一のBS勢である6番手の9高橋も必死でマシンを走らせているがギリギリついて言っているような状況だ。最終周、5番手を走行していた2澤田がタコツボで22小暮をパスし4位に上がると、そのままの4朝日、3宮田、18菅波、2澤田、22小暮、9高橋の順でチェッカーを切った。
1位 朝日ターボのコメント
スタートはとてもうまく決まったのですが、1周目に詰めが甘くタコツボで刺されて3番手まで落ちてしまいました。その時に前走車のラインや動きを観察していたのですが、同じライン、スピードでコーナーを走っても自分のほうが明らかにグリップしており、自分のペースがいいのだと確信を得ました。前を抜いてトップに立ってからは、とにかく前だけを見て走り続けました。前半は滑らないことを意識してクルージングしていたのですが、後方とのタイムギャップがどんどん開いていき、とにかく自分のペースがよかったです。今回はDLで表彰台を独占でき、開発ドライバーとしてとてもうれしく思います。午後のレースもそうなればとは思うのですが、ヒート数が1つ少なく、ドライでのペースそのものはBSもDLも変わりません。天気や気温も激しく変化しているためそれに合わせていかねばならないので、どういうレース展開になるのかは今のところ何とも言えません。しかし、自分には勝てる条件がそろっているので、次のレースも勝ちに行きます。
2位 宮田莉朋のコメント
レース前に天候が悪化したのですが、僕の前には21三村がおり、この状況下での彼のペースがとても速いことはわかっていたので彼についていこうと決めていました。途中自分にとって良いタイミングで21三村が止まってしまったのですが、もしも彼が走り続けていたら自分の前にいたのかもしれません。スタートも混戦をうまく切り抜け、路面が乾いてからは予選をリタイヤしてタイヤが残っていたドライバーの追い上げを意識しつつ走っていました。現状4朝日よりも自分のペースが悪いので、午後のレースに向けて改善点を模索しているところです。ところがその午後のレースはどういう天候になるのかわからず、さらに25佐藤と31三宅が先頭にいます。今回でタイヤの減り具合などをチームも自分も把握できたのですが、それはどのチームも同じことです。なので今回のレースよりも激しいレース展開になるのではないかと予想していますが、そこに飲み込まれてしまわないようにしたいです。
3位 菅波冬悟のコメント
22番手とほぼ最後尾からのスタートとなった上に、TTでもあまりタイムが伸びなかったので、単独で前方に立つのは難しいと考えていました。しかしながら雨が降ったためバトルが多くなるだろうと予想し、そこに合わせたドライビングを意識、実行したところかなりうまくはまりこの順位を獲得することができました。途中雨がまた降りだしたときは、ラバーの上は滑るので、ほかのドライバーよりも雨ラインで走ったそのタイミングでかなりマージンを稼げたかなと思います。午後からのレースですが、TTはよくなかったとはいえそれ以降にマシンも改良されており、さらに雨が絡むレースとなるはずなので前に出ていける確信を得ています。