先ほどまでとは打って変わって完全なレインコンディションとなった。雨量は少ないもののコースのあちらこちらに水たまりがあり、もちろん全車ウエットタイヤを装着していた。ただし、BSには2種類のレインタイヤがあり、それぞれにトレッドパターンが異なっているのだが、BS勢は車両によって装着タイヤが異なっていた。かなり蒸し暑く路面温度は27度とウエットにしては高温となっていた。
スタートは25佐藤がライバルよりワンテンポ速く加速しホールショットを決める。それに続くのは4朝日、31三宅だ。しかし初期グリップに勝るのか、4朝日が直後のヘアピンで25佐藤のインを刺しトップに立つと、2周目突入の段階ですでに独走態勢を築き、そのまま他を圧倒するペースで巡行を続けた。ここで上がってきたのはYOKOHAMA勢。12小高が3位に上がり、21三村もそれに続く。レース序盤のYH勢の速さは圧倒的だ。12小高はそのままの勢いで25佐藤を抜き去り2位へ立つと、3位以降を引き離しにかかった。小高とは対照的に21三村はさほどペースアップが図れない。25佐藤を抜くのに2周を要しようやく3位に立った時には4朝日はもちろんのこと12小高もはるか前方であった。DL、YHに比べると全くペースが上がらないのはBS勢。25佐藤は21三村に抜かれると、ほかの31三宅や30太田と同じく後方集団に飲み込まれていく。そこにいたのは3宮田。レース中盤に25佐藤をパスすると、ペースが上がらない三村にじわじわと近づいていく。また注目すべきは18菅波だろう。中団から第3戦の時と同じように強烈なブレーキングでパッシングを決めて前方集団へ迫っていき、ついには34角田をパスし5位に上がる。その次の周に3宮田が21三村に追いつき、そのままパスし3位に。4朝日、12小高はそれぞれ独走態勢を気づき、その後方に3宮田と21三村、そのさらに後ろに18菅波が単独、そして34角田と25佐藤の構図となる。レース後半になり雨量も少ないため路面上の水量が減ってしまったためか、YHの2台のペースがDLに比べると下がり始めた。ついには12小高が3宮田に追いつかれ、13周目にタコツボで入られたのちに引き離されてしまった。レースも残すところあと2周といったところで18菅波が21三村に追いつきそうになるが、ギリギリで21三村が抑えきれるかといった展開になったが、最終周までその様子は崩されることなくチェッカー。4朝日、3宮田、12小高、21三村、18菅波の順でゴールとなった。
1位 朝日ターボのコメント
心配していた要素はYOKOHAMAだけだったので、常に動向はチェックしていました。スタートでトップに立ったのちに2~3周で完全に独走態勢を築くことができたので、そこからはクルージング。おそらく攻めれば常に8秒台で走れる確信があります。次もこのままレインでしょうが、スタートさえ決めてしまえばあとは優勝できるでしょう。
2位 宮田莉朋のコメント
まさか2位まで上がれるとは思っていませんでした。意外とスタートでアクシデントに巻き込まれることなく進めたことと、自分自身のペースもよかったことがこの順位につながったのでしょう。先ほどはドライでしたが、雨ならば優勝もできるかもしれません。4朝日は序盤ペースの上がらないBSがいたので逃げ切れたと僕は思っています。もしそこにYHがいれば、また違った展開になったと思いますし、自分も4朝日と同じペースで走れる自信があります。次の決勝では2列目にYHの2人がいるので、そこをどうクリアするかが課題だと考えます。
3位 小高一斗のコメント
正直YHタイヤはもっとペースがよいと考えていたので、この展開は予想外でした。テストの時は今回よりも感触がよかったのですが、気温や路面温度、ラバーの乗りも違うのでその辺りの差が出たのかもしれません。この順位では全く満足できません。決勝ではエア圧やマシンセッティングを今回の路面に合わせて変更していかないと、勝つのは厳しいでしょう。