OK部門第1戦の決勝ヒートは9時15分よりスタート。今回のもてぎはこの最高峰カテゴリーに対して30周という超ロングディスタンスを設定した。天候は曇り、昨日の夏のような暑さはどこへやら、半袖では肌寒いぐらいでピットウォールのメカニックの多くは長袖を装着している。梅垣清や竹本優月輝のエンジンがうまくかからず最後尾スタートとなる中、三村壮太郎を先頭とするローリングが組まれ、決勝レースがスタートした。
ホールショットを決めたのは三村壮太郎、そこに佐々木大樹、小田優、堂園鷲、佐野雄城、野澤勇翔、金子修らが続く。ささきだいきは素早くバトルを仕掛け3コーナーでトップに浮上、さらに金子修は6コーナーで野澤勇翔をパスした。この金子修は非常にペースがよく、2周目の複合コーナーで佐野雄城も交わし5番手まで浮上、さらに小田優を堂園鷲がパスし3番手に立った。トップ佐々木大樹に対して三村壮太郎はいつでも行けそうな様子だが、6コーナー手前でアクセルを抜きあえてパッシングしない素振りを見せている。3周目に金子修が小田優を交わし4番手に浮上したことでTOP3との感覚が若干開き、更に次の周回で小田優が再び3番手に戻った際に、これを好機と見た佐野雄城が金子修の背中を捉えた。また5周目の複合コーナーで今までパッシングを仕掛けなかった三村壮太郎がトップに舞い戻った。
6周目、隊列はトップから三村壮太郎、佐々木大樹、堂園鷲、わずかに離れて順位を上げた佐野雄城、小田優、さらに離れて金子修、高橋悠之、清水啓伸と並んでいた。7周目の6コーナーで堂園鷲が佐々木大樹を交わしたことで佐野雄城が3番手の背中を捉え、さらに高橋悠之が金子修をパス。捺さき第きは8周目の6コーナーと複合コーナーで佐野雄城と小田優にパスされ5番手までドロップ、佐々木大樹はTOP5と比べると若干ペースが悪いかほんの少し遅れを見せている様子にも見える。
10周目、トップ三村壮太郎に対し6コーナーで堂園鷲が、更に複合コーナーで佐野雄城がパスし三村壮太郎は3番手につける。しかし11周目に佐野雄城が6コーナーで堂園鷲をパスすると、続いて三村壮太郎も複合コーナーで交わした。このTOP3のバトルを淡々と観察する4番手の小田優と、これによってどうにか離れずついていけている5番手佐々木大樹という様子で、さらに6番手争いの高橋悠之と金子修が追いついてきた。13周目、トップ佐野雄城はペースを上げ逃げようとする様子で、複合コーナーでは三村壮太郎が堂園鷲を交わし2番手に浮上した。さらに9番手にいた野澤勇翔が1コーナー先でストップした。15周目、これまで動きを見せていなかった4番手小田優が堂園鷲をパスし3番手に浮上、前方の三村との僅かなタイムギャップを埋めて行く。これからしばらく先頭集団は大きな動きを見せず落ち着いて走っていくが、4番手争いの堂園鷲と佐々木大樹は19周目には明らかにTOP3に対して遅れを見せていきた。若干のマージンを築いていたトップ佐野雄城だが、20周目には完全に三村壮太郎と小田優とのトップ争いが形成。外周が速い2番手三村壮太郎に対しインフィールドで速さを見せる佐野雄城という展開だが、三村壮太郎は余裕がありそうだ。そんな中21周目に5番手を走行していた佐々木大樹がなんと最終コーナーでエンジンを焼き付かせスピンしてストップしてしまった。これによって4番手堂園鷲は完全に単独となり、5番手争いは高橋悠之、金子修、清水啓伸の3人となった。
22周目の複合コーナーでついに三村壮太郎は佐野雄城をパスしトップに戻ると、23周目の6コーナーでは更に小田優が佐野雄城をパス、2番手に浮上した。これまで誰かの後方で常に様子を伺っていた小田優だが、さらに24周目には三村壮太郎も交わしトップに浮上しマシンをプッシュさせる。それについていこうとする三村壮太郎と佐野雄城だが、佐野雄城はそこまでの余力がないかじわじわと離れていき26周目には完全に順位を取り戻すのは難しい様子にまでなる。後方では5番手に金子修が上がり、6番手に高橋悠之、離れて7番手に半田昌宗と清水啓伸がいたのだが、後半にかけDL勢のペースがBS勢を上回り鈴木斗輝哉と洞地遼大が順位を上げてきた。半田昌宗はペースが悪化したか徐々に順位を下げていく。
28周目、トップ小田優がさらなるペースアップを図る。タイムは36.1秒という驚異的なペースでラップしており、三村壮太郎はついについていけず2台の距離は少しずつ離れていった。もはや小田優のスピードについていけるドライバーは一人もおらず、周回が重ねられた。そして30周の決勝ヒートが終了した。
トップは逃げ切った小田優、2位に三村壮太郎、3位は佐野雄城、以下堂園鷲、金子修、高橋悠之、鈴木斗輝哉、清水啓伸、洞地遼大、朝日ターボの順でチェッカーを切った。
1位 小田優
3位でスタートできたのでこのまま最後まで抜かずにレースしようと考えていたのですが、一時は抜かれて5位までドロップしました。ただチームからは「6位以内に入れば勝機はある」と言われていましたし、30周もあるのでまずは様子を見ようと動かずにいました。昨日から調子がよく、精神的にもマシン的にも余裕があり、順位を下げても焦ることなくタイヤマネジメントだけに集中して走ることができました。最後2番手に立ったときには、もともと残り2周程度で抜こうと思っていました。ただ三村壮太郎のタイヤは厳しそうでしたし、チームからのGOサインも出ていたので素早く確実にパッシングしました。残り3周で十分にタイヤも残っていたので更にプッシュして逃げ切れました。OK部門でデビューウィンできたことは泣きそうなぐらい嬉しいです。本当にファイナルラップが永く感じました。
2位 三村壮太郎
最後に抜かれるまではプラン通りに戦えたレースでした。去年の展開からみても36.2秒~36.3秒でラップしていれば逃げ切れるはずだったのですが、それを小田優が上回りました。そこに対応できなかったのが敗因であり、また車のバランスも若干ですが向こうの方に分があったようです。シンプルに昨日とは全く違う低い路面温度に合わせられなかったところに反省点があります。
3位 佐野雄城
予選で順位を下げてしまい、決勝は8位スタートで追い上げを強いられました。小田優と三村壮太郎が速いことはわかっていたので前半で彼らに追いつく必要があり、そこに勝負をかけました。トップに立った際にもペース配分を行ってなるべく後半までタイヤをもたせようとしていましたが、最後まではもたせきれず3位でフィニッシュしました。あの二人のペースには今のままでは追いつけないので、ドライビングやセッティングをさらに追い込む必要があります。それらを改善して第二レースを戦いたいです。