OK第2戦決勝ヒートは15時ちょうどからスタート。30分ほど前から雨がぱらつき、路面をうっすらと湿らせているが、この雨は弱い中でも強弱がありコンディションが変化していくかもしれない。佐々木大樹がローリング中からなにやらエンジンの調子が悪そうで隊列から少し遅れを見せていたのだが、フォーメーションラップ中についにエンジンが動かなくなり1コーナー先でマシンを止めてしまった。1台姿を消した隊列は再びホームストレートに向かい、本日最後のレースがスタートした。
ホールショットを決めたのは加藤大翔、そこに小田優、渡部智仁、半田昌宗、三村壮太郎、佐野雄城、渡会太一、金子修が続く。三村壮太郎は3コーナーで早々に半田昌宗を交わし4番手に浮上する。半田昌宗は2周目に佐野雄城と金子修にパスされ順位を下げた。ポツポツと降る雨のお陰で路面は少しスリッピーな様子だ。トップ加藤大翔はこの路面で水を得た魚のように快調に走り、5周目には2番手に対して2秒以上のマージンを作りながらも更に後方に対して差を広げていっている。またその5周目には3番手の渡部智仁を佐野雄城と金子修が複合コーナーでパス。さらに6周目には三村壮太郎が複合で、7周目には堂園鷲が6コーナーで渡部智仁をパスすると、佐野雄城~渡部智仁の5台による3番手争いが形成された。8周目には金子修が佐野雄城を、堂園鷲が三村壮太郎をそれぞれ6コーナーでパス。その後ろでは8番手の渡会太一に対して高橋悠之が攻め立てている様子が見える。第2戦予選まで速さを見せていた三村壮太郎だが、なにやら全体的にペースが悪いように見える。
9周目、ここに来て低路面温度下で強烈なパフォーマンスを発揮していたYHタイヤに陰りが見え始めた。高橋悠之が3コーナーで渡会太一のインに入ると、渡会太一はアウト側に軽くタイヤを落としたか後方の半田昌宗にもパスされ、更に清水啓伸にもこの後かわされた。またトップを圧倒的なスピードで走り広大なマージンを築いていた加藤大翔もペースダウン、徐々に小田優が近づいてきている。
10周目、ここまで3番手争いの先頭に立っていた金子修を堂園鷲が複合でパス。また佐野雄城の後ろにつけていた三村壮太郎も11周目の複合で一つ順位を上げた。3番手に立った堂園鷲は小田優との差を一気に縮め12周めの複合でパスし2番手に浮上。さらに明らかにペースが落ちた加藤大翔が急速な勢いで堂園鷲に捉えられようとしている。そして14周目、完全に加藤大翔の背中を捉えた堂園鷲が1コーナーでインを刺しトップに浮上。また金子修が小田優を6コーナーでパスし、続いて三村壮太郎も複合で仕掛けようとするがこれは失敗、このミスにより大きく順位を落としてしまう。15周目に金子修が加藤大翔をパスすると、加藤大翔はそのままズルズルと順位を下げていく。その間に堂園鷲はマシンをフルプッシュして後方を一気に引き離していく。
17周目、トップは独走態勢を築いていく堂園鷲、2番手に金子修、その後ろに小田優、渡部智仁、佐野雄城、半田昌宗、三村壮太郎、清水啓伸、高橋悠之と並んでいる。順位を下げていった加藤大翔は複合で佐藤凌音とクラッシュして両者ともにストップした。トップ以外は付かず離れずな間隔を保つ中、19周目付近から高橋悠之は若干ペースが保てないか徐々に清水啓伸との差が開いていく。20周目、小田優が金子修を複合コーナーでパスし2番手に戻った。また6番手半田昌宗に対して三村壮太郎がパッシングできそうでできない素振りを見せていたが、21周目の複合コーナーでパスし6番手に浮上、前方の佐野雄城に対して追い上げを行っていく。半田昌宗は22周目の6コーナーで清水啓伸にかわされ8番手にドロップした。また3番手金子修は前方の小田優に追いつけないのか少しづつ遅れを見せ始めており、小田優は徐々に単独2番手になる。
23周目、4番手渡部智仁が金子修を6コーナーでパスするが、すかさず複合コーナーで金子修が順位を取り戻す。次の周の1コーナーで渡部智仁は再び金子修のインにノーズを差し込もうとするがこれは失敗、しかし3コーナーで再びインを刺し順位を一つ挙げた。そこに続くように佐野雄城が6コーナーで金子修のインを指すが、金子修はアウト側で粘り順位を死守、しかし複合で再びインを刺した佐野雄城が4番手に上がった。この間に三村壮太郎がこの3番手争いの集団に追いついた。佐野雄城と金子修は25周目の6コーナーと複合コーナーでも順位を入れ替え、そして3番手の渡部智仁が少し後方に対して余裕が余裕ができた。26周目、前方のバトルを静観していた三村壮太郎が6コーナーで金子修に仕掛けるがこれは失敗。それを見た清水啓伸がS字立ち上がりで三村壮太郎のインにノーズを差し込むと、三村壮太郎はアウト側にタイヤを落としスピン、そのままストップした。これにより4番手争いは佐野雄城、金子修、清水啓伸、半田昌宗の4人となった。
28周目、しばらくトップを独走していた堂園鷲だったが、ここで一気にペースが悪化した。単独2番手の小田優がそこに一気に追いついてきた。また単独3番手となっていた渡部智仁の背中を4番手争いの4人が捉え、3番手争いが5人という形になった。29周目、完全に堂園鷲の背中を捉えた小田優は6コーナーでインを刺しトップに浮上、タイヤが厳しそうな堂園鷲を突き放していく。後方の3番手争いは一触即発状態となる中ファイナルラップに突入。3個コーナーで渡部智仁のインを佐野雄城が指したタイミングで目まぐるしく状況は変化し、続く6コーナーやS字、そして複合コーナーで5人のラインが交錯しながら最終コーナーになだれ込んでいく。
そしてチェッカーが振られた。トップは常に落ち着いてレースを戦った小田優がルーキーにして開幕2連勝を獲得。2位は同じくルーキードライバーの堂園鷲、彼はフロントカウルペナルティを受けたが、後方と5.4秒のマージンがあったために順位変化がなかった。3位に最終ラップのバトルを制した佐野雄城が入った。以下清水啓伸、渡部友人、半田昌宗、金子修、野澤勇翔、朝日ターボ、渡会太一がTOP10となった。
1位 小田優
序盤に加藤大翔がぶっちぎっていったときには、彼はYHユーザーなので中盤ぐらいまでには落ちるだろうと考えて無理しませんでした。しかし堂園鷲に抜かれて離されたときには焦りを感じました。タイヤの余力は十分にあり、残りの周回数を考えても最後に一勝負する余力も残せてはいたのですが、流石にあそこまで離されると「そもそも追いつけるだろうか?」と不安になる場面もありました。しかしここで冷静になれたことで、彼のペースが悪化するまで待つことができました。
このOK部門という最高峰カテゴリーでデビューウィンだけでなく2連勝を獲得できたことは本当に嬉しいです。ただただ嬉しいとしか思えないほどです。
2位 堂園鷲
序盤にフロントカウルが内側に入ってしまったので、とにかく全力でプッシュすることだけを考えていました。順位を上げていきトップに立ってからも5秒以上のマージンを作れるように走り続けましたが、最後には序盤のバトルによりタイヤが傷んだようで小田優にかわされてしまいました。ただカウルペナルティが確実なのでパッシングされる際に無理することはなく、彼についていこうと考えました。開幕戦でこの結果はよくできたなと考えていますが、もっと行けたなという感触もありました。
3位 佐野雄城
第1戦よりペースが悪かったです。レース序盤で苦しいかなと感じたので中盤でセーブして後半勝負することを考えたのですが、最後の最後ではついていくのもやっとと言った感じでした。運良く最終ラップの3~4コーナーで仕掛けることができて3位に入れました。第1戦の反省を活かしてS字などでリアが流れないようにセットアップを変更したのですが、序盤に前を走っていた三村壮太郎や、終盤の渡部智仁よりマシンが安定していたので良かったです。2戦連続3位という結果は去年の成績を考えると上出来です。次戦のSUGOではさらなるアップデートを行って優勝したいです。