OK第4戦決勝はいつもより早めの14時45分よりスタート。周回数は28周。一時は太陽が姿を表したものの、昼過ぎから再び空には薄雲がかかり風も出てきたため、幾分過ごしやすくなった印象だ。しかししっかりとエネルギーを蓄えたアスファルトは変わらず熱気を放っている。各車押しがけをしてコースインしていく中、梅垣清のエンジンに火が入らずDNSとなってしまう。さらにローリング中に野澤勇翔がストップしDNS。2台がかけたまま隊列が組まれ、レッドシグナルが消灯した。
ホールショットは清水啓伸が取り、そこに三村壮太郎、佐々木大樹、小田優、佐藤凌音、皆木駿輔、堂園鷲、金子修と続く。1コーナーでは安藤哉翔と渡会太一がクラッシュをして渡会太一はリタイアとなり、さらに5コーナーでもクラッシュが発生し高橋悠之がストップした。OKにしては珍しく荒れた展開で始まった決勝ヒート2周目にはトップ清水啓伸に対し4コーナーで三村壮太郎がパスするが、すかさず5コーナーでクロスを取り清水啓伸はトップを死守。さらに7コーナーで三村壮太郎は清水啓伸に仕掛けるが届かなかった。加えて3番手の佐々木大樹に対し小田優と佐藤凌音が8コーナーでトレイン状態でパッシングを仕掛け、佐々木大樹は5番手にドロップした。3周目、佐藤凌音は小田優を4コーナーでパスし3番手に浮上、さらに同コーナーで皆木駿輔が佐々木大樹をパスすると、佐々木大樹はアウト側に足を落としたか金子修と堂園鷲、更に渡部智仁にもパスされていく。
4周目、トップ清水啓伸と三村壮太郎はテールトゥノーズ、少し離れて佐藤凌音を先頭とする3番手争いとなっている。一時は金子修を交わした堂園鷲だったが、1コーナーで金子修が堂園鷲のインを刺したことで堂園鷲はアウト側にタイヤを落とし渡部智仁にもパスされ7番手にドロップ。5周目に三村壮太郎が再び清水啓伸に仕掛けた。4コーナーでインを指すと、そのまま全力で走る三村壮太郎はじわじわと2番手を突き放して単独トップとなっていく。また5番手を走る小田優に対し4コーナーで皆木駿輔がインを刺した。5コーナーでクロスを取ろうとした小田優だったが一歩届かず6番手に甘んじたものの、翌周の4コーナーで皆木駿輔をパスし5番手に戻った。さらにその皆木駿輔に対し7コーナーで金子修が、9コーナーで堂園鷲がパッシングを仕掛け、皆木駿輔は7番手にドロップした。7周目、しばらく3番手を走行していた佐藤凌音に対し小田優が4コーナーで仕掛け順位を一つ挙げた。さらに堂園鷲が金子修をパスし5番手に上がった。
一時はマージンを築いていた2番手清水啓伸だったが、直後に小田優が迫っている。小田優と佐藤凌音は9コーナーで清水啓伸に仕掛けたが、ここで接触が発生し順位が大きく入れ替わる。2番手に立ったのは清水啓伸、その後ろに堂園鷲、小田優、佐藤凌音、皆木駿輔、金子修、渡部智仁、佐々木大樹らによる大集団が形成、と同時にトップ三村壮太郎と2番手とのギャップが大きく開いた。佐々木大樹は9周目の7コーナーで渡部智仁をパス、渡部智仁はアウト側にタイヤを落とし順位を大きく下げた。10周目、2番手の清水啓伸に堂園鷲と小田優が4コーナーでトレイン状態でパッシングし清水啓伸は4番手にドロップ。その清水啓伸に佐藤凌音が続いてパッシングをはかるが、接触があったか佐藤凌音は直後に皆木駿輔にパス、さらに11周目の7コーナーで金子修にもパスされ7番手にドロップ、直後に佐々木大樹が迫っていた。
12周目、トップ三村壮太郎は独走、2番手争いは堂園鷲と小田優、3番手清水啓伸と4番手皆木駿輔の距離はわずかに開き、その後ろに金子修、佐藤凌音、佐々木大樹、佐野雄城、加藤大翔が並ぶ展開。13周目、金子修が皆木駿輔を捉え9コーナーでパッシング、しかし14周目の1コーナーで皆木駿輔は金子修のインを刺した。金子修は9コーナーで再びインに飛び込んだが、皆木駿輔が続くコーナーで順位を取り返す。堂園鷲の後ろにピタリと付けていた小田優だったが、14周目にペースを調整しているのかわずかにそこから離れてきた。16周目、佐々木大樹を交わしていた佐野雄城が佐藤凌音を4コーナーでパス。また金子修が三度目となる9コーナーで皆木駿輔に並びかけるが、アウト側で粘った皆木駿輔がポジションを死守する。ここで少し遅れを取った金子修に対し佐野雄城が17周目の4コーナーで仕掛け、佐野雄城は6番手に上がった。
18周目、激しいバトルが展開されていたが、ここでようやく落ち着きを見せてきた。かと思いきやこれまでマージンを築いていたトップ三村壮太郎の背中に、堂園鷲と小田優がじわりじわりと近づいてきた。20周目に完全にトップ争いは3台になり、21周目の5コーナーで堂園鷲が三村壮太郎のインに飛び込んだ。トップを守ろうとする三村壮太郎に対し堂園鷲は続く6コーナーや7コーナーでブロックラインを走って牽制、その後フルアタックをかけた。さらに22周目に小田優が4コーナーで三村壮太郎をパス。三村壮太郎は7コーナーでマシンのフロントがぶれていることからもかなり限界の様子で、じわじわと小田優に離されていく。その2番手小田優は堂園鷲の背中を追うが、トップに立った堂園鷲はまるで開幕戦の小田優かのように2位以下を圧倒的なペースで一気に突き放して単独となっていった。これでトップから堂園鷲、小田優、三村壮太郎、清水啓伸、皆木駿輔はそれぞれ単独となった。その後ろ6番手争いは佐野雄城と金子修の2台。24周目に金子修が佐野雄城をパスしたが、続く25周目の4コーナーで佐野雄城が金子修をパス、しかし金子修は更に9コーナーで仕掛けもう一度6番手に立った。また25周目に8番手佐藤凌音を7コーナーでパスしようとした佐々木大樹だったが、これは佐藤凌音がしっかりと抑え順位をキープした。
もはや上位は順位の変動が起こりようがなく、また後方集団もタイヤがかなりきついのか大胆なパッシングを仕掛けるのは難しいか。ファイナルラップの4コーナーで佐々木大樹のインを加藤大翔が刺そうとしたが一歩が届かず、そしてチェッカーフラッグが振られた。
優勝は着実な追い上げを見せた堂園鷲が参戦初年度にして初優勝を獲得。2位は小田優、3位は三村壮太郎となり、以下清水啓伸、皆木駿輔、金子修、佐野雄城、佐藤凌音、佐々木大樹、加藤大翔がTOP10でチェッカーを受けた。
1位:堂園鷲
最高峰カテゴリーを初優勝できてとても嬉しいです。追い上げの展開でしたが、2位に上った段階でトップに立てることを確信しました。トップに立ったタイミングでもタイヤは十分に残っていたので、バトルになることを避けるためここで一気に三村壮太郎を突き放すべくスパートをかけてました。このレースは今までで一番タイヤマネジメントがうまくでき、最後までグリップを保てたことが良かったです。予選まではスタートでのミスがあり、それが反省点ですが、決勝ではしっかりとそこが改善できたことにも手応えを感じています。次戦のAPGは得意なコースなので3連勝を手にしたいです。
2位:小田優
序盤で激しいバトルに参加せざるを得なかったことが失敗でした。そこでタイヤを使わざるを得ず、後半での余力を残すことができなかった、それが今回の敗因です。前に行くことで頭がいっぱいになりヒートアップしてしまいました。タイヤが無くなってからは速さを維持するのに精一杯で、為す術なく堂園鷲に離されました。今回のレースをしっかりと反省して、もっと一つ一つ丁寧に走れるように次のレースは戦っていきたいです。
3位:三村壮太郎
自分の走りではかなりタイヤが余ってしまうことが第3戦で分かったので、第4戦は最初から最後まで全力で走ることを意識しました。トップに立ったあとは後ろのバトルもあり距離が離れたことがラッキーでした。ただ、そのような走りを意識してもタイヤが残ってしまい、熱い路面温度と合わさってタイヤに熱が蓄積し、堂園鷲や小田優よりも早いタイミングで熱ダレを起こしてしまいました。今回は週末を通じて自分のスピード不足を感じていたので、それを踏まえれば3位という結果は上出来ですが、やはり勝つにはあと一歩が足りません。次戦のAPGはこれまで結果を残してきたサーキットですが、今年はBSタイヤにスイッチしたので、それがどのような結果に繋がるのか今から楽しみです。