OK第5戦決勝ヒートは28周にて行われる。本来は9時30分からのスタート予定だったが、3分遅れの9時33分にスタートした。本日の御殿場は昨日の昼までと同じような快晴で、強い日差しがアスファルトを温めている。金子修を先頭とする隊列が組まれ、レッドシグナルが消灯した。
ホールショットを獲ったのは金子修。そこに佐々木大樹、佐野雄城、小田優、熊谷憲太、鈴木斗輝哉、朝日ターボ、山田杯利の順で各車なだれ込んでいく。昨日の予選ヒートで強さを見せた鈴木斗輝哉が最終コーナーで熊谷憲太をパスするが、それ以外に先頭集団では大きな動きが見られない。2周目、5コーナーで先程パッシングを仕掛けた鈴木斗輝哉に対し熊谷憲太が並ぶと、そこに朝日ターボも続き鈴木斗輝哉は2つポジションをダウン。さらにその直後では山田杯利を交わした加藤大翔に対し半田昌宗が最終コーナーで仕掛け8番手に浮上した。また8コーナーでは3台がストップする多重クラッシュが発生した。
4周目、隊列はトップから金子修、佐々木大樹、佐野雄城、小田優、わずかに離れて熊谷憲太、朝日ターボ、鈴木斗輝哉、半田昌宗、山田杯利、加藤大翔と並んでいる。この周の最終コーナーで金子修のインを佐々木大樹が刺すと、さらに5周目で佐野雄城をパスした小田優も金子修をパス。これでわずかに離れていた熊谷憲太がトップ集団に追いついた。7周目、金子修はペースが上がらないか佐野雄城に4コーナーでかわされ4番手にドロップ。熊谷憲太も金子修のポジションを狙う素振りを見せている。8周目には小田優が佐々木大樹を3コーナーで交わすと、そのままアタックを掛けて後方を一気に突き放していく。佐々木大樹もペースが上がらないか9周目の5コーナーで佐野雄城にパスされると、その後方から金子修を交わした熊谷憲太が近づいてくる。
10周目、トップ小田優は単独になりつつあり、2番手争いは佐野雄城、佐々木大樹、熊谷憲太、金子修の4台、そこから離れて朝日ターボ、山田杯利、加藤大翔、渡会太一、半田昌宗と続いている。5コーナーで佐々木大樹を熊谷憲太がパスし3番手に浮上した。このあたりから加藤大翔のペースが上がってきた。加藤大翔は10周目、11周目と1台ずつパッシングを決めて6番手争いの先頭に立つと、じわじわと前方集団に近づいていく。12周目には少し苦しい動きを見せる佐々木大樹を3コーナーで金子修がパスするが、佐々木大樹は5コーナーでもう一度順位を取り戻す。更に熊谷憲太が佐野雄城を8コーナーでパスし2番手に浮上した。
15周目、トップ小田優は単独。2番手争いは熊谷憲太と佐野雄城の二台に絞られ、4番手争いは佐々木大樹と金子修、そこに加藤大翔と渡会太一がそれぞれ間隔が離れながらも明らかに前方に追いついてきた。佐々木大樹は金子修の追撃を防ごうとブロックラインを走っているが、16周目の3コーナーで金子修が佐々木大樹を交わし4番手に立つと、続いて加藤大翔も4コーナーで佐々木大樹のインを刺した。明らかにペースの良い加藤大翔は17周目の5コーナー、18周目の1コーナーと4コーナーで金子修のインにノーズを差し込むが金子修のブロックに遮られる。しかしここでラインが乱れた金子修を5コーナーで交わし加藤大翔は4番手に浮上した。
19周目、6番手佐々木大樹の後ろには単独で渡会太一、その後ろでは山田杯利、半田昌宗、そしてセカンドチャンスヒートから上がってきた清水啓伸の3人がいるのだが、清水啓伸がトップ小田優よりもコンマ5秒速いペースで猛烈な追い上げをかけている。また2番手の熊谷憲太のペースが目に見えて落ちてきた。20周目の8コーナーで佐野雄城が熊谷憲太をパスすると、熊谷憲太はもう佐野雄城のスピードに付いていくことができず、加藤大翔がそこに一気に迫っていく。また21周目には7番手を走っていた渡会太一がトラブルかペースが明らかに落ち、3コーナーで山田杯利と清水啓伸に、そして8コーナーで半田昌宗にもかわされていく。
22周目、熊谷憲太を捉えた加藤大翔が3コーナーでこれを交わし3番手に浮上すると、みるみる前方の佐野雄城に追いついていく。24周目には遅れを見せる熊谷健太を3コーナーで金子修がパス。さらに5コーナーでは加藤大翔が佐野雄城を交わし2番手に浮上した。明らかにペースの良い加藤大翔がだが、トップ小田優とは数秒の差があり追いつくには周回数が足りないか。また後方では山田杯利をパスした7番手の清水啓伸が4番手争い集団にぐんぐんと追いついていき、その後ろでは5コーナーで半田昌宗が山田杯利を抜き8番手に立った。
26周目、佐々木大樹がバックストレートで熊谷憲太を抜き去り5番手になるが、続く4コーナーで熊谷憲太と清水啓伸が佐々木大樹のインを並んで刺した。清水啓伸はさらに5コーナーで熊谷憲太をパスし5番手に浮上。このバトルで若干4番手金子修と清水啓伸との間隔が空いたが、厳しい動きを見せる金子修に対し清水啓伸は安定した走りをしている。
ファイナルラップ。トップ小田優と加藤大翔の間隔は広く、もう追い抜きは不可能か。3番手佐野雄城と金子修の間隔も若干開いており、そこに清水啓伸が強烈な勢いで追い上げをかけている。後方ではグリップしていない動きを見せる熊谷憲太と佐々木大樹に対し半田昌宗が追いつき、さらに山田杯利も迫っている。4コーナーで熊谷憲太に対し捺さき第きと半田昌宗がインを刺してパス。さらに清水啓伸が金子修の背中を完全に捉えたが、金子修は明らかな牽制の動きでポジションを死守している。そしてチェッカーが振られた。
優勝は序盤に一気に逃げを見せた小田優。2位には追い上げを見せた加藤大翔が自信初のOK部門での表彰台、そしてYOKOHAMAタイヤ今季初表彰台を獲得。3位は佐野雄城が連続表彰台記録を伸ばした。以下金子修、清水啓伸、佐々木大樹、半田昌宗、熊谷憲太、山田杯利、高橋悠之の順でチェッカーを受けた。
1位 小田優
昨日の予選や今日の公式練習までセッティングに迷いがありました。予選まではなにか一つが足りないといった感じのスピードで、その何かがわからず不安も感じていましたが、博打的に今回のセットを行ったらそれが見事にハマりました。序盤にトップに立ちましたが、前方の佐々木大樹のペースがおもったより速くなかったので、ここでトップに立って一気に後方にマージンを築こうと考えました。予想通り間隔が広がったので、あとは後方との距離を見ながらペースを調整していました。終盤で加藤大翔が迫ってきたときは、僕としても意外と辛いペースでこれ以上タイムを落とすことはできないギリギリだったのですが、残り周回数を見ても追いつかれることはないはずだと考えていました。まだまだやれることは残っているので、更に速くなって次戦に挑みます。
2位 加藤大翔
予選では一気に天候が曇りになったことで路面温度が20℃ほど下がり、これでタイヤが適応しなくなってしまったため想定以上に減らしてしまいました。ただ決勝は路面温度も上がるので大丈夫だろうと考えていました。スタート順位に関係なく上がっていける自信があったので、表彰台は固いだろうと予想して望みました。3番手ぐらいまで上がった時点でトップとの間隔が広がっていたので、優勝は厳しいが2位までは行けるだろうというように思いました。残り6周ほどでフルプッシュして追い上げましたが、レースが終わってみると残り10周ぐらいからフルプッシュしても良かったのかもしれないと思っています。
2位という結果を得られたことは素直に嬉しいので、これで良かったと思います。ただ「初表彰台は初優勝」という形にしたかったので悔しさもあります。次のレースでも気温や路面温度が高ければYOKOHAMAタイヤに勝機が巡ってくるはずなので、優勝するチャンスが残されているはずです。
3位 佐野雄城
序盤から小田優などに比べてペースが悪く苦しい状況でした。ここまで連続表彰台を獲得しているのでいい流れではありますが、あとひとつが足りていない印象です。セットはもちろん、予選からの組み立てなど考え直す必要があります。3位という結果は悔しいですし、小田優も加藤大翔、そして清水啓伸も非常に早かったので、第6戦に向けて調整していきます。