OK第6戦決勝ヒートは予定時刻から1分遅れの14時51分にスタート。周回数は28周。昨日の午後と同様に空はどんよりと雲に覆われ、路面温度の急激な低下が認められる。さらに低路面温度を期待する陣営の願いが届いたのか、ほんの僅かではあるが雨粒も落ちてきた。渡部智仁のエンジンがかからず、ピットに戻って押しがけを試みるが、明らかに何かがおかしい様子でDNSとなった。さらに竹本優月輝も速度が上がらずスローペースで隊列についていくことができない。スタート前から実質的に2台が戦線離脱した状況で、シグナルがブラックアウトした。
ホールショットは加藤大翔が決め、そこに佐野雄城、半田昌宗、野澤勇翔、清水啓伸、熊谷憲太、渡会太一と続く。半田昌宗はプッシングがあったか3コーナーでオーバーランを喫しトップ集団から離脱。また加藤大翔はスタートダッシュを決め後方を引き離しにかかっている。2周目、3番手となった野澤勇翔が佐野雄城を4コーナーでパスするが、3周目の5コーナーで佐野雄城が順位を取り返すと、4周目の4コーナーで野澤勇翔を清水啓伸が交わした。5周目には野澤勇翔に対し熊谷憲太と渡会太一が並んでパッシングを決め、野澤勇翔は6番手までドロップ。その直後に金子修が迫り、少し離れて梅垣清、鈴木斗輝哉、高橋悠之、三村壮太郎と並んでいる。
6周目、一時マージンを築いた加藤大翔を佐野雄城と清水啓伸が捉えた。2台は3コーナーで加藤大翔をパスしトップが入れ替わると、徐々に後方を引き離しにかかった。若干の遅れを見せている加藤大翔は7周目の3コーナーで熊谷憲太にパスされ、5番手争いのトップに立っていた金子修に9周目に追いつかれた。11周目に金子修が加藤大翔を3コーナーアウト側からまくると、12周目の3コーナーで野澤勇翔、そして5コーナーで渡会太一、さらに13周目の3コーナーで高橋悠之も加藤大翔を追い越した。
14周目、トップから佐野雄城、清水啓伸、熊谷憲太と並ぶが、チャンスを狙う清水啓伸に対して熊谷憲太は少しだけ距離をおいて前2台の様子を伺っているように見える。4番手争いは金子修と野澤勇翔がテールトゥノーズ、渡会太一と高橋悠之がわずかにマージンを持っており、8番手争いが加藤大翔、三村壮太郎、梅垣清となっている。梅垣清は3コーナーで三村壮太郎をパスし9番手に浮上した。また同周回の最終コーナーで上野晴紀と皆木駿輔がクラッシュしストップした。8番手争いの中で好調を見せているのが梅垣清で、16周目の4コーナーで加藤大翔をかわすと高橋悠之に迫っていく。
17周目、ついに3コーナーで佐野雄城のインを清水啓伸が刺しトップが入れ替わる。18周目には野澤勇翔が金子修を1コーナーでパスして4番手に浮上。また高橋悠之にパスされていた渡会太一のインを梅垣清が3コーナーで刺し、渡会太一は8番手にドロップした。このバトルにより4番手争いが野澤勇翔、金子修、高橋悠之、梅垣清、渡会太一、三村壮太郎、佐々木大樹の7台となった。
19周目、4コーナーで清水啓伸のマシンがはね、立ち上がりでマシンをスライドさせながらアウトいっぱいにはらんだ。どうにかポジションを死守しようと粘る清水啓伸に対し5コーナーで佐野雄城が並びかけると2台は接触、清水啓伸はスピンアウトしストップしてしまう。この機に乗じた熊谷憲太が8コーナーで佐野雄城を刺しトップに立ったが、20周目の4コーナーで再び佐野雄城がトップを奪い返した。
21周目、野澤勇翔が先頭の3番手争いに動きが出た。4番手の金子修に対し4コーナーで高橋悠之がパスすると、梅垣清も続いて金子修を交わす。梅垣清は22周目の4コーナーで高橋悠之に仕掛けるがこれは失敗、5コーナーで高橋悠之は牽制をかけたが、続く最終コーナーで梅垣清が高橋悠之を交わして4番手に浮上した。
24周目、19周目のトップ争いの件と思われるプッシングの警告がホームストレートでトップ佐野雄城に対して提示された。佐野雄城と熊谷憲太はマシンをフルプッシュさせているが、このあたりから熊谷憲太が佐野雄城にスピードについていけなくなってきた。またほぼ最後尾スタートであった小田優が順位を上げてきており、この時点で9番手に立っていた。小田優は25周目に金子修、27周目に三村壮太郎をパスし7番手に浮上。ファイナルラップでは5番手高橋悠之と佐々木大樹がテールトゥノーズ状態。高橋悠之は4~5コーナーでブロックし、佐々木大樹は入ることはできない。
そしてチェッカーが振られた。チェッカー順は佐野雄城、熊谷憲太、野澤勇翔、梅垣清、高橋悠之、佐々木大樹、小田優、三村壮太郎、金子修、渡会太一となったが、多数のペナルティがあったため正式結果は以下の通りとなった。
- 熊谷憲太
- 野澤勇翔
- 梅垣清
- 高橋悠之
- 小田優
- 三村壮太郎
- 金子修
- 渡会太一
- 佐野雄城
- 佐藤凌音
1位 熊谷憲太
TTはうまく行ったのですが、第5戦の予選でタイヤを使いすぎてしまった結果決勝では中盤に限界を迎えました。この反省を元に第6戦を戦ったのですが、結局最後にはトップを走っていた佐野雄城についていくことができなくなったので反省しています。しかしスポット参戦でしたが、普段のMAXのレースとはまた違った多くの学びがあり、非常に楽しい週末でした。今後のレースに向けて自信が付きました。中盤でトップ2が争っているのを3番手から観察していたのですが、そのうちやり合うかもしれないという雰囲気が出ていたことはありましたが、自分の速さも少し足りていなかったので、もっとタイヤの使い方などを勉強したいです。
結果として優勝を手にしたことは本当に嬉しいです。OKに出場している選手はみな強敵ですし、考え方やタイヤマネジメントのレベルも高いです。そこで勝てたことにホッとしています。最も嬉しかったことはチーム代表である力哉さんに喜んでもらえたことです。今回の結果を元に更に走りを進化させて、来年の全日本に参戦したいです。
2位 野澤勇翔
練習走行まではタイムもよく自信があったのですが、いざレースになるとTTでも第5戦予選でも苦戦しました。これをチームが解決してくれたので、応援してくれる皆さまを含めて感謝しかありません。たくさんのアイデアをチームが出してくれたお陰でスムーズにレースウィークを運ぶことができました。僕にとってOK初表彰台であり、シーズン最上位を獲得できたことはとても嬉しいです。やっと自分の速さが結果に繋がりました。
レースはスタートが決まり、そこからひたすらプッシュしていきました。第5戦ではむしろタイヤを余らせてしまったので、今回は全力で走りきりました。次戦の茂原はFS-125のときに優勝しているサーキットなので、表彰台の頂点を目指します。
3位 梅垣清
初表彰台を獲得できました。今シーズンは新品タイヤでの速さに課題があり、レースでは安定していてもTTの順位が悪く苦戦していました。今回もTTは22位でしたが、予選で順位アップできたことがまず自信に繋がり、決勝に向けて強い気持ちで挑むことができました。
スタートが決まって順位を大きく上げることで、まず気持ちの余裕が生まれました。また先輩である高橋悠之の後ろについて順位を上げていけたことも良かったです。最後には野澤勇翔のペースについていけなかったことは悔しいですが、総合定期に見ても次戦への自信に繋がりました。チームやメカニック、両親、またトレーニングを一緒に行った堂園家に感謝しています。体力や技術面をさらに向上させて、1位を目指していきます。