2023年から始まったAUTOBACKS GPR Karting SeriesはJuniorクラスから始まった。フルサイズのカートフレームにIAME X30 Jrエンジンを搭載、指定タイヤはDUNLOP SL22で、最低重量は145kgのジュニアドライバー用カテゴリーだ。
タイムトライアルの結果によりグリッドが決定され、ポールポジションは澤田龍征が獲得。2番手に酒井龍太郎、3番手は白石麗、4番手は坂野太絃と並び、この開幕戦には全15台がエントリーした。11時10分にレーススタートし、鈴鹿サーキット国際南コースを16周にて競われる。
かなりスピードを落としたローリングから好スタートを切ったのが酒井龍太郎。そこに澤田龍征が続き、スタート直後から3番手以降を引き離す。3番手争いの先頭は白石麗が取った。澤田龍征は2周目の3コーナーで仕掛けトップを取り返したが、酒井龍太郎も澤田龍征も5周目まで毎周3コーナーで順位を入れ替えるバトルを展開。
トップ2の争いに加わるべく3~7番手の選手たちはバトルを控え、前方に近づこうとしているが、トップ2のスピードまでは至らないかその差は縮まらない。3番手争いの中でスピードを見せるのが6番手の松井沙麗。途中でファステストラップを記録しながら前方に迫っていくが、5番手の関口瞬はブロックラインで牽制をかけている。しかし中盤ヘアピンで松井沙麗が関口瞬をパス、そこに坂野太絃も続き関口瞬は2つ順位を落とした。
前半のバトルが落ち着いた以降はトップ澤田龍征の後ろにピタリと付けていた酒井龍太郎だが、残り4周でその差が少し開いた。また5番手の松井沙麗がペースがよく、3番手4番手に明らかに追いつきを見せ、残り3周の段階で3台はワンパックになった。
残り2周。少し間が空いていたトップ2だが、酒井龍太郎が1コーナーで強烈なツッコミをみせ、そのまま2コーナーで澤田龍征のイン側に飛び込んでトップに浮上。酒井龍太郎は3コーナー、25R、ヘアピンでブロックラインを走ると、ヘアピン立ち上がりでわずかに遅れを見せた。この隙をついた澤田龍征がシケインで飛び込みトップを奪取。ホームストレートのイン側を走る澤田龍征に対し、アウト側からまくってもう一度トップに立ったのは酒井龍太郎。さらに2コーナーでクロスを取った澤田龍征が3コーナーで再びトップに立つと、ヘアピン、シケインでこの2台は目まぐるしく順位を入れ替える。最終コーナーで決死の飛び込みをした酒井龍太郎だったが、きれいなクロスラインで立ち上がってきた澤田龍征が完全に抜け出した状態でチェッカーを受け、AUTOBACKS GPR Karting Seriesで最初の優勝を手に入れた。2位は酒井龍太郎、3位は白石麗となった。