AUTOBACKS GPR Karting Seriesの最高峰カテゴリーOKクラスは、タイヤこそDUNLOPのCIK公認ミディアムコンパウンドタイヤDGMのワンメイクだが、エンジンはCIF-FIA公認のOKエンジンを選択可能。ほぼ全員がTM製を搭載する中、野澤勇翔と髙田陽大のBirelARTユーザー2人だけがIAME製エンジンを選択していた。最低重量は今年からのFIA-KARTINGルールに則り、去年より5kg重い150kgとなった。
エントリー数が23台となったため、TTの後に「スーパーポール」という新品タイヤを使用してのTT上位8名が参加する特別タイムアタックが実施された。その結果ルーキードライバー土橋皇太が最後の最後に47.520秒を叩き出しRd.1ポールポジションを獲得。2番手以降には鈴木悠太、鈴木斗輝哉、中井陽斗が並んだ。
少々ペースが速めのローリングからスタートが切られた。周回数は最も長い20周が設定されている。
ポールの土橋皇太がホールショットを取ると、鈴木悠太、鈴木斗輝哉、熊谷憲太が続いていく。2コーナーでは後方集団でクラッシュが発生し、山岡宗磨と井上隆太がストップ。熊谷憲太は3コーナーで中井陽斗に、ヘアピンでクインティン・ルーと野澤勇翔にパスされ7番手にドロップ。さらに野澤勇翔が先頭の6番手争いがシケインで横並びになると、三村壮太郎・熊谷憲太・中里龍昇がシケイン立ち上がりで接触してスピンアウト。三村壮太郎と熊谷憲太はほぼ最後尾まで順位を大きく落としつつもコース上に復帰できたが、中里龍昇はここでストップした。また加納康雅が車検場に車を戻した。2周目には中団を走っていた佐藤琉葵と落合蓮音が25Rで接触。2台はコースアウト後に復帰したが、落合蓮音はここでレースをやめた。
多数の接触が起こる中、かなりの接近戦を見せるトップ5が3周目の1コーナーで動く。トップ土橋皇太のインを鈴木悠太が刺すと、2コーナーのアウトから鈴木斗輝哉がまくり、土橋皇太は失速。そこに中井陽斗がバックストレートで並び3番手に浮上、クインティン・ルーも25Rでインを差したことで土橋皇太は一気に5番手までドロップ。少し離れて野澤勇翔と岸風児が6番手争いとなっている。
トップに立った鈴木悠太は2番手以降を一気に引き離していく。少し遅れた鈴木斗輝哉に対し中井陽斗が2~3コーナーで差し2番手に浮上。そこにクインティン・ルーも続くが、鈴木斗輝哉がこれを防いた。クインティン・ルーを4コーナーでかわした土橋皇太だったが25Rで再び2台の順位が入れ替わると、トップ3との間隔が開き、さらに野澤勇翔が土橋皇太の背中を捉えた。
レース中盤に差し掛かると、序盤ペースが悪かった土橋皇太が徐々にスピードを上げていき、クインティン・ルーの真後ろにピタリと付けると12周目の3コーナーでパスし4番手に浮上、単独4番手となっていく。さらに鈴木斗輝哉もマシンをプッシュし、13周目の4コーナーで中井陽斗を抜いて2番手に立った。鈴木斗輝哉は明らかなハイペースで中井陽斗を引きはがすと、トップ鈴木悠太に迫っていく。鈴木悠太もペースを上げタイムギャップを維持しようとしているが、鈴木斗輝哉がそれを上回るペースで迫っていく。ファイナルラップに鈴木斗輝哉は鋭いブレーキングでその差を詰めていくが僅かが届かず、優勝は鈴木悠太が手にした。2位に鈴木斗輝哉、3番手フィニッシュは中井陽斗だったがペナルティを取られたため、3位表彰台には土橋皇太が乗った。