AUTOBACKS GPR Karting Seriesは1day 2Race制を取るが、2レース目のグリッドは1レース目のベストラップ順で決定される。JuniorクラスRd.2のポールポジションを取ったのは酒井龍太郎、セカンドグリッドは松井沙麗で、2列目には楠本心真と澤田龍征が並んだ。この4人はRd.1ベストラップのタイム差がわずか0.11秒以内という超接戦を演じていた。
ゆっくりとしたローリングからレーススタート。好スタートを決めた酒井龍太郎がホールショットを決め、2番手に楠本心真、3番手に元田心絆が続く。松井沙麗はアウトに押しやられつつも4番手に踏みとどまった。上位スタートで少々遅れたのは澤田龍征で、7番手まで下がっている。楠本心真が素早い仕掛けを見せて3コーナーでトップに浮上すると、さらに松井沙麗も3番手にアップ、その後ろには坂野太絃も続いている。2周目3コーナーで酒井龍太郎がトップに戻り、最終コーナーで松井沙麗が楠本心真をパスして2番手に帰ってきた。
スタート直後に遅れを見せた澤田龍征だったが、TOP5のバトルもあり3周目には追いつき、ヘアピンで坂野太絃をパスして5番手に立つと前方に迫っていく。上位集団のペースはほとんど差がなく、TOP8が一団となる状況になってきた。速度差がない状況でなるべく優位に立とうと、トップの酒井龍太郎と松井沙麗が毎周順位を入れ替えていく。じわじわと順位を上げていた澤田龍征がこれで一気に追いつき、5周目ヘアピンで楠本心真のインに入った。アウト側で粘る楠本心真とイン側の澤田龍征がヘアピン出口で接触、2台のマシンは大きく跳ね、楠本心真がスピン。楠本心真は再スタートを切れたが最後尾まで下がり大きく遅れてしまった。
レース中盤になるとトップの酒井龍太郎だが絶対的なスピードが無いか松井沙麗の猛追をブロックする展開となってきた。上位集団で最もペースが良いのが澤田龍征で、先程の接触で若干遅れを見せたものの、TOP2の攻防戦もあることで一気に追いついていく。4番手の坂野太絃もそこに加われる距離まで接近していく。澤田龍征は3コーナーで松井沙麗をパスして2番手に上がり、酒井龍太郎の背中を捉えた。10周目の1コーナーでインに入った澤田龍征だったが酒井龍太郎がアウトで粘り順位を死守。これで後方との距離も一気に迫り、4番手以降の順位も入れ替わっていく。
11周目、1コーナーでブロックラインを走る酒井龍太郎はバックストレートでもイン側を走行。そこにピタリと付ける澤田龍征と松井沙麗だったが、バックストレートの後半で酒井龍太郎が謎の急減速をし、そこに澤田龍征と松井沙麗が追突。これにより元田心絆が松井沙麗を交わして3番手に浮上したが、松井沙麗はヘアピンで素早く順位を取り返した。これをきっかけに4番手争いが激化。順位を守ろうとする元田心絆に対して関口瞬や白石麗らが激しいサイドバイサイドのバトルを繰り広げたことで、3番手との間隔が開いていった。
残り3周となりトップ酒井龍太郎は先程の接触で開いた0.5秒のマージンを持っていたが、酒井龍太郎が52.758秒のファステストを記録する圧倒的なスピードでその差を詰めていく。ファイナルラップにブロックラインを走る酒井龍太郎に対して25Rで鼻先をねじ込んだ澤田龍征。澤田龍征はそのまま一気に差を広げるとトップでチェッカーを受けた。松井沙麗もそこに迫るが最終コーナーで飛び込むことはできず、2番手チェッカーは酒井龍太郎。3番手は松井沙麗となった。
しかし澤田龍征と松井沙麗はフロントカウルがズレており+5秒のペナルティが加算。チェッカー後に澤田龍征のカウルがズレていることを目視した酒井龍太郎は勝利を確信しガッツポーズを見せたが、酒井龍太郎は危険行為によりヒート失格の処分が下された。これにより4位チェッカーの関口瞬が優勝となり、2位は白石麗、3位は元田心絆が獲得した。