レーシングカートはそのシンプルな構造のために、セッティング項目が前後のアライメントを除くと剛性コントロールが主となる。メジャーなセッティングといえばスタビライザーの取り外し、サブシートステーを緩める、そしてリアシャフト交換。どれも非常に効果が高く操縦性を大きく変化させるセッティングではあるが、より変化させたいときはどうすればよいのだろうか。その答えは三村壮太郎のフレームにあった。 <img class="aligncenter size-medium wp-image-1761" src="https://paddock-gate.com/wp/wp-content/uploads/2016/07/IMG_1147-600x400.jpg" alt="IMG_1147" width="600" height="400" /> <img class="aligncenter size-medium wp-image-1762" src="https://paddock-gate.com/wp/wp-content/uploads/2016/07/IMG_1146-600x400.jpg" alt="IMG_1146" width="600" height="400" /> フレームの左右からシートに向けステーを設置し、さらにシート底面のボルトを外すのだ。これによりセンタークロスメンバーにかかる力がなくなり、フレームは設計された動きよりも大きくねじれることとなる。その昔に外国人ドライバー、とくにシャーシが硬いCRG系のドライバーが、リアタイヤのリフト量を稼ぐためにクロスメンバーを切断していたことがあった。フレームを切断してしまうと元に戻すことは困難となるが、このセッティングはそれに類似した効果を復元可能な状態で発揮することが可能である。瑞浪の練習走行中に三村壮太郎がテストしていたこのセッティング、結局のところ瑞浪でも茂原でもお蔵入りとなっていたが、一度試してみる価値はあるだろう。 <img class="aligncenter size-medium wp-image-1779" src="https://paddock-gate.com/wp/wp-content/uploads/2016/07/IMG_3663-600x400.jpg" alt="IMG_3663" width="600" height="400" /> ちなみに、さらに手軽な方法は第5戦決勝で小暮ひかるが行っていた。センタークロスメンバーとフロアパネルをフリーにしていたのだ。CrocPromotionはフロントの入りがいい分だけリアが軽い傾向にあるため、小暮は逆にフロント周りのテンションを落とし帳尻を合わせていたのだと考えられる。こちらはセンタークロスメンバーに止まっているフロアパネルのボルトを外し、タイラップで軽く縛るだけで行える簡単なセッティングとなっている。