ダンロップがレーシングカート用の新型レインタイヤに関する特許を出願していることが判明した。
1.早期に適正温度まで温まるタイヤ
中央に交互に重なる太いトレッドゴムと、左右に浅い角度をつけ刻まれた溝、そしてちょうど全体を1/3に区切るように彫られた極端に狭い溝が特徴的なパターン。中央から交互に左右へと伸びたトレッドゴムに切り込みを入れることにより小さな横方向の力でもゴムが変形、タイヤの発熱を促進させている。またさらに、コーナリング中に大きな横Gがかかった際には、溝が狭いためにトレッドゴムが密着、トレッド剛性が一時的に向上するために高い操縦安定性を確保するという設計となっている。
2.優れたウェット性能、及び、操縦安定性能を発揮させるタイヤ
どちらかというとレーシングカート用よりも乗用車用スポーツラジアルタイヤに近いような印象を受けるトレッドパターン。おそらくその印象は、中央に刻まれた縦溝によるものだろう。縦溝により排水性は向上するものの、横方向の力に弱くなるため操縦安定性が低下しやすいという問題があるが、それを解消するためのパターンとして特許が申請されている。横方向に彫られたサイプ(細かい溝)によりトレッド面にたわみを発生させグリップを確保、また斜めに刻まれた溝により排水を行い、端部を湾曲、サイプと連結することによりタイヤ外側のトレッド剛性を確保、グリップ力を向上させる狙いがある。
両パターンはそれぞれ2014年10月ならびに2015年1月に特許出願されており(出願から公開までは1年半の期間が設けられる)、近いうちに全日本カート選手権最高峰クラスに投入される可能性が十分にあるだろう。