レーシングカートのリアアクスルシャフトの直径は、DD2用やTIAなどの一部のフレームを除きΦ50となっている。タイヤの性能向上やレースのハイスピード化に対応して、時代とともに太くなっていったのだが、ここに来て「あえてΦ40のリアシャフト」を搭載するマシンが2024年の全日本カート選手権/GPR最高峰のOK部門に登場した。しかも6月9日のフェスティカサーキット瑞浪で行われた第4戦では3位表彰台を獲得し、確かな結果と速さを残した。
20年ほど前に廃れたテクノロジーはなぜ今になって蘇ったのか?その意図とは。
現代に蘇った20年前のテクノロジーの意図
6月9日に走った全てのレーシングカートの中で、K.SPEED WINからエントリーする菊池貴博のDrago Corseだけに、Φ40リアアスクルシャフトが搭載されていた。CRGの黒いリアシャフトに、多くの人の倉庫をひっくり返して探し出したであろうホイールハブやブレーキハブ、スプロケットハブ、かなりレアであろうΦ40用のウォーターポンププーリーを取り付け、昔懐かしの匂いのするリア周りを形成していた。
この特殊なマシン作りの意図について、K.SPEED WIN代表の川口慶大氏は次のように話す。