ヤマハ発動機が2027年末をもってカート事業から撤退を発表
2025年6月18日、ヤマハ発動機は2027年末をもってカート事業から撤退すると発表しました。
ヤマハ発動機が2027年末でカート事業から撤退
ヤマハ発動機株式会社、グループ企業の「ヤマハモーターパワープロダクツ株式会社（YMPC）」および「株式会社菅生」は、2027年12月末でレーシングカート事業から撤退することを決定しました。
2009年にはヤマハ発動機株式会社からYMPCへとカート事業を移管、2023年4月には事業の一部を株式会社菅生へと移管しています。現在はYMPCがレーシングカート用エンジンの開発・製造を、株式会社菅生がエンジンや部品の販売、レース普及、渉外、広報宣伝などを担っています。（参考記事）。
ヤマハ発動機株式会社は中期経営計画においてポートフォリオ経営を進めており、この一環としてカート事業からの撤退を決定しました。今後は既存事業や新たな成長事業へと経営資源を集中させます。
YMPCが行っていたカートエンジン製造は2026年中に終了し、株式会社菅生で行っているエンジン販売およびレース/普及活動は2027年末をもって終了します。なお、純正部品並びに営業部品（一部を除く）は2028年以降も一定期間継続販売されます。
レーシングカート黎明期から歩んできたヤマハ
ヤマハは日本のレーシングカート黎明期から活動してきた国産メーカーの一つです。1973年にテスト販売を開始したレッドアローRC100の登場を皮切りに、SLカートクラブの設立や各地でのSLライセンススクールを開催。スポーツランドSUGOでの国際レース開催や、ヤマハワークスの結成も行い、積極的な普及活動と相まって国内におけるレーシングカート人口の増大に貢献しました。
1976年に初のカート専用エンジンとなるKT100Sを発売し、1978年には現在のKT100SECとほぼ同じ形であるKT100S後方排気モデルが発売。また同年には初心者の費用軽減を目的にSLタイヤの認定も開始されました。フルカウルカートF100、スクーター用エンジンを搭載したレンタルカートFK-9、ミッションカートのYZ125SKやYZ80SK、今に続くSuperWinforceやSuperWinforce TIAといった名作シャーシ、レンタルカートなどに使用されるMZ200-RKエンジンなど、多くの製品を発売してきました。
ヤマハのカート事業撤退により、入門者はもちろん、生涯スポーツとしてレーシングカートを楽しむベテランホビーカーターを支え、日本の大多数のカーターを走らせているKT100Sエンジンが姿を消すことになります。
全国のSLカーターが集うSLカートミーティングは今年第49回大会を開催し、2026年に開催されれば第50回の節目を迎える予定です。半世紀以上の歴史をともに歩んできたヤマハのカート事業撤退は、レーシングカート業界に大きな衝撃を与えます。
追記：SLカートミーティングは継続
2025年6月19日にSLOより「2027年以降のSLカートミーティング継続」が発表されました。
【SLO】2027年以降もSLカートミーティング継続を発表 – Paddock Gate ｜レーシングカートWEBメディア
SLOは2027年以降もSLカートミーティングを継続していくと発表しました。 ヤマハ発動機のカート事業撤退を受けKTエンジンの販売が終了しますが、SLOはこれまでと同様の体制でSLレースを継続、スポーツ&レジャーとしてのカートの普及発展に取り組みます。
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