決勝日の今日は今週末で最もよく晴れており、遠くの山までくっきり見渡せるような素晴らしい天気だ。しかしその一方で風が強く気温も上がっていないので、OK第1戦決勝が行われる9時40分の時点でも肌寒さを感じてしまう。
1回のディレイドを挟んだのちに、ついに世界最速となるカートレースの決勝ヒートにグリーンフラッグが振られた。ホールショットを決めたのは2朝日、その後ろに20澤田が来るがすかさずクロスラインで5高橋が2番手を獲得する。その後ろには23環、13三村、22井本という順だ。DL勢よりも初動がいいBSを履く5高橋はそのまま8コーナーで2朝日をパスしトップに立つと、今のうちだといわんばかりにぐいぐいと2朝日を引き離そうとしていく。またその後ろには12冨田を先頭とする第2集団が形成され、目まぐるしく順位が入れ替わっていく。YHマイスター13三村は序盤からかなり攻めの姿勢を見せるが、高速コーナーに難があるのか最終~4コーナーまでに遅れをとっており、3周目にして22井本にパスされたのをきっかけに後方集団へと吸い込まれていく。またさらに同じYHを使用する6大草がこの周回でトラブル発生かピットイン。6周目、順位はトップ5高橋、2朝日、離れて20澤田、23環、22井本、3名取、一歩離れて25佐藤、17野中、9佐々木となる。17野中は4コーナーで25佐藤をパスして7位に浮上。またその後ろの第3集団トップに、予選DNSを喫した85佐藤が上がってきた。明らかにタイムが速い85佐藤は見る見るうちに前方集団へと追いついていく。トップの5高橋にわずかに後れを取っていた2朝日だが、じわじわと追いついていき10周目の4コーナーでトップを奪取する。5高橋は冷静に後方を確認するが、20澤田との差は十分に確保されている。5高橋はしばらくこのまま2朝日の後ろにじっとついていく展開をとる。11周目あたりから猛烈なバトルを展開し始めたのは、6番手の17野中、23環、25佐藤、そして上がってきた85佐藤だ。特に85佐藤のペースがよく他をパスしていくのに乗じて激しく順位が変動する。5位争いのトップに立っていた3名取はこれで少し楽になったかと思われたが、85佐藤の勢いは止まらず14周目には85佐藤に背中を見せつけられた。トップが38.2秒でラップする中、それよりコンマ5ほど速いライムで周回を重ねる85佐藤はさらに22井本を7コーナーで制し4位に上がり、さらにその2周後には20澤田をパスして3位にまで浮上する。2番手を走行する5高橋とのタイムギャップは約1秒ではあったが、それほどにペースが速い85佐藤は容易に5高橋の背中をとらえた。5高橋は少しけん制するようにインを締めるが、タイヤが残っているため高速コーナーに圧倒的な利がある85佐藤はなんと1コーナーで5高橋をパス。さらにその1周後には4コーナーで2朝日をパスしついにトップに立つと、そのままの勢いで2位以下を引き離していく。レースは残り6周。ここで急激にペースアップを図ったのは5高橋。この周回、前を走る2朝日よりもコンマ2速いペースで周回を始めた5高橋であったため、このままいけば1~2周で2朝日を再び抜き去ることが可能だ。また5番手まで上がってきた17野中が4番手の20澤田をとらえて果敢に攻める。4コーナーで20澤田のインサイドをとらえたことをきっかけに7コーナーまでラインが交差していったが、20澤田が7コーナーアウト側で土煙を上げたことで大きくドロップし、17野中が4位に浮上した。その少し後ろにいた3名取はレース終盤にはペースが上がらなくなっていき、25佐藤や9佐々木にパスされていく。レースは残り2周というところで、タイヤが完全に終了していた13三村が無念のピットインリタイヤ。5高橋はわずかに2朝日をとらえることができない。そしてチェッカーが振られ、85佐藤、2朝日、5高橋、17野中、25佐藤、9佐々木、3名取の順でゴールラインを通過した。
1位 佐藤蓮
ほぼ最後尾からのスタートでしたが、DLは初動があまり良くなかったので、ペースを徐々に上げながら前方を走るドライバーたちを順に抜いていきました。優勝できたことそれ自体はとてもうれしいのですが、ある意味悔しいです。予選を走れずタイヤが残っていたことがずるいとすら思ってしまいました。次の第2戦は、予選決勝ともにキチンとすべて走り切って、そして優勝したいです。
2位 朝日ターボ
おおよそ昨日の予想通りの展開でしたし、自分がやれることはやり切りました。ただ、BSが思っていたよりも中盤以降のペースがよかったことが気がかりです。僕の予想では5高橋と1秒差でゴールできると考えていたのですが、実際にはコンマ3程度の差しかありませんでした。次の決勝はかなり厳しい戦いになるのではないでしょうか。車自体はだいぶ仕上がってきて不安がなくなってきています。第2戦予選はまたYHが上がってくることが考えられるので、順位が変動するでしょう。ここを気にしつつベストを尽くしていきます。
3位 高橋悠之
あとわずかなところで2位を取り逃がしてしまいました。僕はタイヤ開発3年目のシーズンとなりますが、やっとここまで戦えるようになってきたことが強く実感できた一方で、あと一超えがどうしても必要だと思いました。レース自体は序盤に2朝日を引き離しにかかりましたが、抜き返されたあたりから我慢のレースとなりました。85佐藤が上がってくるのは予想していたので、2位を狙うべく終盤にアタックをかけたのですが、ここでは熱が入りずぎてしまったため結局ダメになってしまいました。ここはタイヤの開発、そして自分の技量の両方に課題があるなと思います。あと少しで勝てる可能性を強く感じたので、次に向けて作戦を練り直していけば何とかなるはずです。